うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

劇場版「ミステリと言う勿れ」を見てきました&2023夏アニメ最終回②

2023年09月20日 21時14分41秒 | アニメ

今日、どうしても母が「見たい!」と言い張る劇場版「ミステリと言う勿れ」を一緒に見てきました。


原作とほぼ変わらない展開で、そこがありがたかったです。変に脚色つけられると、かえってわかりにくくなったり原作の良さが生かされなかったりしてしまうので。
ただ、母はドラマから入った人なので、整くんは「菅田将暉でないと可愛くない!」と言い張る(苦笑) 確かに原作に比べて可愛いですよね。あの喋り方も独特で、本当に朴訥とした感じで他人に流されない、感情も滅多にぶれない整くんを演じられるのは、菅田さんしかいないだろうなぁ・・・
クオリティもストーリーも凄くよかったので、原作ファンもドラマファンも見てきっと満足すると思います♪

そして満足いくかどうか!?夏アニメもちょこっと最終回感想です。
『もののがたり』:漫画原作のアニメ化2期目です。
兄姉を付喪神に殺され、付喪神に激しい憎悪の念を持つ主人公の岐兵馬は、祖父の命令で京都長月家にて居候し、同じく京都塞眼の御三家の一つ、門守家で修業を開始する。椿の支援も受け、次第に実力を発揮しだしていく兵馬の下に、京都三大付喪神の一角である雅楽寮と共に葵祭の警護に当たる様指示を受ける。そこに番傘の付喪神が暴走する。唐傘を追っている兵馬だったがこれは目的のものではなかったものの、その様子を見ていた唐がいた。後日唐傘がぼたんを狙うも、雅楽寮の一つ吹枝の助けも入り、兵馬はぼたんと彼女の友人たちを救出できた。だがこの戦いは囮であり、本体は長月家を急襲。守りの要の匣を失ってしまう。そんな中、婚礼調度に東京への呼び出しがかかり、兵馬はぼたんを門守の家で守ることとなる。しかしそこに唐傘の部隊が襲い掛かる。門守一門も応戦するが、その強大な力に防戦一方。そして唐傘側についた雅楽寮がぼたんと兵馬に襲い掛かる。兵馬はギリギリの戦いを強いられるが、椿が参戦した事で好転。すると遂に唐傘の部隊「藁座廻」が姿を現す。彼らはぼたんを攫おうとするが彼女の中に眠るマレビトが現れ、付喪神たちを圧倒する。だがぼたんの人格が消えそうになった時、兵馬の声でぼたんは自身を取り戻す。そして戻ってきた婚礼調度、さらに匣が復活し、兵馬は兄の姿を取り入れた天日と真っ向勝負を開始。だがその力に敵わず危機に陥るも、八衢 黒檀の加勢により藁座廻は撤退し、何とかこの場を切り抜けることに成功したのだった―――というストーリーでした。
一期目はとにかく兵馬の否定的な態度が目立った感じでしたが、段々世界が広がるとともに、付喪神をはじめ色んなありかたがわかって、戦闘力より人間としての成長が大きく描かれていた感じでした。いよいよもって彼の目標である唐傘が現れましたけど、その前に京都の様々な人々や、付喪神たちに会えて成長しておいてよかったと思います。でないと、彼の目標である「復讐を果たす」がなされた後、兵馬には何も残りませんからね。復讐以外の目的を見つけさせることも祖父の目的だったと思いますが、それがわかった時こそ、兵馬の人としての成長が叶うでしょうね。続編の情報はありませんが、出来たら続きを見てみたいです。
『おかしな転生』:なろう系小説のアニメ化作品でした。
