今回の紹介作品は、『プレデター』の造形や『ガイバー:ダークヒーロー』の監督 として知られるハリウッドで活動している台湾出身のマルチ・アーティスト、スティーブ・ワンの初監督作品『KUNG FU RASCALS』(92)だ。
古くからの『宇宙船』読者であれば一度はその名を耳にしたかもしれないこの『KUNG FU RASCALS』。私自身も10年以上前に記事と写真を見て、観たいなぁ~と思っていた。そして月日が流れついこの間、動画共有サイトでアップされているのを発見し、観賞と相成ったわけである。
映画自体は自主映画らしくグダグダなところが見受けられるが、まぁ、そこのところは目をつぶってもらうとして(笑)、とにかく「俺はこんな映画が観たい(作りたい)んだ!」という心意気はズシッと感じられるので良しとしよう。
謎の地図に導かれて旅をする三人の若者とそれを奪おうとする悪の魔王の手下たちとの戦いを描くこの映画の見所は、何といってもスティーブ・ワンが手がけるモンスターたちであろう。ドクロっぽいデザインの暗黒魔王(米版キョンシー映画『ジッターズ』に登場するモンスターの流用)や豚顔の悪の僧侶、そして三人の若者を襲う岩石巨人と彼らを救う巨大布袋像等々。予算の都合でビーム系の光学合成が使用できないため妙なデザインのモンスターが我々の目を楽しませてくれる。
もう一つはクンフー・アクション。監督のスティーブ・ワン自身が主役の一人である中国人青年を演じていて、他の2名のアメリカ人俳優は(ワン監督の友人?)たいしたことはないが、ワン監督はジャッキー・チェン…とはいかないまでもモン・フェイくらいは動けていて、劇中、見事な回し蹴りを披露してくれている。
モンスターが楽しめてクンフー・アクションまでも(まぁまぁ)楽しめる、ボンクラ映画好きにはもってこいのこの『KUNG FU RASCALS』、願わくばもうちょっと脚本を練り直し、予算を掛けてワン監督自身にリメイクして頂きたいものである。
この作品は確かamazonでも昔、輸入版が販売されていたのを見たのですが怪しいので興味がなかったです(苦笑)
でも今回のレビュー読んでアクションもまぁまぁな感じらしいので後で見てみようと思います。
でもあの『ジッターズマンハッタン 妖獣戦』のラストにチョビっと出て簡単に死んでしまうカッコいいあのモンスターも出てくるとは(笑)
龍熱さまの件、どうもありがとうございました。
まぁ、大々的にレビューでは持ち上げちゃってますけど、何せ自主映画なものですから話半分に聞いておいた方が無難だと思いますよ。でも面白かったから機会があったら観てね。