かずの里山ハイク

山や花、日常の出来事などの気まぐれブログ

白峰三山縦走

2008年01月25日 | 追憶の山

白峰三山縦走記録
日程 1974年10月4日~10月9日
装備
地図(1/5万、1/10万)、ガイドブック、コンパス、ラジオ、天気図用紙、ホエーブス、メタ、燃料(0.5L)、コッフェル、ナイフ、健保、古新聞、ポリ袋、緊急薬品、時計、筆記具、チリ紙、マッチ(予備)、半シュラフ、洗面用具、ヘッドランプ、テルモス、ポリタン(2L)、雨具、チョッキ、セーター、替下着、ダブルヤッケ(上下)、靴下(予備)、 帽子、毛手袋、短スパッツ、非常食(チョコレート、氷砂糖、クラッカー、チーズ等)、食糧7食分

コースタイム
10月6日 甲府(6:00)バス→広河原(8:00~8:15)→二股(10:20~10:40)→小太郎尾根(13:30~13:40)→北岳肩の小屋(14:10)

10月7日 北岳肩の小屋(7:00)→北岳山頂(7:30~7:50)→北岳稜線小屋(8:30~8:45)→中白峰(9:20~9:30)→間ノ岳(10:30~10:50)→農鳥稜線小屋(11:50)

10月8日 農鳥稜線小屋(6:20)→西農鳥岳(7:10)→大門沢小屋(10:50~11:30)→奈良田発電所(14:10~14:20)タクシー→奈良田(14:25~17:00)バス→身延(19:00)

行動記録
10月6日 登山口でバスを降りると北岳登山口の標識があり、つり橋より登山道が始まる。最初は林の中を歩くがすぐに大樺沢に出て岩のペンキ印頼りに歩く。二股までは高度差もなく清流の音を聞きながら快ペースである。ゆっくりと高度を稼ぐと前方のバットレスが威容を持ってせまり、振り向くと鳳凰三山の特異なピークが拡がりを見せる。また吊尾根に目を転じて見ると樹林帯の緑、黄色、橙、赤、茶のハーモニーが抜群で南アルプスの重厚さが感じ取れる。クラシックでも聞いているような気分で2ピッチで二股に着いた。二股はバットレス登攀の格好のベース地であり、北アルプスの涸沢・剣沢に比肩する所でテントが15張ほど、トカゲを決め込む人やバットレスを撮る等でにぎやかだった。私もしばしバットレスと付き合う。

二股からは新道を経て小太郎尾根を目指す。ここからは急坂で調子よく取り付いたがそこは日本第2の高峰北岳、そう簡単には登らせてくれない。20kg余りのザックもやけに重く感じられ、気持ちをそらすものも無く単独行のつらさが身に沁みる。一歩々力をこめて登高する。途中九重を思わす草原に出るとホッとしたがそれから一時間余り苦しい登高は続いた。

尾根に出ると小太郎山の東側にガスがかかっており、仙丈岳のどっしりとした山容を北に見ながら冷たい風の吹く中を小さなコブを幾つか越えると肩の小屋に着いた。

10月7日 ご来光は小屋より拝むことにしヤッケを着込んで外に出てみる。温度計を見ると-5℃でさすがに寒さはこたえるが日の出前の鳳凰三山のシルエットが素晴らしい!富士の北側にご来光が上がり名作を撮るべくシャッターを押しまくる(ちなみにポジで撮っているので写真はありません)。

北岳へは小屋から稜線をたどり小ピークを一つ巻くと到着する。展望は当然抜群だ、槍穂高・後立山の稜線もはっきり確認できる。昨日全貌を見せなかった甲斐駒も白いピークを天に向けている。今日は私の好きな岩稜づたいのルートで間ノ岳まで快適なペースとなった。間ノ岳ではやわらかい日差しを頭上に受け、東に富士、西に中央アルプス、南に塩見・農鳥、北に鳳凰三山・八ヶ岳・甲斐駒・鋸岳そしてシンメトリーな北岳と360°のパノラマを欲しいままにする。間ノ岳は平坦なピークなので慎重にペンキ印を追い眼前にある農鳥小屋までゆっくりと歩いたのだが快ペースなので予定より1時間も早く到着した。20:00寝つかれず外に出てみると満天の空に星が一杯!富士も甲府の灯を前にして浮き上がって見えたが夜半過ぎより、強風が吹きあられが小屋の屋根をたたき幾度が目が覚めたがいつしか深い眠りの中にいた。

10月8日 今日はロングコースのため早く起きたが吹雪いていたため少し様子を見る。しかし吹雪は止みそうになく誰も出発しようとしない。6:20意を決して千葉工大のパーティと一緒に私がトップで出発し、ゆっくりと西農鳥の急坂を登っていく。西農鳥の頂上及び直下のトラバースルートが新雪(20cm)で消えていたが、地図とコンパスを合わせ慎重にルートを付けていき農鳥岳に着くと後発パーティも次々に到着する。

農鳥岳を過ぎ大門沢への下降地点近くまで来ると緊張感が取れたのかトップの私だけスリップする。雷鳥にゲーといわれて笑われる。やがて泣坂とも言われるジグザグの急降下をすると雨になりチョットした平地でヤッケを雨具に着替えるともう安全地帯(?)なのでトップを千葉工大のパーティに譲る。

大門沢の源流近くになると紅葉は一段と美しさを増し、リンドウも登山道を飾っている。大門沢小屋ももうすぐと思われたが行けども行けども着かないという感じで下降が続く。ルートは沢づたいに河原・まき道・渡渉・へつりありでバラエティに富んでいる。源流地点より一時間も下ると大門沢小屋に着いた。ここで昼食も兼ねて大休止とする。冷えた体に焚き火が有難かった。十分に体を温め奈良田を目指し元気に出発する。つり橋を6回渡り、最後の小坂を越えると奈良田発電所に着き、タクシーで奈良田に向かう。農鳥小屋より同行した千葉工大Pと無事下山したことを祝って乾杯し、温泉で汗を流し甲府を後にした。

今回は単独行であったが山はもちろん、色んな方との出会いも山行きに色を添えることになった。


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