主人公は現世でコンクールに出場中だったパティシエ。大会の最中に倒れ、気が付くと異世界の辺境の貧乏領主であるモルテールン騎士爵の末子の嫡男である、ペイストリー=ミル=モルテールンとして転生していた。将来はお菓子作りを存分に行いたい!と念願しながらも、この世界には「お菓子」を嗜好品として食する習慣がなく、ペイスは各地にある原材料を入手することから始める。辺境とはいえ戦闘に優れている父に、現代の頃に得た知識でアドバイスを行いながら、ペイスは領主も一目置く跡取りとして成長していく。ペイスは各地のお菓子の原材料となるものを入手するため、父の戦闘に付き合いながら、領地改革と材料の原料を褒美に入手し、それを重ねてお菓子の国を作ろう!と目標に据える。やがてペイスは「転写」の魔法を発揮し、それが縁となってリコリス=ミル=フバーレクと婚約することに。領土を守りつつ、義理兄となるスクヮーレの窮地を救い、ペイスはリコリスの念願だったチーズケーキを焼くことに成功するのだった―――というストーリーでした。
お菓子の国!どこぞの童話の話かと思いきや、お菓子を作りたい=材料が欲しい=国土を豊かにすればはいってくるんじゃね!?という発想が凄い。さすがは「なろう系」。単純かつ明快で、いっそ清々しいですw でもある意味真実をついていて、やはり国土や経済が豊かで、隣国とも友好関係を続けていないと現実問題お菓子どころか日々の食事の材料も手に入れられないですからね。領土拡大って昔から食料確保の意味が多分に含まれていましたから。・・・と、真剣に考えてしまいましたが、結構厳しい現実問題を突きつけられながらも、お菓子で解決してしまう素晴らしさよ✨ パンがなければお菓子を食べればいいと揶揄したのはアントワネットではなく、全くの風評らしいですが、小麦の輸入が少なくなったおかげで、パンをはじめとする小麦原料製品は値上がりする一方だし、燃料系も値上がり。お菓子処の話じゃなく現実の財布に厳しいリアル世界ですが、早く戦争終わって欲しいですね。
『夢見る男子は現実主義』:こちらもなろう系原作のアニメ化でした。
主人公の高校生:佐城渉は同じクラスの美少女である夏川愛華にアプローチしては断られる、というやりとりを中学の頃から続けていた。愛華に散々疎んじられながらも今日も告白を続けていたが、ある朝、サッカーボールが飛んできたのを回避したとき、急に何かが目覚め、以降愛華へのアプローチを一切やめてしまう。そんな渉に一番戸惑ったのは愛華。急に距離を置かれたことで、かえって不安になった愛華は何かと渉に近づくも渉から回避される日々が続く。渉は愛華が中学の時、人から距離を取られていたのは自分が付きまとっていたせいだと思い込むが、実はそれがきっかけでクラスメイトから心配されるようになり、以降人付き合いが多くなっていた。そのため、別に渉のアプローチが嫌だったわけではないことを本人に告げようとするも、なかなかうまく行かない。一方の渉は人から一歩引いた生活を送るようになったこともあって、同じバイト仲間の一ノ瀬さんや、風紀委員の稲富ゆゆをはじめ、様々な問題を抱えた人物が渉の周りに集まり、解決へとつながっていくのだった―――というストーリーでした。
毎回テーマ(その時のヒロイン)が替わりますが、大まかにいえば、渉が望むとも望まずとも、自然とトラブルを抱える人物(女子オンリーw)が集まり、自然と彼の存在によって救われる、あるいは解決につながる、というのがこの作品の主軸の様でした。はっきりと結論付けられないのは、正直この作品はどこを着地点にしようとしているのか、さっぱり見えてこなかったので💧 多分原作だとそのあたりの心理描写や心の触れ合いやすれ違いを詳しく描いているんだろうと思うのですが、ただ台詞だけで、心理描写に当たる心の内の呟きが殆どなかったため、何故この行動パターンが解決に繋がっているのか、さっぱり表現演出されていなかったんですよね。脚本のミスかな。あんまり今までこういう感想持ったことなかったんですが、この作品に限っては、真意がさっぱり見えてこなかった。最初のサッカーボールの件でも、あのサッカーボールに伏線が込められていたのか、ただ避けた瞬間に自分を俯瞰して見られるようになったのか、全く説明がなかったので多分原作を読んでいる人以外は、みんな置いてきぼりだったと思います。心理描写の台詞ばかりの作品も確かに見辛いですが、もうちょっとそのあたりのセリフの書き込みをして欲しかったです。

