かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『とまれ』

2014-12-02 19:37:00 | 写真

家族や親しい友人を除いて、神戸ビエンナーレに参加するまでは片手袋研究の事を人に言う事はありませんでした。このブログだってそれまでは本名ではやっていませんでしたし。だって、どう考えたって怪しい趣味ですからね。

しかし、神戸ビエンナーレを通じて新聞やテレビで取り上げて頂く機会も出てきたので、「もう隠してもしょうがないや」という心境に至りまして、それからは町内の人とかにも片手袋の話をするようになりました。

とは言え、やはり家の近所で見付けた片手袋を撮るのは今でも気を使います。だって、地面やガードレールに携帯カメラを向けて神妙な面持ちでいたら、「あら、あそこの家の人。少しおかしいのかも…」と思われかねませんし(じゃあ、片手袋研究なんて10年もやっているのは本当におかしくないのか?という疑問はひとまず置いておきましょう!)。

勿論片手袋と出会ったのに撮影もせず素通りする、という選択肢はあり得ないので、人通りが少なくなってから手早く写真を撮って逃げるようにその場を去るようにしております。

今日も近所で放置型の片手袋と出会いました。運悪く人通りが多かったので、「ここは一度通り過ぎてから引き返して撮影をする」という作戦を瞬時に立てました。

素知らぬ顔で片手袋を通り過ぎようとした、その時!

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片手袋の横に「とまれ」の文字が書かれているではありませんか!

勿論これは交通標識なんですが、僕には「あなた、片手袋研究家を名乗っていながら、そんなに私達を撮る事が恥ずかしいの?私達は人に知られたくないような存在なの?」という、片手袋からの叱責に思えてしまったのです。

僕は通り過ぎるのをやめ、堂々と座り込んでこの写真を撮りました。

こうして僕は、片手袋研究家としてまた一皮剥ける事が出来たのです。成長するって、嬉しいもんですね!