12月に入り、九州地方にも本格的な冬の到来を迎えるとともに『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の巡回公演は第7週目に入りました。
12月2日(福岡)柳川高校 柳川市民文化会館
12月3日(福岡)明光学園中学・高校 同校体育館
柳川高校
柳川高校さんはなんと風の公演が8回目の公演です。
仕込み中には担当の教頭先生が「この日を待ちに待って、楽しみにしていました。」と劇団員に声をかけていただいて、私たちもこれからどんな一日になるんだとワクワクしていました。
開場時、生徒さんたちが入場してくると、静かだった会場が一気に賑やかになり、800席ある客席が活き活きとした生徒さんたちであっという間に満席となりました。賑やかな客席を見て、劇団員も開演をいまかいまかと待っていました
開演前には司会の先生から「目で見るだけでなく心で見て楽しんでください」と生徒の皆さんに言葉をいただきました。そして会場が揺れ動くような大きな拍手と同時に開演です。
公演中は声を上げて笑ったり、時にはじっと集中した姿で舞台をみつめて、一人一人が自由な感覚で舞台と向き合っていました。
カーテンコールでの生徒会長さんの挨拶では「アニーとヘレンが出会って、徐々に信頼関係がつくられていくのが印象的で、ヘレンがどんどん成長していく姿に人の可能性は無限大なんだと感じました。そして今学校全体では〈伝える力〉というのに力を入れています。今日劇を観て、誰かに何かを伝える時の声の大きさや歩き方などをこれからに活かしていきたいと思います」と堂々と話してくれました。
公演後のバックステージではその日に募った30人くらいの生徒さんたちが「私サリバン先生と話したい!」「私パーシィー探してくる!」と、一人一人が話したい俳優を探しては色んな質問をしていました。様々なところに興味を持ち、今感じたことを共有し、今しかないこの時間を目一杯楽しんでいました。
その後の座談会ではサリバン先生役の高階と話をしました。
話を頷きながら真剣に聞く姿があり、明るい笑い声が聞こえたり、とても盛り上がっている様子でした。劇団員が仕込みをする姿に感動をしたと伝えてくれた担当の先生、中には今日の舞台を観て自分も舞台をやりたい!と夢を持った生徒さんもいました。
明光学園
この学校は昨年公演予定でしたが、コロナウイルスの影響により延期となり2017年以来4年ぶりの公演でした。風の公演は4回目の公演です。
そして明光学園はヘレン・ケラー役の倉八ほなみの母校です。
開場時、体育館に入ってくると「うわぁ、凄い!」「なんだこれは!」と体育館が劇場に変わったことに驚き、これから何が起こるんだとワクワクした様子でした。
そして開演前の校長先生の挨拶では「ステージ凄いですよね。この舞台を思う存分楽しんで、感動、意欲、熱意に繋がることを願ってます。そしてこの舞台は自由に観てください。楽しい時は笑って、悲しい時は泣いて、でも立ち上がって踊るのはやめてね」と笑いを誘いながら、リラックスした中で開演しました。
公演中は俳優が客席の存在感をひしひしと感じるほど真剣な眼差しを舞台に向けて、ひとつのことも見逃さないぞと言わんばかりに集中した様子で舞台と向き合っていました。
カーテンコールでの生徒代表の挨拶では、「伝記でヘレンケラー を読んだことあったけど、文字では伝わらない迫力や感情が伝わってきて感動しました。細かいところにもこだわっていて見所がたくさんあって目が二つじゃ足りないくらいでした。そしてヘレン役の方が卒業生ということもすごく誇らしく思い、3年に一回じゃ足りないくらいまた観たいと思いました。」と想いのこもった目で、力強く話してくれました。
公演後のバックステージでは細部まで興味を持ち、劇団員にたくさんの質問をし舞台の構造や演劇を始めたきっかけなど色んなことを聞いてくれました。
先生も役者になりきっていました!
その後の撤去作業にはハンドボール部の生徒さんと演劇部の生徒さん、常任委員の生徒さんたちが手伝ってくれました。
ヘレンやアニーを見つけると、「あっサリバン先生と話したい!」「ヘレンさんに聞きたいことがあります!」と元気いっぱいに劇団員ともコミュニケーションを取り合いながら、そして体育館全体が笑顔に包まれるような雰囲気で手伝ってくれました。撤去作業が終了してもまだまだ話足りない様子で、作業が終わった後も「感動しました!」「進路のことなどで悩んだりしてたんですが元気をもらいました」と最後の最後まで劇団員に声をかけてくれました。
コロナ禍の中、昨年から我慢を強いられて悔しく思いや寂しい思いをした生徒たちになんとか芸術鑑賞だけでも観せてあげたいという思いを持った先生方やこれからも全国の皆さんに感動を与えて下さいと声をかけてくれた生徒さん。様々な出会いのある一週間でした。この出会いを力に変えて、これからもまだまだ続く『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の旅を最後まで駆け抜けていきたいと思います。
ジェイムス・ケラー役 蒲原智城
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