コメント (2)
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2023夏アニメ最終回①

2023年09月18日 21時16分42秒 | アニメ

9月も半ばを過ぎたというのに、何なんでしょう、この暑さ💦
世間様は三連休とのことですが、かもしたは基本連休はGWと成人の日だけしかないので、今日もお仕事でした。でも電車が空いていてよかった✨( ̄▽ ̄*) ラッシュは暑くてかないません。

そんな秋の気配も一向に来ないですが、番組はもう夏の終わりを告げ始めました。簡単に感想です。

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』:バンドリシリーズの最新作。ポピパ世代から2,3年経った新作物語でした。
海外留学に挫折して帰国した主人公の千早愛音は、周囲が皆バンドをやっているため、自分も目立とうとバンドメンバーを募集するが集まらない。そこに人見知りのクラスメイト:高松燈が以前バンドをやっていた、という話を聞き、彼女を必死に勧誘。しかし燈は拒否し続け、そんな彼女を庇う椎名立希と出会う。喧嘩腰の愛音と立希の間を取り持ったのは、長崎そよ。燈と立希とそよは以前CRYCHICというバンドで活動していたが、メンバーだったキーボードの祥子の脱退により、解散となってしまった過去を持っていた。それでも何とかそよを介してバンドを作ろうとする愛音。流れ者のギタリスト要楽奈が加入(?)したことと、対バンの途中に空きができたことで、そこでデビューライブを行うことになった。当日燈が緊張で声も出せなくなったが、級友たちの声やメンバーの支えによって歌い出す。しかし要が勝手に始めた「春日陰」という曲を祥子の前で演奏したことで、そよが激高。またバンドは解散の危機を迎える。だが、様々な人たちの声を聴き、燈はようやく立希の後ろに隠れるのではなく、自分の言葉で自分の気持ちを歌に乗せる。これにより再び彼女らは結束し、再びステージに立った。まだバンドとして迷う彼女らは「MyGo」というバンドネームを付け、活動を始めることに。一方祥子は自分の新たなバンドとして「アヴェ・ムジカ」を結成。ステージに立つのだった―――というストーリーでした。
今までのバンドリ!シリーズはラス以外はみんな仲良く前向きに進んでいく、明るいストーリーでしたけど、急転直下!仲も悪ければトラブル続きで、それでもバンドを喘ぐような呼吸を何とか維持しようとする、滅茶苦茶息苦しい展開ばかりでした💧
そもそもが「愛音=自分が目立てればそれでいい」「燈=また解散するのが怖いからやりたくない」「そよ=あわよくば祥子も戻ってCRYCHIC再結成させたい」「楽奈=ギター弾けるんだったら誰といようとどこだろうとどうでもいい」「立希=弱い燈を庇い続けることで、優しい自分を演出」―――という、誰一人自己顕示欲を押し通すためだけの人間の集まりなんですもの。他のメンバーの気持ちとか考えているようで考えていない。大事なのは自分の欲求だけ!・・・救いようがありません(´Д`)ハァ… こんなんで最後はみんなの気持ちが一つに――!!・・・ってなることもなく、何だか消化不良の後味スッキリしないまま終わってしまいました。これでバンドとして成功しました✨何て言ったら、絶対納得できない(==;) 今度は続編で「アヴェムジカ」の方を視点としたものが制作されるそうですが、どっちのバンドも「誰かを自分の欲のために利用する」のが現状なので、ダークな気分のままになりそう。少し次作で前向きになってくれるんだったら見ようと思いますが・・・やっぱり「ガルパ」は明るくなきゃ!
『AYAKAーあやかー』:オリジナルアニメでした。
