観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

藤前干潟クリーン大作戦への参加・協力ありがとうございました。

2019-10-26 19:37:39 | 秋の藤前干潟

藤前干潟

今日の干潮時間10時29分 潮位 49cm

今日の満潮時間16時44分 潮位253cm

 

昨日の大雨の被害が各地で出ているようですね。 

庄内川も新川も昨日の夕方はかなり増水し、藤前干潟クリーン大作戦の中堤会場(集合場所と駐車場)が冠水してしまいました。このせいで会場に設置されていた仮設トイレが流されそうになり、ロープで流れないようにしたそうです↓。

しかし、今朝は水が引いて、藤前干潟クリーン大作戦を無事開催することができました。

それでも、中堤会場の駐車場等は水が残り、早朝から実行委員会のメンバーが一生懸命、水を除いていました↓。

昨日はあんなお天気でしたが、今日の藤前干潟クリーン大作戦には多くの方の参加・協力をいただきました。

中堤会場には約580名もの参加者が集まりました。

そして、川沿いの清掃活動が行われました。

集められたごみの一部↓。中堤会場では約1,000袋(30Lごみ袋で)のごみが回収されたそうです。

また、中堤会場では清掃活動だけでなく、水質調査、干潟観察会、ヨシ植栽を見守る会、上流の恵那市で行われた「えな環境フェア」とのライブ中継なども実施されました。

多治見市から参加してくれた笠原中学校、北陵中学校の生徒さんなどが行った水質調査↓。

ヨシ植栽を見守る会の活動では、春に植えたヨシの生育状況を調査しました↓。

上流の恵那市で行われた「えな環境フェア」とのライブ中継は初の試みでしたが、担当の中部大学の学生さんがしっかり対応してくれました。写真の矢印のタブレットで会場を撮影し、えな環境フェアの会場にスカイプで会場の様子を報告しました。えな環境フェアの会場ではスクリーンにこの様子が映し出されたそうです。

ライブ中継中は参加者の方などにインタビューに答えてもらったりもしました。写真↓でインタビューに答えてくれているのは、恵那市三郷町から清掃に参加された方です。

また、テレビ愛知と中日新聞の取材もありました。テレビ愛知の取材に答える坂野実行委員長↓。

そんなこんなで、清掃活動以外にも盛りだくさんの内容のクリーン大作戦となりましたが、無事、全てを終了することができました。

清掃やその他の活動に参加・協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

次回の藤前干潟 クリーン大作戦は来年5月23日(土)を予定しています。

また次回もよろしくお願いいたします。

 

さて、藤前干潟クリーン大作戦に続いて、今日の藤前干潟の野鳥の様子の報告です。 

今日は9時頃から藤前干潟クリーン大作戦の手伝いに参加するので、朝から9時前まで、引き始めた干潟に行ってきました。

到着時はまだ干潟は現れていなかったので、今日も最初は、増えてきたオナガガモやコガモに混ざったシマアジ探しです。

どうしても観察館館内からは遠くて、シマアジは普段のカウントからは漏れてしまいますが、今日は9羽のシマアジを見つける事が出来ました↑。

眉斑がはっきり見えないと分かりにくいシマアジ↑ですが、シマアジと良く似た大きさのコガモに比べて嘴が少しつぶれたハシビロガモの嘴のような形であること、頭の頭頂部が平らな事からも識別が出来るかと思います。

今日は干潟が出始める前にダイゼンが飛来してきました↑。ただ干潟が干出していないので水面に降りた後すぐに飛び去ってしまいました。

次にハマシギの群れが↑。

そして続いてオグロシギもやって来ました↑。飛んでいるときは黒い尾羽が目立ちます。

そしてオオソリハシシギも飛来↑。秋の渡りのピークも終わった10月後半にしては珍しく、37羽ものオオソリハシシギをカウント出来ました。

干潟が干出し始めて次々とシギ・チドリの群れが干潟の餌を求めて飛来してきます↑。

すると、導流堤の中ほどで休んでいたヘラサギも飛来してきました↑。

木曜・金曜(一昨日・昨日)と左岸にも飛来するようになったヘラサギですが、週末の今日は護岸に人が多く、左岸の干潟に降りる事無く、導流堤の干潟に戻っていきました。

ヘラサギは先週の19日(土)に飛来して今日で一週間になるので、少し庄内川河口に慣れたのか左岸にも飛来するようになりましたが、やはり導流堤の干潟が定位置なようです。

オオソリハシシギやオグロシギの群れに付いて、セイタカシギの若い個体も飛来しました↑。昨日の大雨で避難して来たのでしょうか?

