快風丸

俺の船に乗らないか。

寒い日

2006-01-13 19:33:13 | Weblog
 こんな日はうどんですな。

かつて、福岡に住んでいたころの話です。

うちで食べるうどんは、凄く柔らかくて、箸でつかもうとすると切れるくらいでした。高校生くらいになると
”うどんはコシだ!!”
くらいのグルメ情報は知っておりました。

でも、うちのうどんは柔らかい。

きっとうちは貧乏やけん、安もんのうどんしか、買えんとたいね。
これははずかしかことやけん、誰にも言わんと胸にしまっとくたい。

少年の決意は固かった。


そして月日は流れ、働き出してだいぶたったころ、たまたまテレビで
福岡のうどんを紹介していた。福岡といえばラーメンである。
メディアに福岡のうどんが登場するのはまれである。
少年の日の決意をまだ忘れきらぬ私は、
固唾を呑んだ。

タクシーの運転手さんがうどんをすすりながら、こう言ってました。

「福岡のうどんは柔いと。ほら箸で切れようとでしょうが。」


...........  衝撃である。

知らなかった。




いまでは、うどんの話になると、
「福岡のうどんっていうのはなぁ...」


こうして、私は大人になった。