主人公の八凪幸人は過去に異能力で人を傷つけてしまって以来、人と関わらずに過ごしていた。だが中学卒業式の後、亡き父の弟子と名乗る沙川尽義に連れ出され、綾ヵ島へと渡る。そこは昔幸人が住んでいた場所で、アラミタマという存在が島を脅かしていた。それを祓う力を持つ尽義と、かつて父の弟子だった鞍馬春秋や伊吹朱らがおり、春秋と朱は対立していて、その組織同士も仲が悪い状態だった。尽義や島の人たちから幸人は水の異能があることを知らされ、幸人は異能をコントロールすべく、尽義について修業を始める。幾度かの戦いを経て、異能のコントロールができるようになってきたが、島はアラミタマの出現が多くなり、やがて幸人の父が亡くなった時と同じ、火の龍が現れ島を破壊していく。何とか抑えようとする春秋や朱たちだが、叶わない。しかしそこで幸人は尽義から「自身が火の龍の力を抑える水の龍である」ことを知らされ、尽義の命と引き換えに幸人の封印が解かれる。これにより火の龍の力は抑えられたが、その代償として尽義は命を落とす。しかし幸人はアラミタマたちが紡ぐ気の流れの中で必死にもがく尽義を感じ取る。そこで幸人は自ら水の龍の力を使い、父の助けを得ながら尽義を救出。こうして再び尽義は命を取り戻し、平和になった島で幸人は高校生として生活を始めるのだった―――というストーリーでした。
異能バトル物で、見ていたら「炎の蜃気楼」を思い出しました(笑) そうそう、こんな感じの異能力バトルでしたよね!あれと同じくこちらも何だか割と因縁くさいストーリー展開でしたが、やはり1クール放送だったこともあって、展開が早すぎて、人間関係の修復とかあっという間に解決してしまって、ちょっと物足りなかったです。割とお約束の展開でしたし、それはそれで安心できましたが、もうちょい重厚なテーマがあってもよかった気がします。作画は割と綺麗な方でしたので、そこは良かったかな。
『ライザのアトリエ』:ゲーム原案のアニメ化作品でした。
冒険と探求心の強いヒロインのライザは、幼馴染のレントとタオと共に、大人から「行ってはいけない」と言われている対岸の島へ冒険に行く。そこで魔物に襲われていた少女クラウディアと出会うが、絶体絶命のピンチでアンペルとリザの二人に助けられる。リザは戦士だが、アンペルは錬金術師で様々な武器を作り出したものを見て、ライザはアンペルに弟子入り志願し、錬金術師としての修行を付けてもらうこととなる。レントとタオもリザに修行を付けてもらい、やがてライザたちは島を襲ってきたドラゴンを撃退し、今度はドラゴン討伐の部隊に参加を希望するが、それは大人たちに止められる。しかし何としても自分たちの修行の結果を試し、島の危険を排除したい4人は討伐隊に加入。そして暴れるドラゴンを相手に、自分たちの最大限の力を持って戦い、遂にドラゴンを倒すことに成功。村人たちから感謝を受ける。しかしまだ探求が満たされないライザ達は、この地を去ったアンペルやリザと、更なる冒険に向かうのだった―――というストーリーでした。
久しぶりですね、アトリエシリーズは「マリーのアトリエ」しかやったことないですが、元々ストーリーらしいストーリーではなく、自由度の高い作品なので、アニメではどんな話になっていくのかな、と思って見ていました。基本的にはライザのドタバタに巻き込まれる幼馴染&クラウディアの話でしたが、ほのぼのした感じでしたので、あんまり危機感を感じませんでした。もちろんドラゴン退治とか命に係わるものではありましたが、最近のアニメは本当に命のやり取りであっさりと命が奪われることも厭わない中にあって、お約束的に安心していていられる作品だったと思います。子供らしい正義感がわかりやすかったかな。たまにはほのぼのした話も箸休めにいい感じでしたv
『夫婦交歓~戻れない夜~』:今期の5分エロ枠アニメでした。
主人公の鈴木夫妻は子作りのために禁欲生活を送っていたが、幼馴染の美原夫妻と一緒に温泉旅行に行くこととなった。そこで鈴木奏は美原幸祐から強く誘われ一夜を共にしてしまう。そしてその様子を見てしまった鈴木礼司に対し、幸祐の妻である明日香が誘い、やはり関係を持ってしまう。相手への焦りや嫉妬から情事を重ねてしまう2組だったが、やはり一番の相手はお互いのパートナーであると自覚し、元のさやに戻るのだった―――というストーリーでした。
エロすることが前提の枠ですので、理由も滅茶苦茶ですし、リアルであったら「不倫だ」「離婚だ」と大騒ぎになるはずなんですが、そこは華麗いスルーで✨(*´艸`*) まぁ、いけないことって結構燃え上がるシチュエーションですが、そこにズブズブ嵌っていくこともなく、割とあっさりと終わりました。多分漫画原作の方は、この後もドロドロ関係が続いているのでしょうが、アニメはここまで。傷は浅いうちに止めておいたほうが良いです✨

