11月になりましたが、場所によってはまだ、暖かさの残る九州での公演。
『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』九州巡回公演も7週目を迎えました。
11月2日 熊本県 熊本西高校 同校体育館
4日 宮崎県 宮崎農業高校 宮崎市民文化ホール
5日 大分県 柳ヶ浦高校 同校体育館
6日 福岡県 羽犬塚中学校 サザンクス筑後小ホール
7日 鹿児島県 神村学園小・中・高等部 同校アリーナ
熊本西高校
7週目最初は、『ハムレット』以来26年ぶり、2回目の風の公演となった熊本西高校での公演です。
体育関係に力を入れている学校でもあり、入場からとても活発な生き生きとしと声が響いてきました。
1000人を超える生徒の皆さん。
体育館いっぱいの客席からは、2時間という時間の中で、物語が進むにつれて、客席からの眼差しが強く、熱くなるのを感じるとても濃密な公演でした。
終演後は、今回の芸術鑑賞行事の様子を校内発表して頂くということで、出演者との写真とインタビューを受けました。
レコーダーとマイクの用意、そして、私達の言葉を一生懸命に書き綴る生徒さん。
本格的なインタビューで、お互い最初は緊張していましたが、後半は少しづつ打ち解け、生徒さんの笑顔もみられました。
今回のインタビューと写真は、録音された会話と、生徒さんの書き綴ってくれた文章を元に編集され、校内発表されるそうです。
彼らの手によって、今回の公演の様子をどのように描いてくれるのか、楽しみです!
そして、撤去のお手伝いには、沢山の部活の生徒さんが集まってくれました。
皆、積極的に声をかけてくれたり、汗を流しながら真剣に仲間と協力する姿に出会え、貴重な交流時間となりました。
宮崎農業高校
今回2回目の公演は、風は4回目となる宮崎農業高校、そのうち、97年に『ヘレン・ケラー』を公演しており、18年ぶりの『ヘレン・ケラー』の公演です。
そして、場所は何度もお世話になっている宮崎市民文化ホールです。
会場して間も無く、「やった!一番前」と元気の良い声が袖まで聞こえ、これから、彼らと何を生み出せるだろうかと、身が引き締まる想いでした。
開演前の先生による丁寧な挨拶から始まり、「出会いの素晴らしさを感じて欲しい」と客席に向かって語りかけた言葉が印象的でした。
この公演を繋いでくれた先生方の想いのバトンを客席も私達も受け取るように始まった本番。
客席からは、舞台を見つめる真っ直ぐな視線に支えられての公演でした。
カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、女生徒さんの「演劇には興味があり、今回の演劇には惹きつけられました」と彼女の豊かで真っ直ぐな言葉を頂きました。
また、バックステージツアーに参加した生徒さんも、触れたもの、感じたことに素直に喜びや驚きの反応を見せてくれたり、座談会でも盛り上がりを見せてくれたりと、劇団員も生徒さん方から受け取るものが沢山ありました。
そして、演劇部の男子生徒さん二人も、「大道具や舞台構造に興味があり、人が乗っても大丈夫なセットを創りたい!」と真剣に舞台セットを観察したり、撤去作業を手伝ってくれたりと、これからの彼らの様々な可能性の輝きを感じました。
柳ヶ浦高校
今週折り返しになる3回目の公演は、95年の「星の王子さま」以来20年ぶり、風は2回目の公演です。
なんと!
翌日が文化祭ということもあり、準備日でもある公演当日に、7時代の朝の早い時間からお手伝いの為に女子サッカー部の生徒さん、生徒会長さんが体育館の入り口で、出迎えてくれました。
搬入作業から舞台創りの合間にも、男子サッカー部の生徒さん方など続々と集まってくれました。
舞台が完全に出来上がるまでお手伝いをしてくれた生徒さん。
「舞台頑張って下さいね」「楽しみにしてます」と声を掛けてくれる生徒さんの応援の言葉を受け迎えた本番。
一瞬一瞬の舞台での出来事に、一人一人が呼応し、彼らの息づかいを感じる公演でした。
終演後のバックステージツアーでも皆好奇心の向くまま舞台に触れ、とても生き生きとした表情をしていました。
「あれ、私が創ったんだ、とか思って観てました。」と、話してくれた女生徒さんの言葉。
普段とは違った視点から観れた、という声も聞き、様々な想いの重なり合った公演となりました。
また、撤去のお手伝いにも協力して頂き、この1日の公演を皆で創り上げることが出来たのだな、と感じました。
羽犬塚中学校
今週4回目は、風の公演は始めてとなる中学校での公演です。
午前は、『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』の芸術鑑賞、そして、午後は、合唱コンクールという、羽犬塚中学校の皆さんには、とても濃密な1日となったようです。
本番中、静かに真剣に舞台を見つめる客席からは、とても重みのある彼らの“観る”波を感じました。
1幕が終わり、休憩になると、それまで静かだった空間が一気に解け、熱のこもった声で揺れる空間となり、思い思いの言葉を友達と投げかけ合う声が聞こえてきました。
そして、2幕が始まると、1幕とはまた違った探求する様な視線を感じ、共に作品を巡る空間となりました。
カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、「合唱コンクールでは、しっかりと歌って伝えたいと思います。」と、午後の合唱コンクールへの想いを伝えてくれました。
終演後、合唱コンクールの為、会場を移動する生徒の皆さん。
彼らの歌声を聞くこと出来なかったのは残念でしたが、今の彼らだから歌える声が、伝えたい想いが、きっと響いていたことでしょう。
神村学園小・中・高等部
今週最後の公演は、今回で風の公演は10回目となりました、神村学園での公演です。
そして今回2回目となる小学生と共に創った公演。
小学生、中学生、高校生と役1000人の多様な感性の入り混じった空間。
前列に座り、食い入る様に舞台を見つめる小学生の姿、そして、遠くからもこちらに身体を向け、向き合っている、中学生、高校生の姿を舞台上からもしっかりと感じることが出来ました。
公演中の、小学生の皆が、それぞれに舞台に向けて声を掛けたり、反応してくれる姿は印象的でした。
『ヘレン・ケラー』という作品から、自分の観たもの、感じたものを通し、すくい上げるように発見を掴む姿、そして、客席も影響し合いながら動く空間となりました。
カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、「自分も子供と関わる仕事を目指しているので、今回感じたことに、学んだことを生かして行きたいです」と自身の夢を一言一言紡ぎ、熱い想いを語ってくれました。
終演後は、弓道部、陸上部、野球部と他にも沢山の生徒さんが撤去のお手伝いに来てくれました。
慣れない作業も、汗を流しながら、笑顔を絶やさずお手伝いをしてくれる彼らの姿に元気を貰い、皆の協力を経て、あっという間に劇場から、彼らの生きづく体育館へと戻っていきました。
撤去が終わった後、「私達にとっても貴重な時間となりました」という先生の言葉に、皆で創り上げたこの1日の時間が、きっと、お互いを発見し合える貴重な時間となったのだなと、感じました。
とても色濃い出会いの7週目。
それぞれの公演を繋ぎ支えて下さった皆様の出会いを胸に、まだまだ精力的に頑張って行きます!
ヘレン・ケラー役 倉八ほなみ
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