かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

怖い

2009-02-09 01:29:15 | 写真

06213 片手袋は怖い。

深夜。人気のない路地。さっきから誰かに見られている気がする。

びくびくと早足で家に急いでいると、

突如目に飛び込んできた人間の手首!

「ギャーーーー!!」

いや、片手袋が落ちてるだけなんですけど。

でも、やはり片方だけの手袋は手首を連想させますよね。

誰かが拾い、目立つよう電柱にぶら下げておいてあげたのだろうこの片手袋も、

深夜に目撃した僕からしてみれば異様な光景でしたよ。


楽しい

2009-02-07 21:03:29 | 写真

P5150137 片手袋は楽しい。

人間のおっちょこちょいさが透けて見えるようで楽しい。

思わぬ場所で肩身が狭そうに落ちている姿が楽しい。

擬態のように道と同じ柄だったりして楽しい。

日本橋で見付けたこのビニール片手袋は、

楳図先生の『グワシ!』を連想させて、

やっぱり楽しかったのです。


悲しい

2009-02-06 20:28:37 | 写真

051121_1_2 片手袋は悲しい。

『誰かが落として悲しんでるだろうから』とか『大事な人からプレゼントされたのかもしれないのに』とかそういう事じゃなくて、存在自体がただただ悲しい。

見た瞬間に心の悲しみスイッチがオンになる。

「かっこめかっこめ!」

冬の鷲神社、酉の市。寒い冬を彩る賑やかな祭り。

参道に落ちていた子供用の赤い片手袋を見つけて、僕は人ごみの中一人悲しくなっていた。

踏まれても踏まれてもそこにあり続けるという事。


はじまり

2009-02-05 21:24:20 | 雑感

Photo_2 まちを歩いていると、手袋が落ちている。しかも必ず片方だけ。何故だろう?

皆に聞いてみる。

「そういえば落ちているな」。

皆も気付いていた。だけど気にしている人なんて誰もいない。

こんなに沢山、こんなに目に付くところに落ちているのに、誰にも相手にされない手袋達。でも多分、それぞれがそれぞれに色んなドラマを抱えている。

デジカメに携帯のカメラ。常備出来る記録メディアは現在、当たり前のように普及している。僕はやつらを『片手袋』と名付けて、数年前から写真に記録する事を始めた。 

このブログでは、僕の撮り溜めた写真を少しずつ紹介していこうと思う。

どこからきて、どこへ消えてゆくのか、片手袋。その寂しげな佇まいはなんだか私達のようだ。