 

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その手を抱いて

2023年09月16日 20時36分07秒 | ノベルズ

「もう出かけるのか?」

「あぁ。」

彼女の眼前に立つ俺は、既に白と青の眩しいオーブの制服ではない。

灰がかった深い青味のコートに黒のロンググローブ。まさにどこかの国のアニメで見かけた忍者の装束のようだ。

それもそのはず、俺かこれから特殊任務にあたることとなった。

オーブ軍諜報部…簡単に言えばスパイということだ。

 

 

一か月前、突然俺はこの辞令を受けた。

「特殊任務、ですか!?」

半信半疑で受け取った辞令を食い入るように読み込んだが、そこには明らかに「スカンジナビア王国への出向」の文字が刻まれている。

「そうだ。よろしく頼む、ザラ二佐。…いや、これを以って諜報部一佐だな。」

俺の詰問にもブレることなく、彼女―――オーブ首長国代表にしてオーブ軍大将のカガリは落ち着いたそのアルトの声で、俺の不満を含んだ返答にさえ、周囲に気取られないよう包み込んでしまう。

「しかし、その、…」

「何だ?不服か?あるなら受けるぞ?何しろ下士官と違って上官への辞令は大将である私が出す以上、聞く責任は私にあるからな。」

何で君はそんなに済んだ金眼を俺に向ける?

俺がスカンジナビア王国に行ってしまったら、誰が君を守るんだ!?

君の傍にいられるからこそ、俺はオーブ軍に入隊し、君を掌中で守ろうとしているのに。

「それは―――、いえ…失礼しました。」

辞令を片手に抱え、敬礼する。

カガリは僅かに眉をひそめたが、軽く頷いて、部屋を後にする俺の背を見送ってくれた。

 

ディスティニープランを掲げたデュランダル議長との戦いが終わってまだ1年。

オーブは三度焼かれたが、それでも復興は目覚ましかった。

プラント評議会に招かれたラクスを追い、キラもプラントに向ったのを見送って、俺は改めてオーブ軍に所属した。もちろん、彼女を守るため。

最初は敵として出会い、そして紆余曲折を経て彼女たちと同じ道に向かい、そうしているうちに彼女の広い心に幾度となく救われ、それが愛情という名に形を変えるまで、そう時間はかからなかった。

しかし、二度目の大戦の開始と共に、何もできないでいる自分のはがゆさから俺はザフトに復隊。世界の流れは地球連邦と同盟を締結するオーブの首脳陣を止められなかった彼女との間に溝を作り、次第にその距離が遠くなった。

やがて議長の真の目的を知り、ザフトから離反した俺は、その時身も心もまさしくボロボロだった。

こんなに自分を追い詰めなければ気づかなかった平和への道筋。

カガリは彼女自身の道を選び、俺が渡した指輪を外した。

でも決して俺は彼女を諦めたりしない。

だからこうして今、一番近くで彼女を守っていた。そのはずなのに…

 

 

