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『THE SANCTUARY』を観る

2010年02月04日 | タイ映画

 今回の紹介作品は久しぶりのタイ映画『THE SANCTUARY』(09)です。公開前の情報も少なく(日本語で読める範囲内では)、あまり期待せずにVCDを購入しましたが、いざ鑑賞してみると…拾い物的な一作でした。


 内容は100年前に盗まれ、以後行方知れずだったタイ王家の秘宝を中心に武力・知能に長けた外国人盗掘団と、ムエタイ修行中の青年&考古学を専攻する女子大生との闘いを描いたもので、一見アドベンチャー映画風だがお宝探しの描写は意外に少なく、衛星や最先端ハイテク機器などを使ってあっさりと見つけ出してしまい、トレジャー・ハンティングの興奮は残念ながら味わえない。この映画の大半は主人公と傭兵を含む盗掘団との闘い、盗掘団と彼らを利用する反政府ゲリラとの闘い等のバトルが占めている。よって宝探し要素を期待して観ると肩透かしを喰らうだろう。だが、それ以上に主人公を演じるパイロート・ブンクート(洋名:マイケルB)の身体能力の凄さに驚かされる。
 
             
             
 
 パイロート・ブンクートはトニー・ジャー等を育てたタイの誇るアクションマスター、パンナー・リットクライ師匠のスタントチーム出身で、今回が映画初主演。一見、今や世界的スターとなったトニーが簡単に使えないので低価格の小型版を作りました、という感じがしないでもない。香港電影に例えるならばチャウ・シンチーに対してのディッキー・チョン、と言えば分かるかな?
 主人公が最初から格闘技術に優れていたりする場合が多いパンナー系俳優作品が多い中、この作品ではパイロート演じる主人公がラスト近くまで弱いのが特徴。それまでは蹴られ殴られ、挙句の果てにはビルから突き落とされたりとまるでかつてのジャッキー映画のよう。彼は危険度の高いアクションを演じることによって先輩たちとの差別化を図っているようだ。まぁ、この作品だけかもしれませんが今後に注目したいアクション俳優でしょう。

             
             
             

 あとこの映画最大の悪役を演じたラッセル・ウォンについても触れておきたい。クールな顔つきから頭脳明晰なのはありありと分かるのだが、果たして“強さ”についてはどうなのか?と思っていた。ガタイもゴツいし銃撃戦を見る限りでは運動神経鈍そうだし、結局喋りとベッドシーンだけが売りのキザ系悪役なのかなと思っていたら…やってくれました。合気道風の関節技&投げや身体の重さを利用したパンチとキックを駆使して主人公を死の一歩手前まで追いやるんですから(対ラッセル戦までに散々殴られ蹴られてましたが)大したものです。ちゃんとラッセルの持つキャラクターを生かしきりましたね、見事です!タナポン・マリワン監督。

                      
                             
             


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