このブログでは幾度となく、僕が片手袋を撮り始めたきっかけを書いてますが。
まとめてみると…
(片手袋の存在に気付くきっかけ)
小学校一年生の時に学芸会で演じた、ウクライナの絵本、『てぶくろ』。
(片手袋を撮り始めたきっかけ)
赤瀬川さんの『超芸術トマソン』を知り、そこから路上観察学会の本やイベントに触れ、自分でも路上の面白さを何か記録してみたくなった。
(片手袋観を自分の中で形成するきっかけ)
これはまだこのブログで書いていないが、「談志の“人間の業の肯定”を裏返す事で見えてくる人間観があるのではないか?」という思いつき。これについてはいずれ書きます。
以上のように様々なものに影響を受けながら、僕はこれまで片手袋を長年追求してきた訳です。
さて、今日ご紹介するのは、「片手袋を見付けた時に心に湧いてくる不思議な感情」について気付くきっかけとなった映像です。
2002年に発売された、『松本人志自選集 「スーパー一人ごっつ」 Vol.1 』 というDVDがあります。
この番組はリアルタイムでも見ていたのですが、まとめて見る事が出来るようになるのが嬉しくて、当時僕は発売と同時に購入しました。僕がmixiで片手袋コミュニティを立ち上げ、片手袋活動を始める三年も前の話です。
この中に『力の抜ける服で「おはよう」』という企画が収録されています。松っちゃん、木村祐一、板尾創路の三人が待ち合わせの喫茶店に、それぞれが選んだ微妙な服を着て現れる、という企画です。
それはそれでとても面白いのですが、なんとこの企画、最後に三人がテレビ局の廊下に落ちている片手袋を見付けて終わるのです。
この映像の何が貴重かというと、まず“人間が片手袋を見付ける瞬間が映像で抑えられている”という点。
僕はこれまで何千枚と片手袋の写真を撮ってきましたが、それはあくまで「誰かが片手袋を落とした」もしくは「誰かが片手袋を拾ってあげた」、それぞれの状況を点で捉えているだけなのです。
ところがこの映像では、「人間が歩いている→道に片手袋が落ちているのを見付ける」という過程が、線で記録されているのです。
そしてもう一つ重要な点。それは“片手袋を見付けた人の心に浮かんでくる何とも言えない感情が記録されている”という事。
僕は日々出会った片手袋の写真に様々なコメントや考察を加えてますが、見付けた瞬間は何にも考えていない訳です。片手袋を見付けると毎回、必ず心が“無”に支配されるような感覚を味わうのです。
その不思議な感覚が三人の表情から読み取れる。だからこの映像は貴重なのです。
今日ネットで検索していたら見付けてしまったので、皆さまも片手袋界において非常に貴重なこの映像を是非ご覧ください。
そしていつか僕も、片手袋を見付ける瞬間を動画で抑えてみたいものです。
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