「何時もお前はザフトの赤服か、オーブ軍服だったから、諜報部の制服姿は斬新だな。」

「そうか?俺はあまり身に着けるものには興味はないからな。」

出立の一時間前。こうして彼女の執務室を訪れ、挨拶に向かった。

諜報部は基本、味方は居ない。

メイリンがバックアップに入るとの事だが、現場は俺一人の対応だ。

万が一的に感づかれ、脱することができなければ、それの意味するところは「もう命が無い」に等しい。

そう―――これが彼女を見る最後かもしれないのだ。

「お前には苦労ばかり掛けさせて、本当に申し訳ないと思っている。…でもな、一番の適任はどう考えてもお前しかいなかったんだ。頭の回転、決断力、身体能力、どれをとっても右に出る者はいない。まだ終結後1年も経っていないのに、この事態だ。オーブも優秀な士官たちを多く失った。それだけにお前のような優秀な者がいると、どうしても頼らざるを得なくてな。」

視線を下げ気味に自嘲する彼女。

どこかその瞳の奥が潤んで見えるのは、俺の気のせいか?

「あの時―――」

俺は自然と口を出す。

「ん?あの時って…」

顔を上げて俺を見る彼女。

俺も真っすぐ彼女を見た。

「辞令交付の時、本当はこう言いたかった。…「何で俺を君の傍にいさせてくれないのか?」と。」

「アスラン…」

「ようやく終結し、国を建て直すには、君が私欲にふける暇など無いことくらい、俺にだってわかる。だが、君一人でそれを背負うには、あまりにも重すぎる!しかも地球の、ナチュラルの代表たる君はいつだれかに狙われてもおかしくない。そんな時、俺が君をこの手で守りたい、そう思ったからこそオーブに俺は残ったんだ。無論、戦いだけじゃない。君の…心の支えにだって…」

「…」

俯き、唇をかむ俺に、カガリは黙って無意識に、だろうか、左手を摩る。

そこにはかつて、俺がはめた指輪があった。

彼女にとって、指輪が俺がいない間の心の支えになってくれたことは嬉しかった。

そしてどんな思いでそれを外したかも分かっている。理解している。でも、感情が許さないんだ!

今だって、辞令を破り捨て、グローブを外し、そのまま彼女を抱きしめどこかへ連れ去りたい―――!

「アスラン」

名を呼ばれてハッとは顔を上げれば、彼女は精一杯微笑んでくれた。

「ありがとう。お前がいてくれたから、私は無茶ができた。何時もお前が後ろで私を支えてくれていたからだ。今回だってそうだ。私はどんなに遠くにいても、お前が私を支えてくれていること分かっている。だから…」

そう言って彼女が手を差し出した。

「オーブの大事を任せられるのは、お前だけなんだ。私が誰より信頼し、知っている「お前」だから。」

諜報部員は確かに信頼のおける人間でなければできないだろう。

遠くから、彼女を守る。

それが理解出来たら、きっと大人なのだろう。

まだまだ俺は子供のままだ。一足先に大人になった彼女にふさわしくなるには、かの地で身を捧げることができてこそ。結果を出さなければ…彼女だけでなく、オーブ、いや、世界中誰にも「カガリにふさわしい人物」になれるのは、この俺だけだと。

