大学入試の在り方がかわるのだという。教育というものが転換期にあるという。
高度成長期には、「早くて、正しくて、従順」、これが教育の目指すところであったと。
良い製品を早く、安く、精度よく大量に作るための社会人が必要とされた時代のこと。
しかし、成熟した、すなわち成長しきってしまったこの時代には、もうどんなに良いものを
一生懸命作っても、あのころのような幸せは望めない。モノの時代が終焉したという。
だから、今の時代に必要な人材は、「考えて、創造して、表現できる」、そんな人を育てる
ために大学、そしてそれに至る教育が変わるべきなのだそうだ。
皮肉なことに、そういった人材は、それが求められてはいなかった時代、1970年代
にこそ、豊富にいたように思うのです。
最近、この人のすごさが少しわかってきた。ロックの先駆者のひとり。
学生のころは、”伝説の”という冠が付く「はっぴいえんど」なんて、何度聞いても暗く湿った
四畳半というイメージ以上の感想が持てなかった。割と最近、何度か聞いていて、その
クセになる感じがわかってきた。子供のころ、苦くてキライだった鮎の塩焼きを大人になって
おいしいと思うようになったのと似ている。
細野晴臣という音楽家のスゴミのようなものに圧倒されている。音楽を求道するがごとく
のめりこんでいても、そのパフォーマンスはどこか冷めてて、退屈そうでなげやりで、スカし
ているように見える。
情熱を音に反映しないのはどうしてだろう。
もしかすると、それは隠し味なので、隠さなければならないものかもしれない。
何度も何度も聞いているうちに、こちらの胸の内に、少しづつその温度が伝わってくる。
そういうものなのかもしれない。
TIN PAN ALLEY HongKong Blues