久しぶりに聞いてみた。
8枚組、全て聞いてみた。
ショパンもさることながら、バッハ、ラベルが良かった。
何度聞いても新しい。
この人のピアノは、水だ。
たとえば、ピアニシモは、小さいが強い音。
小さな波だが、それは広い海岸線の隅々まで行きわたる力強さを持っている。
たとえば、悲しみと喜び。
それはある時期、重なり合う。悲しみが喜びに変わるとき、混ざり合う。
ジンとベルモットのようだ。
1960年のデビュー盤から、1983年に至るソロ演奏を年代順にすべて収録。
これで3,000円を切る価格設定には、正直、罪の意識すら感じてしまう。