goo

「トム・アンデルセン会話哲学の軌跡」を読んでの感想

「トム・アンデルセン会話哲学の軌跡」リフレクティング・チームからリフレクティング・プロセスへ 矢原隆行著訳 トム・アンデルセン著を読んでの感想です。
僕は今までリフレクティングをおもしろい話し合いの仕方だなと思っていました。
二人なり何人かで面談話し合いをして、それをもう一つのグループが離れて聞いていて、話し合いをいったん中断して離れていたグループがその話をまとめて感想、さらにどんなことを聞きたいか感想を言う。そしてその感想を聞いてもう一度面談を再開する。そうすると不思議と話をシンプルに分かりやすくそして深く話し合える。そんな面談の技法と思っていました。

それを医療の現場ではマジックミラーで仕切られている2つの部屋に分かれて照明を点けて消して片方の部屋で他方の部屋を見聞きして、また交代して見聞きされて、それぞれの部屋を見て聞きながら面談をするという。
以前僕は東京の居場所で実験でそのリフレクティングをひとつの部屋で端のの照明をつけたり消したりしながら楽しく実験したのを思い出します。
そんなリフレクティングというやり方はおもしろいなと思ったのが僕の最初の感想です。
そのリフレクティングを上手く用いて今注目されているオープンダイアログは行われているようです。

この本ではそのリフレクティングを技法としてだけでなくどう広く医療の場で活用していくかリフレクティング・チームからリフレクティング・プロセスへの過程が書かれていたと思います。

僕は相手を尊重することかな。異なることの大切さ。「あれかこれか」でなくて「あれもこれも」「あれでなくこれでもない」を基本にして面談する。
そしてみんなでアイデアを出し合う。僕の学んでいる当事者研究にも通じるなと思いました。
アドバイスでなくアイデア。相手を思いやり謙虚に聞く。
でも僕はこれを読んだだけでは分からないな。実際のガイドが必要だなと思いました。

実践が先。みんな平等対等ということかな。オープンダイアログ、リフレクティングを行う時にそれは常に意識していないといけないことなのだろうと思いました。
でも僕の疑問としてスタッフとメンバーは完全に対等には成れない。やはり友達つきあいではない、治療なので上下関係というか聞く側聞いてもらう側が出来るのではないかなと僕は思います。

どんな言葉を用いるかが大事。話したくないことは話さなくてよい、それがリフレクティングの倫理。
具体例として「なぜ」の質問はしない。具体的な質問をする。
「代わりに」から「加えて」。「あれかこれか」から「あれもこれも」へ。考えるな、見よ。
密室密談はよくない。開かれた場で話し合う。より多く聞きより少なく話す。
リフレクティングトークではどんな風に続けるかに集中する。新たな解決にこだわらない、自ずと生じる。
注意として実際に話されたことに基づいてリフレクトする。自分で考えた意見は言わない。技法でなく場、間が大切。

僕はこの本は医療者への心得集のように感じました。でも当事者研究を実践しようとしている僕にもあてはまるなと思いながら読みました。
オープンダイアログ、リフレクティングと当事者研究は大切にしていることが共通しているなと思いました。途中読んでいて分からない所はななめ読みしましたが。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「浦河べてる... ブルース・ス... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。