風になれ

大自然のふところで山歩きを楽しむ生活。
いつの日にか、森にそよぐ風になれたら・・

娘のJAL便を待ちわびる

2014-12-18 | 健康


 厳しい寒気はピークを過ぎたらしいけど、今朝も寒い。居間の温度は4℃。石油ストーブのスイッチを入れて点火するまで、時間がやたら長く感じられる。
 明日の土曜日、東京に住む娘が母親の看病のために帰省してくれる。11月中旬に再入院してから6週連続してJAL便で帰ってきて、病床の母親を看てくれる。母親にとって娘は一番頼りがいがあるようで、カミさんも娘の帰岡を今か今かと待ち遠しい様子。
 それに比べると、僕は毎日病室をたずねて少しはカミさんの役に立っているはずだけど、娘とは比べものにならない。病室でスタバのコーヒーを飲み、何げない会話を交わすだけ。ほんの少しは介助まがいのことをしたり、頼まれた用事はこなすけど、痒いところに手が届いていない歯痒さ、もどかしさがあるはず。自分のお腹をいためてこしらえた血のつながる子と比べて、亭主なんてもともと他人だからしょうがないか。
 僕も明日の娘の帰りを待ちわびている。遅れずに岡山空港に向かおう。
 

瀬戸内れもん味 イカ天

2014-12-18 | 健康


 「瀬戸内れもん味 イカ天」という菓子を食べながらコーヒーでくつろぐ。広島県尾道市の「まるか食品」で製造されているお菓子だけど、レモンの香りとイカ天のバランスがいいので、食べだすとやめられなくなる。ふと、高村光太郎の「レモン哀歌」が頭をよぎった。

    そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
    かなしく白いあかるい死の床で
    私の手からとつた一つのレモンを
    あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
    トパアズいろの香気が立つ
    その数滴の天のものなるレモンの汁は
    ぱつとあなたの意識を正常にした
    あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
    わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
    あなたの咽喉に嵐はあるが
    かういふ命の瀬戸ぎはに
    智恵子はもとの智恵子となり
    生涯の愛を一瞬にかたむけた
    それからひと時
    昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
    あなたの機関ははそれなり止まつた
    写真の前に挿した桜の花かげに
    すずしく光つレモンを今日も置かう
                 「智恵子抄」より

 いつ口ずさんでも、味わいのある詩だ。
 瀬戸田のレモン畑を思い出す。レモンの国内生産量はダントツ広島県が1位で、51%を占めている。2位 愛媛県、3位 和歌山県と続く。瀬戸内海沿岸は気候が温暖で降雨量が少ないので柑橘類の栽培には適していることはよく知られている。安全安心な国産レモン、瀬戸内のレモンがもっと広く消費者に受け入れられてもいいと思う。

 昨晩、カミさんが氷を口に入れてというので小さめの氷のかけらを口に入れてあげると美味しいって笑みがこぼれた。おかわりをしたあと、こんどはイチゴが食べたいという。病室の冷蔵庫で冷やしたイチゴを2個、乾いた口に入れてあげると美味しそうに食べてくれた。

 病院を出ると、吹きすさぶ冷たい風に首がすくんだ。きょうも寒い夜だ。