先週15日(金)の早朝、ラジオ深夜便「明日へのことば」で「ユマニチュード」の話を聴いた。ゲストはユマニチュード(Humanitude)をフランスから日本に持ち帰り、広められた国立病院機構東京医療センター総合内科医長の本田美和子さんだ。僕自身、認知症、要介護3の92歳になる義母と一緒に暮らしている身としては、大いに関心のあるテーマであるし、身にしみる話の数々に真剣に耳を傾けた。
ユマニチュードとはケアをする人とは何者かという哲学に基づく認知症ケアの手法で、あなたは大切な存在であることを相手が理解できる形で伝えるのがユマニチュードの基本技術らしい。見る、話す、触れる、立つというコミュニケーションの4つの柱を基本として、150を超える技術からなるようだ。話を聴いて、どれも納得のいく手法ばかりなので、介護に有用な方法だということはよくわかったけど、でも毎日認知症の年寄りと一緒に暮らしているとかなり疲れるし、仕事で背負うストレスとは違ったストレスを感じている僕としては、本音の部分で、「そうは言っても、建前ではわかっていても現実にはなかなかねえ・・」と疑義を唱える自分がいて、色々と複雑な思いでラジオに耳を傾けた。
ユマニチュードについてもう少し詳しく勉強したいと思うけど、結局、認知症の老母と向き合うためには僕自身が人間力を高めるしかないのだろうなあという諦観に似た覚悟に落ち着いた。