坂根嘉弘先生より標記の新刊(A5判、354頁、本体9,500円+税、広島修道大学学術選書)を1冊、私にも贈ってくださりました。ありがとうございます。
内容は、大日本帝国時代に国内の農業集落がいかなる意味で国内経済の発展に関わってきたかを、アジア諸地域と比較しつつ論説するものです。著者自身の研究経験にもとづいて「家」「村」を分析視点に定めつつ「農業組織」「産業組合」「不正肥料」3テーマをそれぞれ1つの部にまとめながら、13年前に出版した単著『〈家と村〉 日本伝統社会と経済発展』(農山漁村文化協会、2011年)での提起内容から敷衍させようとしました。本論部分3つの部に9つの章と2つの補論とを設けています。
対象フィールドは沖縄・樺太・南洋群島など幅広いですが、元々は日本の領土でなかったこれら諸地域について、産業組合の運営に関する史料の内容を一覧表に整理しつつ、村社会を経済面で支えた組織の、国家制度に対する特質にせまろうとする仕事がメインです。