「…」

俺は黙って彼女の差し出した手を握る。その瞬間、ふと感じ取った。

「…こんなに小さかったか?」

「え?」

「いや、君の手。こんなに華奢で、柔らかかっただろうかって…」

「失礼だな。私だって一応これでも女だぞ。」

少しふくれっ面の彼女が16歳のあの日、出会った時のままの表情を垣間見せた。

「というか、最近、銃も操縦桿も握っていないからな。以前は訓練でタコができていたけど。」

それがなくなったのか。

改めてその手を懐かしむ。

もうこの手に銃は握らせたくない。

MSの操縦桿も握らせない。

そんな必要はない世界に、彼女を押しやる。

「カガリの指も細くなったな。」

「そうか?」

「今度買う時は、サイズは小さくしないといけないな。」

「お前…」

少し困ったような表情の彼女。まだ凝りていないのか?とも言いたげだが、そうは行くか。

「君も知っているだろう?俺は諦めが悪いって。だから―――」

俺は微笑んで押し通す。

「ちゃんと帰ってくる。だから約束してくれ。もう二度と誰かの物にならないと。」

「アスラン///」

頬を染めながらもコクリト頷く彼女が、どこか幼げに見えて。

愛おしくって誰にも見られていないのをいいことに、握っていたその手を引き寄せ、腕の中に閉じ込める。

「アスラン、ちょっとま―――」

「このままでいさせてくれ。暫く君を傍で感じられないなら、今のうちに補給しておかないとな。」

「何の補給だよ…///」

そう言いながらも大人しく俺の胸に身体を預けるカガリ。

俺の服をキュッと握り、しがみ付くようなその仕草が嬉しくて。

たまらず片手で彼女の顎をクイと引き上げて、何か言いたげに開きかけたその唇を塞ぐ。

グローブだけでも外しておけばよかったな。そうすれば掌で君の頬の柔らかさも、温もりも、味わえたのに…

だけど今重なっている唇の温度も、感触も、初めて口づけたときのままだった。大人としてルージュを付けていてもカガリの唇は一生忘れない。

「…じゃぁ、行ってくる。」

「あぁ、よろしく頼むぞ、ザラ一佐。」

身を離した瞬間、軍人と代表に戻る。

碧の奥に彼女の姿を、儚い笑顔を焼き付け、二度と振り返らずにドアを閉めた。

 

 

スカンジナビアに向かう飛行機のシートについた時、改めて手を見つめ彼女の手の感触を記憶に刻み込む。

すっかり女性のそれになった手

もう彼女は銃を持たなくていい

その代わり、願わくば

 

いつか、俺の子を抱いてくれる母の手に―――

 

 

・・・Fin

 

***

 

突発的にSSです。
シチュエーションは劇場版始まる寸前の「多分こうなんじゃないか劇場」。えぇ雑駁に言えば『妄想』の一言です。
なんとなく予想で、アスランはキサカさんの後任で諜報活動とかやっていそうな気がするのと、『エクリプス』の方でオーブに諜報専門部の設定がある、と聞き、つい「アスラン、キラたちと一緒じゃないのは諜報活動しているんじゃないか?」と勝手に考えが沸き上がったので、それ設定です。これで劇場版見て、全然違っていたら「笑ってくれていいのだよ。」( ̄▽ ̄)
当然ながら上官への辞令はさらに上の方が行いますから、こんな感じでカガリから辞令を言い渡されたりして…等など妄想しているうちに、「そういえば姫様はもう、MSも乗らなそうだな…」と思ったら、訓練していた時の手についたタコとかも、もう無くなっていそうな気がしまして。寧ろそれでアスランがカガリの女性性を意識してくれたらな~♥ という妄想の成れの果てですw
劇場版が始まるまで、いろんな方が色んな妄想の作品をUPされていらっしゃるので、またかもしたも拝見させていただき、妄想に花を咲かせたいと思います☆

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🍠ね♥( ̄▽ ̄)

2023年09月14日 22時19分59秒 | 雑記

秋と言えば、いろんなところで「🌰」だの「🍠」だの秋の味覚のスイーツが溢れまくって、ホクホク系が好きなかもしたにはたまらん季節です♥
なので、早速行ってきました、ミスドの秋恒例「さつまいもド」シリーズ。
昨年と同じポンデリングに色々サツマイモ要素を盛り込んでいるものですが、去年何食べたかすっかり忘れているので(苦笑)覚えていなけりゃ結局「初体験♥(/ω\)イヤン」ということで、二種類ゲットしてきました。

左が「さつまいもド スイートポテト」で右が「さつまいもド 密いもブリュレ」になります。
で、早速半分ずつ食してみたのですが、左のスイートポテトは、まんまスイートポテトなので、要は🍠を二種類いっぺんに食べている…という説明すると身もふたもない(笑)
ただ、ポンデの方はそれほどサツマイモ感は押さえている感じなので、スイートポテトでサツマイモを味わっている感じでした。
で、密🍠ブリュレなのですが―――・・・

