あっちむいてホイ
八つ目ホルゲンは八目鰻油配合の栄養補給剤である。
効能書きを見てみると、滋養強壮 、虚弱体質 肉体疲労 病中病後の栄養障害などなど、が記されているが、実際に服用してみると、視力は良くなるようである。
夜寝る前に飲んだ翌朝は確かに、目がよく見えるようになったような気がする。
なべて、50歳を過ぎるころから、目がしょぼしょぼして、書物のの字はかすむし、老眼鏡をかけないとものを見るのに不便を感じるというのが、標準的な50歳代の実態のようである。
知り合いの薬局の奥さんとは、カラオケ仲間である。彼女は歌う方、私は歌い方の指導をするほうで、特別に心やすい仲でもある。
「奥さん。八つ目ホルゲンある?」
「あーら。先生。どうしたのですか。」
「近ごろ、とみに目が悪くなったようで、。老眼だけでなく、目がしょぼしょぼして、。歳はとりたくないもんですなぁ。
まっ暗闇の中でもわかるのは、あれたった一つですわ。あっはっはー。」
「まあいやらしい。先生ったら。あっはっはー。あれは近眼・老眼関係ありませんよ。八つ目ホルゲンで、精をつけて、がんばろうというのですなぁ、わかりました。」
「ところで奥さん。ご主人は元気ですか。?」
「まあ、いやだったら先生。うちの主人ときたら、このごろはいつでも「あっちむいてホイ。」ですよ。お父さんはもう60歳に手が届くころですもの。」
「奥さん。それじゃあ私と同じ世代ですよ。あっちむいてホイか。わびしいな。まだまだ現役でないと、。」
それにしても、60歳ごろになると、人は皆、男も女も、あっちむいてホイ族になるらしい。
「奥さん、お互いにがんばろうと、ご主人に、言っておいてください。」
3,
この手の話や雰囲気で、喧嘩になったという話は私は聞いたことがない。あるのは、クスクスげらげらのお笑いばかり。
目尻が成り下がっているかどうか、そんなことは知るよしもないから、おかまいなしに話が、一直線に降下して、語るに落ちるところまで落ちてゆく。
私も夢中になって話に溶け込み、胃の痛くなる世界の住人であることを忘れる。
アメリカとイラクの一触即発の危機も、どこ吹く風である。砂漠の兵隊さんは、アメリカ兵にせよ、イラク兵にせよ。ご苦労さんですな。
かくて、現在の日本は平和である。かって騒然とした世の中の世情とはまるで無関係に、「捜し物は何ですか。、、、」と歌ったご仁がいったが、その社会への無関心ぶりに驚き、憤りすら感じたが、近ごろは社会の出来事に敏感に反応しなくなった自分にハッと、気付くことがあり、そら恐ろしくさえ思うこともある。
「あっちむいてホイ」族に近づいたせいかもしれない。
いや、総理大臣経験者が二人も、リクルート事件に、関係するほど、政治倫理は失われ、さらに庶民には、夢に見ることすらできないような高額の所得隠しをして、株屋が間違って大臣にまでなった。と嘲笑された政治屋が出たりして、政治不信に追い打ちをかけるなど、昨今の政界の退廃ぶりから、世の中が嫌になり、無関心にならざるを得なくなったせいかもしれない。
何事に対しても 「あっちむいてホイ」 になるのは、こういうことにも一因があるのだろう。自分の年代も、社会の様子も、どうも良い方向には向いていないようである。
八つ目ホルゲンは八目鰻油配合の栄養補給剤である。
効能書きを見てみると、滋養強壮 、虚弱体質 肉体疲労 病中病後の栄養障害などなど、が記されているが、実際に服用してみると、視力は良くなるようである。
夜寝る前に飲んだ翌朝は確かに、目がよく見えるようになったような気がする。
なべて、50歳を過ぎるころから、目がしょぼしょぼして、書物のの字はかすむし、老眼鏡をかけないとものを見るのに不便を感じるというのが、標準的な50歳代の実態のようである。
知り合いの薬局の奥さんとは、カラオケ仲間である。彼女は歌う方、私は歌い方の指導をするほうで、特別に心やすい仲でもある。
「奥さん。八つ目ホルゲンある?」
「あーら。先生。どうしたのですか。」
「近ごろ、とみに目が悪くなったようで、。老眼だけでなく、目がしょぼしょぼして、。歳はとりたくないもんですなぁ。
まっ暗闇の中でもわかるのは、あれたった一つですわ。あっはっはー。」
「まあいやらしい。先生ったら。あっはっはー。あれは近眼・老眼関係ありませんよ。八つ目ホルゲンで、精をつけて、がんばろうというのですなぁ、わかりました。」
「ところで奥さん。ご主人は元気ですか。?」
「まあ、いやだったら先生。うちの主人ときたら、このごろはいつでも「あっちむいてホイ。」ですよ。お父さんはもう60歳に手が届くころですもの。」
「奥さん。それじゃあ私と同じ世代ですよ。あっちむいてホイか。わびしいな。まだまだ現役でないと、。」
それにしても、60歳ごろになると、人は皆、男も女も、あっちむいてホイ族になるらしい。
「奥さん、お互いにがんばろうと、ご主人に、言っておいてください。」
3,
この手の話や雰囲気で、喧嘩になったという話は私は聞いたことがない。あるのは、クスクスげらげらのお笑いばかり。
目尻が成り下がっているかどうか、そんなことは知るよしもないから、おかまいなしに話が、一直線に降下して、語るに落ちるところまで落ちてゆく。
私も夢中になって話に溶け込み、胃の痛くなる世界の住人であることを忘れる。
アメリカとイラクの一触即発の危機も、どこ吹く風である。砂漠の兵隊さんは、アメリカ兵にせよ、イラク兵にせよ。ご苦労さんですな。
かくて、現在の日本は平和である。かって騒然とした世の中の世情とはまるで無関係に、「捜し物は何ですか。、、、」と歌ったご仁がいったが、その社会への無関心ぶりに驚き、憤りすら感じたが、近ごろは社会の出来事に敏感に反応しなくなった自分にハッと、気付くことがあり、そら恐ろしくさえ思うこともある。
「あっちむいてホイ」族に近づいたせいかもしれない。
いや、総理大臣経験者が二人も、リクルート事件に、関係するほど、政治倫理は失われ、さらに庶民には、夢に見ることすらできないような高額の所得隠しをして、株屋が間違って大臣にまでなった。と嘲笑された政治屋が出たりして、政治不信に追い打ちをかけるなど、昨今の政界の退廃ぶりから、世の中が嫌になり、無関心にならざるを得なくなったせいかもしれない。
何事に対しても 「あっちむいてホイ」 になるのは、こういうことにも一因があるのだろう。自分の年代も、社会の様子も、どうも良い方向には向いていないようである。