言葉が分からないにも拘らず画面だけでタイ古典アクション映画を観賞し、頼まれてもいないのにそれを紹介しようとする、お節介なこの不定期連載。今回は60年代の痛快泥棒映画『5 PAYUK SAO』を紹介しよう。
病気がちな母親と二人暮らしの女主人公は、4人の友人たちと今日もタイの田舎でブイブイ言わせていた。 ある日、この土地で大富豪のパーティが開かれることを知った彼女たちは、色目を使って潜り込むことに成功。
その屋敷で彼女たちが見たのは、来賓、貴賓たちが持ってきた宝石類を納めた巨大な金庫。
「こんなにあれば、病気の母を医者に診てやれる…」
そう考えた女主人公、さっそく友人たちと相談し、大強奪作戦を開始する。
しかし、この屋敷にはもう一組の宝石強盗団が潜入していて、それを追っているタイ警察の敏腕刑事までがこの屋敷にいたのだった。
果たして、この三つ巴の勝負の結果や如何に…?!
60年代チックなポップ感覚にあふれたこの作品、いやぁタイ映画だからって馬鹿にできません。ちゃんと時代の空気を掴んでいる。女主人公と母親のやりとりにタイ的風景を感じ取れる以外、まったくモダンな作風なのである。
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ヒーローはダンディで恰好よく、女性たちはキュートでセクシー。
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60年代娯楽映画のフォーマットが欧米諸国のみならず、万国共通であった事を示す《非ハリウッド娯楽映画》研究における好サンプルである。