言葉の力
2017-10-26 | 健康
日本自動車連盟の月間機関紙「JAF MATE」の11月号に作家宮本輝さんのコラムが載っていた。題して「幸せって何だろう」。アメリカの女性詩人エミリ・ディキンスンの短い詩が紹介されていた。
もし私が一人の生命の苦しみを和らげ
一人の苦痛をさますことができるなら
気を失った駒鳥を巣に戻すことができるなら
私の生きるのは無駄ではない
青春時代にこの詩に深く感銘した宮本輝さんは詩の後に続けて書かれている。
ひとりで苦しんでいる人たちがたくさんいる。私のひとことで甦るかもしれない。道に迷って正気を失った若者が倒れている。私の差し伸べた手で立ち上がれるかもしれない。
それだけが、私が人間として生きた証となるだろう。幸せなことだと思う。
言葉、言語のもつ力を真に知る宮本さんだから語れることかもしれないけど、常に言葉を選び、真剣に言語と向き合って丁寧に発信しなくてはいけないと改めて思う。僕のひとことで立ち上がれる若者がいるかもしれないのだから。