ブログの読者から質問を頂きました。だいぶ前にくいだおれ人形をヒントに書いた次のようなことです。
:::::::::::
カーネルサンダースおじさんや、不二家のペコちゃん、くいだおれ人形などは、立体商標として登録されているようです。つまり、商品やサービスに関する広告物の形状の商標です。
で、まじめな問題です。(ただし、以下の設例は全くのフィクションです。)
くいだおれ人形のキーチェーンは大阪観光の人気土産品です。そこで、ある会社が、くいだおれ人形の商標権者に商標権使用料を支払うことを条件に、ベトナムで本物そっくりに動くくいだおれ人形を製造してもらい、日本に輸入することになりました。
① 日本からは、製造するくいだおれ人形のサイズ、色、などの、いわば設計図やデッサンに相当するもののデーターを日本で用意して、インターネットの送信により無償提供しますが。その他の原材料などは一切ベトナムで調達します。
②輸入者は、商標権者に、輸入する人形一体について取り決めた使用料を支払います。
さて、この①の買手の無償提供データの費用 ②の買手が支払う商標権使用料は、関税評価上どう扱われるでしょう?
:::::::::
このブログでは、答えを書いていないんですが、その理由はかずさんにも難しそうだったので、問題提起にとどめていたんですが、先ほどの読者から解説を求められました(^^♪う~~ん(~_~;)
というわけで、もう一回このブログの続きですが、実は私にも絶対の自信のある答えは難しそうですので、仕事での実例があって利害があるのなら、税関にきちんと相談して回答を貰うことがいいかもしれません。以下は、個人的な考えです。
①の買手による無償提供データ費用の関税評価の扱い
設計図やデッサンの買手から売り手への無償提供です。この設計図などは関税定率法第4条第1項第三号二の「技術、設計その他輸入貨物の生産に関する役務」で、関税評価で加算要素とされるのは「本邦以外で開発されたもの」を言います。
食いだおれ人形についての設計図は日本で作成されたものと認められますので、前記規定の加算要素の役務には該当しないため課税価格に参入されないと考えられます。
②買手が支払う商標権使用料は、「輸入貨物に係るもので」かつ、「輸入取引の条件」として買手により直接又は間接に支払われるもの」は課税価格に参入されます。(関税定率法第4条第一項第4号)
そこで、この例の場合、輸入取引の条件かどうかがポイントですが、上記例を見ると推測ですが①商標権者と、ベトナムの製造者とはまったく関係なさそう ②ベトナムの製造者は製造する食いだおれ人形について商標権があってその使用料を注文者が支払いことを知っていない と思われます。
このため、上記推測が事実にも合致すると考えれば、輸入取引の条件になっているとは考えにくいようで、ならば、商標権使用料を加算する必要は無さそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
関税評価でも、この例のような分野は即断はせずに、シッカリ事実を押さえて検討する必要があるものです。
関税評価も事前教示を受けることの出来る分野ですが、税関のホームページで文書回答を受けた実例が公開されています。
今回の事例に参考になる事前教示事例はページに載っていますから、ご覧になるといいでしょう。
もし、上記の個人的意見が間違っていたら、教えてくださるとありがたいですね、よろしく~。
::::::::::::::
そういうと、食いだおれ人形のお店の閉店ももう直ぐです。
:::::::::::
カーネルサンダースおじさんや、不二家のペコちゃん、くいだおれ人形などは、立体商標として登録されているようです。つまり、商品やサービスに関する広告物の形状の商標です。
で、まじめな問題です。(ただし、以下の設例は全くのフィクションです。)
くいだおれ人形のキーチェーンは大阪観光の人気土産品です。そこで、ある会社が、くいだおれ人形の商標権者に商標権使用料を支払うことを条件に、ベトナムで本物そっくりに動くくいだおれ人形を製造してもらい、日本に輸入することになりました。
① 日本からは、製造するくいだおれ人形のサイズ、色、などの、いわば設計図やデッサンに相当するもののデーターを日本で用意して、インターネットの送信により無償提供しますが。その他の原材料などは一切ベトナムで調達します。
②輸入者は、商標権者に、輸入する人形一体について取り決めた使用料を支払います。
さて、この①の買手の無償提供データの費用 ②の買手が支払う商標権使用料は、関税評価上どう扱われるでしょう?
:::::::::
このブログでは、答えを書いていないんですが、その理由はかずさんにも難しそうだったので、問題提起にとどめていたんですが、先ほどの読者から解説を求められました(^^♪う~~ん(~_~;)
というわけで、もう一回このブログの続きですが、実は私にも絶対の自信のある答えは難しそうですので、仕事での実例があって利害があるのなら、税関にきちんと相談して回答を貰うことがいいかもしれません。以下は、個人的な考えです。
①の買手による無償提供データ費用の関税評価の扱い
設計図やデッサンの買手から売り手への無償提供です。この設計図などは関税定率法第4条第1項第三号二の「技術、設計その他輸入貨物の生産に関する役務」で、関税評価で加算要素とされるのは「本邦以外で開発されたもの」を言います。
食いだおれ人形についての設計図は日本で作成されたものと認められますので、前記規定の加算要素の役務には該当しないため課税価格に参入されないと考えられます。
②買手が支払う商標権使用料は、「輸入貨物に係るもので」かつ、「輸入取引の条件」として買手により直接又は間接に支払われるもの」は課税価格に参入されます。(関税定率法第4条第一項第4号)
そこで、この例の場合、輸入取引の条件かどうかがポイントですが、上記例を見ると推測ですが①商標権者と、ベトナムの製造者とはまったく関係なさそう ②ベトナムの製造者は製造する食いだおれ人形について商標権があってその使用料を注文者が支払いことを知っていない と思われます。
このため、上記推測が事実にも合致すると考えれば、輸入取引の条件になっているとは考えにくいようで、ならば、商標権使用料を加算する必要は無さそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
関税評価でも、この例のような分野は即断はせずに、シッカリ事実を押さえて検討する必要があるものです。
関税評価も事前教示を受けることの出来る分野ですが、税関のホームページで文書回答を受けた実例が公開されています。
今回の事例に参考になる事前教示事例はページに載っていますから、ご覧になるといいでしょう。
もし、上記の個人的意見が間違っていたら、教えてくださるとありがたいですね、よろしく~。
::::::::::::::
そういうと、食いだおれ人形のお店の閉店ももう直ぐです。
このブログの表題に書いていますが、読み進める内に、自然に通関や税関手続きを中心にした貿易手続きについての知識やセンスが身について頂ければと思っています。
また、出来るだけたくさんの方に読んでもらって、時には意見交換も出来れば楽しいと考えています。
サナサナさんは試行錯誤の毎日とか、私も同じでした。継続は力でいずれ、実力がついたことを自覚することが出来ますよ。がんばって!
早速の回答、ありがとうございます!
なるほど納得のご説明に、スッキリしました。
税関ホームページに事前教示例が出ているんですね~。
これから見てみます!
通関って、奥が深いですね... 試行錯誤の毎日です。
ためになるブログを作ってくださって、感謝です!!