■【あたりまえ経営のすすめ】経営支援編 コンサルタントを知る 5-18 経営理念の形式・内容を分類する
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■【経営支援編】第4部 コンサルタントを知る 1章 外部ブレインを使いこなせなくて経営者・管理職といえるか
半世紀にわたる経営コンサルタント経験から、いろいろな事を体験し、コンサルティング現場で活かしてきました。
士業・コンサルタントは、経営者・管理職に対して、いろいろな局面からの支援をしていくべきです。そのためには、経営者・管理職の立場も理解をしていなければなりません。
経営者・管理職向けの情報に対して、「俺は、コンサルタントだ。経営者・管理職向けの情報など必要がない」という姿勢でよいのでしょうか。「裏を返せばコンサルティングに通じる」という発想を士業・コンサルタントがしますと、視野が広がると考えています。
士業・コンサルタントも経営者・管理職も、フレキシビリティを持った発想が必要なのですね。
このような視点で、第4部をお届けします。
1章は、コンサルタントとは何をしてくれる職業なのかという視点で、士業・コンサルタントの本質を経営者・管理職に知っていただきたいと思います。
裏を返しますと、それを理解でき、行動に移せる士業・コンサルタントがホンモノのプロといえるのではないでしょうか。
◆5-18 経営理念の形式・内容を分類する
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経営理念は、内容や形式が百社百様とお話しました。その中で、多少強引とはいえますが、あえて分類してみますと、いくつかのタイプに分けられそうです。(Wikipedia参照作成)
その一つが「行動規範的なタイプ」で、社是・社訓と言われるようなものに類似します。短い言葉であったり、それを短文化したり、箇条書きにしたりすることが多いです。
従来、「経営理念」といいますと、最も一般的な形式をしているといえます。
ある電機会社の経営理念は、「和、誠、開拓者精神」という3つの言葉を併記しています。「誠意」とか「挑戦」、近年では「社会貢献」というような言葉を用いることが多いです。
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二つ目は、「経営の存在意義を示すタイプ」です。自社が、どの様な分野を貢献領域としているかをアッピールしています。近年は、自社の事業領域・ドメインといったとらえ方で示すことが多いようです。
某警備サービス会社の経営理念は、「安全を売る」ということが基本理念となっています。「いつでも」「どこでも」「だれにでも」簡単に「安全が買える」社会を作りましょうと、その「しくみ」を提供することを目指しています。
IT時代の幕開けのタイミングで、CI(Corporate Identity)のお手本的な存在を示したのがNECの「C&C(Computer and Communication)」です。
私事になりますが、経営コンサルタントとしてまだお尻が青い時期で、マーケティングを主力としていることから、自分でも当時はCIに力を入れてコンサルティングをしていましたので、余計に大きなインパクトを受けました。
しかも、この「C&C」には、以下のような言葉が添えられていました。
NECはC&Cをとおして、
世界の人々が相互に理解を深め、
人間性を十分に発揮する
豊かな社会の実現に貢献します。
当時、高度成長期のまっただ中でもあり、「人間性」ということも、まだあまり一般的な経済用語ではありませんでした。私自身が「人間性」ということを重視し、「管理とは温かいもの」ということをさかんに紹介していた時期であっただけに、新しい時代の幕開けのようにも感じたのです。
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三つ目は、「経営の成功要因や経営姿勢を示すタイプ」です。創業者理念を説いたり、企業経営のツボや心構えといったことを前面に出したりしています。企業イメージアップにもつながりますので、近年、再構築された経営理念にはこのタイプに属するものが多くなっているといえます。
その先鞭を付けたといってもよいのが、IBMの「Think」です。たった一単語で、IBMの成功要因を示しているように、尻の青い経営コンサルタントでありました私には、NECとともに、大きな示唆を受けました。
また、私のコンサルティングの信条としての「独創性」や「グローバル」ということと共通します、某自動車会社の経営理念は、下記のようになっています。
人まねをしない独創的な経営
世界的な視野に立ってものを考える
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私達は、一人では生きられません。お互いが寄り添い、補い合って成長していきます。 相手のことを想う事、それはやがて自分自身に返されて参ります。この基本的な考えを実践することによって、「よりよい社会が形成されるのでは」との想いで、この経営理念を掲げて参りました。
経営理念は、経営者の「魂の叫び」であります。社内に浸透させ、継承していかなければいけません。つぎに顧客満足度の向上を図る為には、まずお客さまが何を欲し、期待しているかを知る事が大切です。常にお客様とのコミュニケーションを図ることを心がけ、素直にお客様の声に耳を傾ける事が重要であり、従業員一人ひとりの思いも同様でなければ、決して良い結果に繋がらないと考えます。
一人の力には限りがあります。自己の持てる力を互いに提供し、共有し合うことによって大きな力となるのです。そして私は、日頃から社会貢献のできる企業体でありたいと願っております。
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いくつか、ご参考のために紹介しましたが、これがお手本というのではなく、私が経営コンサルタントとして興味を持った事例の紹介です。それらをまねても、魂がこもるわけではありませんので、経営理念としてインパクトがあるものになるとはいえません。老婆(爺)心ながら付け加えさせていただきます。
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