橋の上から見る空はいつも大きい。
今日は川が流れていない。
鏡のように夕方の空を映している。
上にも空、下にも空。
イギリスのチェリスト。
多発性硬化症という難病に侵され、28才で引退、42才で他界。
激しく悲しいチェロ。
言葉では表現できないほどの深い感情を音で表現できると知った。
情熱的すぎると批判があったらしい。
それならどうしても映像が見たくなった。
これほどまでに音楽と一体化した演奏者を見たことがない。
生きてきた真実を一瞬の音にして、それを連続させて音楽にする。
歓喜と悲壮、官能と苦悩、心の奥のずっと深いところから出でくる音だ。
忘れられなくなってしまった。