潮がさらに引いて新たに他の場所の干潟が干出すると、ハマシギ達は干出したばかりの干潟に移動していきます。

数は少なくなりましたが、オバシギも干潟にやって来ました↑。今日は5羽のオバシギが確認されています。

そして、きれいな声で鳴きながらアオアシシギも飛来し、盛んに餌を探し始めます。(↑写真のアオアシシギ2羽の右側はシマアジ)

その手前にはオオハシシギも。(↑写真の右がアオアシシギ・左がオオハシシギ)

そして、メダイチドリも現れました↑。

でも、9時が近くなってきましたので、「藤前干潟クリーン大作戦(中堤会場)」に行ってきます。

 

中堤会場に到着後は清掃活動に参加し、さらに午後からは干潟観察会のスタッフとして活動しました。 

干潟観察会では、70人あまりの参加者が干潟の生きもの観察や泥遊びを楽しんでいました。

干潟では、ヤマトシジミ、ソトオリガイ、トビハゼやヤマトオサガニなどの生きものがみつかったそうです。

そして、藤前干潟にしては珍しく、アミメノコギリガザミ(ワタリガニの仲間)がたくさんみつかりました↓。同じくスタッフとして参加していたカニの専門家によると、昨日の大雨で海水の塩分濃度と水中の酸素濃度がかなり薄まった可能性があり、このために弱って干潟に流れ着いたのではないかということでした。確かに弱っていそうな個体もいました。でも、ハサミがとっても立派です。

そして、こちらも大雨の影響か、細かい泥が干潟に積もっていて、ここ数年にしては珍しく、ドロドロになる参加者が続出。全身泥だらけの人も。洗うのが大変でした。 

(※中堤の干潟観察会は、藤前干潟クリーン大作戦のために管理者に許可を得て行っています。中堤は普段は入れませんし、中堤や中堤沿いの干潟にむやみに入るのは危険です。) 

そして、中堤会場からは野鳥も観察できました。

普段は立ち入らない導流堤(中堤)の干潟では、ここ数日で飛来数が増えてきたオオバンを見つけました。

昨日の大雨で流されてきた、流木にはミサゴの姿も↓。

遠くの下流部にはこの朝に見たヘラサギが首を振りながら餌を探しています。 

お昼を過ぎてカメラマンが居なくなった左岸にいたヘラサギ・・・↓。他のサギ達と一緒にヘラサギが移動してきていました。

ちゃんと人が居るか居ないか見ているようです。 

その後、潮が満ちて干潟が無くなると、再びサギ達と一緒に導流堤の上に戻って休息に入りました。

毎年、春と秋に行われる「藤前干潟クリーン大作戦」では、清掃終了後に毎回、導流堤(中堤)の干潟で観察会を行っています。

普段立ち入る事が出来ない導流堤に入って、普段見る事が出来ない景色も見る事が出来ます。

次回(来年の5月23日)も是非、清掃と干潟観察会にご参加ください。 

 

今日観察できた主な野鳥 カンムリカイツブリ4、カワウ2,001、ダイサギ17、コサギ4、アオサギ34、ヘラサギ1、マガモ12、カルガモ29、コガモ206、ヒドリガモ68、オナガガモ629、シマアジ9、ハシビロガモ1、ホシハジロ11、キンクロハジロ31、スズガモ160、ミサゴ30、トビ1、チュウヒ1、ハイタカ1、オオタカ1、オオバン6、シロチドリ5、メダイチドリ1、ダイゼン27、ハマシギ126、コオバシギ1、オバシギ5、オオハシシギ1、アオアシシギ6、イソシギ5、オグロシギ11、オオソリハシシギ37、ホウロクシギ1、セイタカシギ1、ユリカモメ86、セグロカモメ10、オオセグロカモメ2、カモメ5、ウミネコ107

この時期としては13種類のシギ・チドリが観察できた良い日でした。ハマシギは、たぶんカウント漏れがあり400羽程が飛来している筈です。

明日には月例の藤前干潟周辺鳥類調査が行われるので詳細な飛来数が分かるはずです。

 

明日の干潮時間11時13分 潮位 48cm

明日の満潮時間17時18分 潮位260cm

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする