KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
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マラソン旅日記~香川・丸亀ハーフマラソンvol.1

2006年03月11日 | マラソン参戦記
2月4日土曜日、午後1時過ぎ。

僕は松山空港のロビーにて、東京発の飛行機の到着を待っていた。明日(5日)に開催される丸亀ハーフマラソンに出場するため東京からやってくる2人のランナーを出迎えるためである。
彼らはいずれも、僕が6年前からやっているHPの掲示板に書きこみをしてくださっていた方である。'65年生まれのHさんと、'67年生まれのSさん。実はお2人とも掲示板を通じて連絡を取り合い、一緒に走ったり、飲みに行ったりのお付き合いを始めたのだという。

昨年の丸亀の頃に、
「来年はぜひ。」
とどちらからともなく話していたのだが、今年ようやく、「ご対面」が実現することとなった。彼らがあえて宿泊先を高松から松山に変更されたというのである。僕の方も彼らとの出会いを楽しみにしていた。

飛行機が到着し、乗客が次々と降りてくるる見覚えのある顔を見つけた。元雑誌編集長でコラムニスト、テレビのコメンテイターとしても活躍しているA野Y吉氏だった。東京生まれだが、故伊丹十三氏のように父親の故郷である松山の高校を卒業した氏には「子規記念博物館館長」という肩書きも持っているのだ。

携帯の着メロが鳴る。(日テレの「箱根駅伝中継」のテーマ曲)Hさんからだ。今、着いたとのこと。
「どんな服着ているんですか?」
と出会い系で知り合った女性と約束する際の決まり文句を言おうとすると、携帯で話しながら歩いてくる男性の姿が視界に入ってきた。

「はじめまして。」
とご挨拶。遅れてSさんもやってきた。出会いを喜ぶ挨拶を済ませ、駐車場まで向かう。

お2人とも四国に来るのは初めてだったそうである。第一印象は「意外と寒い」ことだったようだ。実際、旧正月から一週間後にあたるこの時期、松山地方は1年でもっとも冷え込むのだ。さらに今年の冬は例年よりも雪が多かった。

マラソン・ファンであり、愛媛といえば土佐礼子さんをまず思い浮かべるお2人のために、土佐さんゆかりの地をいろいろ案内しようと考えていた。まず向かったのが、アテネ五輪の後に彼女の足型のモニュメントが建てられたグラウンド。

しかし、なんということか!道に迷って、たどり着けなかった!!下調べをしていなかった自分の大エラーである。
「お前、自分の母校のグラウンドも知らんのか!?」
と非難が殺到しそう(どこから?)だが、僕の在学中には無かったところだから仕方なかろげえ。

しかし、お2人の心境の方を察すると、生まれて初めて来た場所で、出会ったばかりのおっさんのクルマで、道に迷うとは、たまらなく不安だったに違いない。気まずい空気が車中に広がる。

気分直しに、行きつけのスポーツ用品店に出かける。社長は留守だったが、この店には5年前に高橋尚子が松山に来た際、マドンナの格好をして人力車に乗った姿をパネルにして飾っているので、それを見せてあげようと思ったのだ。
(ここでお見せできなくてすまんのう。)

なお、彼らには言い忘れていたが、5年前のエドモントン世界選手権の代表に土佐さんが渋井陽子と選ばれた際、合宿地のボルダーでキャッチボールをしていた様子がテレビや雑誌で紹介されたのをご記憶だろうか?その時に土佐さんが使用していたグローブはこの店で買ったものだそうである。当然、現在の夫であるMさんと一緒に買いに来たのだそうである。

彼女の母校の松山大学を左に見ながら平和通りを右折。「友近商店」という看板を指差し、
「あの女芸人の実家、じゃないよ。友近って松山ではよくある名字やから。」
と説明。堀端を通り、
「僕らにとっての皇居やね。」

松山にもついにできた、メイド・カフェの入ったビル(紀伊国屋書店の真向かいにあります。)を通り、駐車場に止める。昼食に案内したのは、にぎやかな商店街の裏通りににある、知る人ぞ知る鍋焼きうどんの専門店「アサヒ」。子供の頃に、母に連れられてデパートに買い物に行ったり、映画を見たりした帰り道に寄っていたなつかしい場所だ。当時とほとんど変わらない店内。メニューは鍋焼きうどん(卵入りとなし)といなりずしだけ。卵入りで500円、なしで450円。牛肉からとった独特のだしの味もさることながら値段の安さがお気に召されたようだった。なお、近所には同様の店「小鳥」がある。そちらの店では、映画版の「がんばっていきまっしょい」の中で田中麗奈が演じたヒロインが何杯もおかわりしていた。

店を出ると雪が降り出した。風も冷たい。Sさんからのリクエストに答えて、坊ちゃんスタジアムへと向かう。河原町を右折して、石手川に沿った道を西へと走らせ、スタジアムへ。正式な名前は松山中央公園。「瀬戸風バンク」と名づけられた市営競輪場ができて以来、ここに来るのは初めてである。武道館にテニス・コートなどが並ぶ総合スポーツ施設だ。

坊ちゃんスタジアム、試合のない日でもおすすめしたい場所だ。「の・ボール・ミュージアム」という愛媛の野球史料館が常設展示されている。アマチュアとプロと2箇所展示場があり、アマチュア館は、戦前からの高校野球にまつわる展示物が、プロ館には、4年前のオールスター戦にまつわるものや愛媛出身のプロ選手関連の展示物を見ることができる。夕方4時30分過ぎまで見ることができ、無料である。
「延長18回の熱戦」、「奇跡のバックホーム」が忘れられない方は必見である。お2人とも巨人ファン、それも西本聖投手がお好きだったようで、彼のユニフォームやサインボールに目を輝かせていた。王さんや長嶋さんのユニフォームもあるが、それらは全て西本さんがジャイアンツ時代にご本人よりいただいたものを寄贈したものである。もしかしたら、松山の観光地の意外な「穴場」かもしれない。

陽が西に傾き始めていた。せっかく松山に来たのならと、松山城へ行きましょうと、再び市内の中心部へと戻った。

(つづく)



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