甘いのに、更にカラメルソースを背面にコーティングしているので、めっちゃ甘いです!!
困るほどではありませんが、かもしたはブラックコーヒー一気に飲めるほど、甘かったです💦
そりゃ元々甘いドーナツに、更に砂糖をコーティングしているんですもんね。甘くて当然┐(´∀`)┌
これは一度に一個は無理でした。半分に切っておいたので丁度良かった♥ まぁ、カラメルはバリバリに割れちゃってますが^^;

普段のミスドよりも結構な甘さですので、甘いものスキーさんにはたまらんでしょうな( ̄▽ ̄)
かもしたも今日は1万歩あるいたので(このくそ暑い中💦)、疲れて密いも食べられた気がします。
残りまだいくつか種類あるみたいだけどどうしよう…
また1万歩歩いた後で考えます(笑)

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出た出た月見~♪

2023年09月12日 21時12分22秒 | 雑記

最近洋菓子より和菓子が好きになってきたかもしたです。
なんかクリーム系よりも、小豆とか抹茶(まぁ抹茶は洋菓子でも使われていますけど)のが触手が伸びるというか。さっぱりした口当たりの方がよくなってきましたね。もう年だな(苦笑)
なのでコンビニの生菓子売り場でも、和菓子の方を探すようになってきました。最近のコンビニは和菓子も種類が増えて嬉しいです♥

そして滅多食べなくなってしまったファストフード。
ミスドはたまに行きますけれど、マック系は何年くらい足を踏み入れていないか。今目の前で「マツコの知らない世界」でハッシュドポテトの世界をやっていますが、昔はすっごく食べたかったけど、今そんなにフライドポテトも食べないな…
そんな中で、現在マックでは「月見フェア」やっていますが、Xのポスター(?←フォロワーと言いたい)の皆さんは結構月見バーガーを召し上がっていて美味しそう♥
実は今までの生涯で一度も月見バーガー食べたことなくって、食べてみたいんですが、普通のバーガー以上にコレステロールが溜まりそう💧
でも、せめて少しは口にしてみたい・・・なので

月見パイと月見マックシェイクなるものを食べてみました♥
うん、これだけでもカロリー高そう^^;
でも月見パイの中は、ホカホカしている小豆と御餅だそうなので、齧ってみましたら、本当に大福を揚げたみたいな(笑:すいません、食のボキャブラリーが低すぎて💦)みたいでした。
パイ、といっても周囲がカリッとしている感じで、あんまり油油していなかったのが救い✨ 小豆が結構甘かった気がしますが、温かいと甘み増すんですよね。だったら覚まして食べようかと思いましたが、中の餅(白玉?)が冷えて固くなると美味しくないので、やっぱりすぐに食す。餅は伸びる訳ではないので、上新粉使っているだろうから白玉だな。疲れた体に糖分必須✨

そして月見シェイクの方ですが、「月見」という名前だけで購入したので、中の味が「シャインマスカット🍇」だとは思わなかった!←メニューよく読んでおけよ💧
かなり香料強めでしたので、お菓子でよくあるシャインマスカットの味と同じでしたが、マックシェイク=バニラの甘み&こってりした後味、というイメージを覆して、さっぱりした後味でした✨ 結構な吸引力を必要としますが(苦笑)普段スタバのフラペチーノ飲むことが多いので、このシェイクの吸引力が懐かしい( ̄▽ ̄)♪

なんか久しぶりに中高生ぐらいに戻った感じでしたが、中高生時代だったら、絶対和菓子系の小豆&白玉は選ばなかったと思う。その分月見バーガーに齧りついたでしょうけど。
バーガーは齧れないけど、ナゲットとかならまだいけるかな?アレも月見限定のソースがあるみたいなので、機会があったらチャレンジしてみたいですv

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