かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『意味するもの・意味されるもの』

2013-05-23 19:10:07 | 写真

Img_2740西洋絵画はただ見ているだけでも綺麗で美しく眼福の極みでありますが、例えば描きこまれているリンゴが“原罪の象徴”であったり、頭蓋骨が“死”を意味していたり、前提を知る事で理解が深まる面白さもあります。

この写真をご覧ください。

汚れた緑とグレーのゴム片手袋、少し濡れた地面、ビニール袋…。

この写真を構成する要素を、そしてその要素が意味するものを、細かく見ていく。そうすると全く違う世界が広がり始める訳です。

そういった目で見る事で浮かんでくるこの写真の意味は…。

“地面に落ちてる片手袋”ですね。


『神戸ビエンナーレへの道~その6~』

2013-05-22 23:59:00 | 神戸ビエンナーレ2013

最近の神戸ビエンナーレに向けた動きをご報告致します。

まず、卒業以来十年振りに母校、玉川大学を訪問しました。

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先日、「作品制作にあたり何かご協力頂けないか?」と厚かましいメールをさせて頂いた所、学友会様からすぐにお返事を頂き、今回快く直接話を聞いて頂きました。

早速、卒業生向けの会報に僕の情報を掲載して頂く事になりましたし、今後も色々な形で協力を検討して頂ける、との事。大変ありがたかったです。

大学時代、芸術学科に在籍し様々な事に興味を持っていく過程で、赤瀬川原平さんを知りました。そして路上観察学会にものめり込み、やがて僕の目線はまち、路上へ向くようになったのです。

そして片手袋の存在に気付き、2005年の8月、mixiで“片手袋コミュニティ”を立ち上げ、活動がスタートしました。そういう意味では大学が片手袋の原点だったんだな、と今回改めて気付きました。

十年振りにキャンパスの学食で一人ご飯を食べてみたのですが、青春を謳歌する若者達に囲まれていると、自分が大学時代にやっておけば良かった事が次々を思い起こされ、何とも言えない気持ちになりました。

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先日三島賞を受賞された村田沙耶香さんが、僕の一つ上で大学も学部も学科も全く同じだったので驚くと同時に、勇気が湧いてきました。僕も今度こそ、神戸の作品だけは悔いが残らないよう、やれる事は全てやって完全燃焼しようと思っています。

あと、まだ詳しくはご報告出来ませんが、作品制作の土台となる重要な作業を引きうけて下さる神戸の会社様が見つかりました。

会場のメリケンパークの下見も兼ねて、来週は神戸に行ってみようと思っています。また次回に色々とご報告出来れば、と。

作品実現に向けて動いていく過程で、既に幾つもの縁や結びつきを感じています。コンペに入選した事は勿論嬉しかったですが、そういう事が僕のこれからの人生における大きな財産となっていくんだろうな、と思っています。


『相性』

2013-05-21 23:46:05 | 写真

Img_2945毛皮や手編みの手袋に比べて、軍手やゴム手袋を落とした時のショックはそれ程でもないような気がしますけど。

でも僕の経験上、軍手などの作業用手袋って、“手に馴染む・馴染まない”“サイズが合っている・合っていない”“作業に適している・適していない”など、結構チェックポイントがあるんですよ。

だからこそ、お気に入りの一枚を落とした時のショックって案外大きくて。

ましてや今日の写真のように、相当使い込んでいるらしき手袋は結構ダメージあると思いますよ。

何となく今日は引きで撮った写真も載せておきます。

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片手袋の分類法第三段階~とにかく目立つ場所系~』

2013-05-20 23:52:48 | 片手袋研究発表

月曜日恒例、片手袋の研究発表。現在は“片手袋の分類法”を突き詰めて考えている最中である。

片手袋の分類は三段階を経て行われる。三段階の手順は以下の通り。

第一段階:“手袋の材質”によって分ける。

第二段階:“片手袋がどのような過程を経てそこに存在しているのか?”によって分ける。

第三段階:“状況や場所による分類”をして完了。

Photo今は表の一番下の段、最終第三段階を一つずつ紹介している。

 

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※最終的な分類名は「○○類○○型○○系片手袋」となるが、第一段階の“○○類”は素材によって異なる為、“○○類”のまま表記する。

・○○類介入型とにかく目立つ場所系片手袋

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明確な共通点はないが、「え?こんなところに何故片手袋が?」という疑問や興味が湧いてくる、という意味で同じ趣をもった片手袋の分類。

本当にびっくりする場所で片手袋を見掛ける事があるが、「落とした人の
見付けやすい場所に置いてあげる」という意味では、目を引き付けるのだから理に適っているかもしれない。

例えば上の写真一番左の片手袋は、旭山動物園のレッサーパンダのケースの上に置かれていた。ケースの上に積もった雪の白とのコントラストで非常に目立っていた。

しかし、この分類だけは“一時的な待機場所としての役割”の意味が大きい。どういう事かというと、今まで見た事ないような場所で出会った片手袋は、取りあえずここに分類して忘れないようにしておくのだ。

時間が経つと、実は同じような場所にある片手袋が少なくない事に気付き、ある程度実例が溜まったら、新たな分類を作るようにしている。ここまで長々と紹介してきた片手袋の分類は、全部そうやって出来たものなのだ。

だからいずれ、上の右の写真のように、テレビの上に置かれている“テレビ系片手袋”なんて分類が出来てるかもしれない。

さて、現在まで発見されている片手袋の分類、本日にて全て紹介が終わりました。来週はこれまでの研究の総括、そしてこれから月曜日の片手袋研究発表をどうしていくかについて書きたいと思います。


『誰もいない浜辺のよう』

2013-05-18 23:55:47 | 写真

Img_2761先月、砂浜で出会った片手袋の写真をアップしましたけど。

実はその時、もう一つ出会っていたんです。

時間がなくて、砂浜を散策したのは僅かな時間。しかし、それでも二つもあったという事は、もしかして砂浜は片手袋多発地帯?

どこからか流されてくるのもあるだろうし、浜辺で作業してた漁師さんや貸しボート屋さんが落としたりもするだろうし。

もうすぐ夏だし、そんな片手袋を探して綺麗な海辺をゆっくり歩き回る、なんて良いですよね?

…良いか?