落葉松亭日記

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武器輸出三原則解禁

2012年01月02日 | 政治・外交
昨年末に野田政権にして?「おっ」というような政策があった。
40年以上も全面禁止されていた武器輸出の緩和である。
昨今の中共の軍事拡張に対する牽制が含まれているものと思われる。
中共の反応は反発気分ながら冷静にとらえているようだ。
日本もやれば出来ることがあるのだ。それもいとも簡単に。
武器輸出三原則 国際共同開発を解禁 政府決定 東京新聞 2011年12月27日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011122702000215.html

 政府は二十七日午前の安全保障会議で、武器と関連技術の輸出を原則として禁止している「武器輸出三原則」を緩和し、国際共同開発・生産と人道目的での武器など装備品の供与を解禁することを決め、藤村修官房長官が閣議に報告した。閣議後、官房長官が記者会見で談話として発表した。

 一九六七年に事実上の全面禁止を打ち出して以降、抜本的な緩和は初めて。

 旧共産圏と紛争当事国、国連武器禁輸国への輸出を禁じた三原則は維持しながら(1)米国や友好国との国際共同開発・生産への参加(2)自衛隊が国連平和維持活動(PKO)などの海外派遣で使用した装備品の人道目的や平和構築目的での供与?を可能にする。装備品供与は自衛隊が派遣先に持ち込んだ建設用重機やヘルメット、防弾チョッキなどを派遣国に提供することを想定している。
 共同開発の対象は米国や北大西洋条約機構(NATO)加盟国、オーストラリア、韓国などに限定。第三国への輸出で国際紛争を助長したり、秘密漏えいがないように管理体制の整備を求める。目的外使用や第三国への移転には日本の事前同意を義務付ける。

 藤村氏は記者会見で共同開発・生産について「要件が満たされているか厳格に審査・確認し、外為法に基づいて経済産業相が個別案件ごとに許可する」と述べた。
 戦闘機などハイテク武器の開発・生産には巨額の費用が必要で、先進国の間では共同出資や分業が主流になっている。日本は三原則により、米国以外との共同開発に参加できなかった。

 産業界からも国内の防衛産業基盤が衰退するとの懸念が出ていた。

 <武器輸出三原則> 1967年に佐藤栄作首相が国会で
(1)共産圏諸国
(2)国連決議による武器禁輸国
(3)紛争当事国?への武器輸出を認めないと表明。
76年には三木内閣が政府統一見解で、その他の国にも輸出を「慎む」と決めて全面禁輸政策となった。
国会決議や法制化はされず、83年に米国への武器技術供与を例外扱いしたのを皮切りに官房長官談話を発表する形で個別に例外を設けてきた。
ほかにミサイル防衛(MD)の日米共同開発・生産と米国から第三国への輸出、政府開発援助(ODA)によるインドネシアへの巡視船艇提供などが例外となっている。

武器輸出三原則の緩和 「日本製」が世界に出回る
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月30日
http://j.people.com.cn/94474/7693595.html

 日本政府は27日、数十年にわたって堅持してきた武器輸出三原則の緩和を決めるという「重量級の政治爆弾」とも言える行動に出た。著名軍事専門家、中国人民解放軍海軍情報化専門家委員会主任の尹卓少将は28日、中国中央テレビの取材に応じ、「日本の軍需産業はまだアジアトップとは言えないが、輸出解禁により完備された軍需産業体系を構築し、兵器販売はその他の大国の伝統的な市場に打撃を与えるだろう」との考えを述べた。

 日本の軍需産業体系は完備されておらず、日本は米国が特許を持つ技術のもとで、国防特許の使用許可を受けて生産しているため、軍需産業はまだアジアトップとは言えない。米国の特許がなく、全てを請け負う場合、日本は自身の研究・開発体系を整える必要があり、それには多額を投じなければならない。そのほか、核兵器、原子力潜水艦、戦略爆撃機、空母などのハイテク兵器を持っていない。

 武器輸出の解禁は、日本に完備された軍需産業体系を構築し、同産業の発展を大きく進めることになる。航空機について言えば、日本は自身の大型輸送機と大型対潜哨戒機を開発し、レーダー哨戒機を今後これらに改造することも可能だ。レーダーシステムが先進的なため、問題ないだろう。そして、作戦プラットフォームに発展し、次世代戦闘機は米国のF35を購入せず、自己開発し、F2やF3とは別のものを開発すると考えられる。艦艇も米国のシステムを購入せずに自身で開発し、徐々に完備された産業体系を形成していくだろう。

 日本の武器輸出は、アジア太平洋地域から開始し、まずその他の大国の市場を侵食する。これには中国も含まれる。しかし、中国の武器市場は小さく、米国やロシアと比べるより遥かに小さい。中国は原則に沿って輸出を行っており、輸出先は数カ国と非常に少ない。一方、米国とロシアは「儲かれば売る」というやり方である。それが衝突する双方であってもかまわず、台湾に武器を売ったり、緊迫状態の地域にも武器を売り、状態を悪化させている。日本がこの競争に加わり、かき乱し、再構築を進める可能性は高い。日本の工業技術と製造業、中でもITやハイテク産業のそれらは非常に発達している。さらに、炭素繊維などの材料においても米国より上だ。そのため、日本は先進的な航空機や艦艇の開発、主な作戦プラットフォームに参入し、伝統的な大国を追いやり、市場を占領していくと考えられる。