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【小説】竹根好助の経営コンサルタント起業5章 中小企業を育てる 5 福田商事のCI戦略

2024-08-23 12:01:00 | 【小説風】竹根好助のコンサルタント起業

  【小説】竹根好助の経営コンサルタント起業5章 中小企業を育てる 5 福田商事のCI戦略 

 
■ 【小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業 
 私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。 竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。
 これからコンサルタントを目指す人の参考になればと、私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。 原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。
【これまであらすじ】
 竹根好助は、私の会社の後継者で、ベテランの経営コンサルタントでもあります。
 その竹根が経営コンサルタントに転身する前、どのような状況で、どの様な心情で、なぜ経営コンサルタントとして再スタートを切ったのかというお話です。

 1ドルが360円の時代、すなわち1970年のことでした。入社して、まだ1年半にも満たないときに、福田商事が、アメリカ駐在事務所を開設するという重大発表がありました。
 角菊貿易事業部長の推薦する佐藤ではなく、初代駐在所長に竹根が選ばれました。それを面白く思わない人もいる中で、竹根はニューヨークに赴任します。慣れない市場、おぼつかないビジネス経験の竹根は、日常業務に加え、商社マンの業務の一つであるアテンドというなれない業務もあります。苦闘の連続の竹根には、次々と難問が押し寄せてくるのです。
 日常業務をこなしながら、アテンドという商社マンにつきものの業務を自分なりに見つめ直す竹根です。

◆5章 中小企業を育てる
 商社マンは、商品を輸出すれば良い、というのが、それまでの商社の生き方でした。
 はたしてそれで良いのか、疑問に纏われながらの竹根好助でした。その竹根が、何とか現状で仕事をしながら活路を見いだそうと考えていました。
  ※ 直前号をお読みくださるとストーリーが続きます。
     直前号 ←クリック

◆5-5 福田商事のCI戦略
 アテンド客のひとり、北野原はケント光学という福田商事とは付き合いの長いメーカーである。北野原にはニューヨーク着任前に何かとお世話になっていた。
 昼間は日曜であることから、彼のたっての願いと言うほどではないが、楽しみにしていたという自然博物館に連れて行ったが、それが嬉しかったようである。
 夜になると、また酒の席に下戸である竹根は引っ張り出された。幸い、北野原は酒の強要はしないが、その後アメリカ詣でに来るたくさんの人に悩まされることになる。アメリカでは、酔って汚物を出したりすると罰金をとられるので気を遣う。酒飲みに対して寛大な日本と大きな違いの一つである。
 その日の北野原は、福田商事が企業イメージ戦略の一つであるCIの一環として、それまで技術者に慣れ親しまれてきたKENTブランドが使われなくなる。北野原は、社名にケントと入れているだけに、残念な気持ちが強いようである。竹根は、せっかく確立したブランドを捨てることはもったいないと思う程度で、北野原のようなこだわりはない。子会社の意向を無視した福田商事のやり方が不満なようで、北野原は少々荒れた。
 因みにCIとはCorporate Identityといって、企業イメージ高揚のためのマーケティング戦略の一つである。社名をカタカタ文字に変える企業が出たのもこの時期に多い。社名が変わるとその経済効果は大きい。CIを実施した企業側は、印刷物をはじめいろいろなところにコストがかかるが、印刷業界、建築装飾業界など多くを享受できた。CI実施企業にとっては、メリットはばらつきがあった。
 福田商事は、社名を変更することはなかったが、ブランドはすべて「FUKUDA」ブランドに統一され、それまで理化学機器や製図機器関連はケント、事務機器関連はオリエントを使っていたが、それらは一切使わなくなった。

 翌日の月曜日は、午前中は事務所で手紙や本社関連の事務処理をした。本社の相本が送ってくれたであろう手紙について、各担当者に返事を書いた。北野原を待たせているだけに、急いで書くこともあり、書き損じが出て、かえって時間がかかってしまったかもしれない。北野原は、近くの五番街を廻ってきたとかで、高島屋のニューヨーク店があまりにも小さいのでがっかりしたとか、タイムズスクエアあたりのブロードウェイは、彼がかつて滞在していた頃とあまり変わっていないとか言っていた。高島屋が小さい店構えであったのは、それが、日本の国力の実情だろうと、北野原は自分を慰めていた。
 二人で事務所裏にあるコーヒーショップに入った。
「社長、私がアメリカに来る時の飛行機の中で、ジュースがおいしかったのが非常に印象的だったんです。そのときに、アメリカ人は、毎日こんなうまいものを食べているのかと、うらやましくさえ思いました」
 アメリカ生活の経験がある北野原には、竹根が言いたいことが解ったらしく、ニヤリとした。
「ニューヨークで生活するようになって、アメリカの食事をするようになるとすぐ、『よくアメリカ人はこのようなまずいものばかりを毎日食べていられるな』と思うほど、なかなかうまい料理にありつけませんね」
 北野原、頷きながら笑っている。
「わらじステーキは、肉ではないよな」
 竹根がニューヨークに来てまもなくの頃、近くのステーキ屋に入った。丁度わらじのような大きさと形をしたTボーンステーキが二、三ドルで食べられた。値段が安い分、わらじをかじるような歯ごたえのある肉である。
  <続く>

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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 8月22日 ◇ユニクロ柳井正氏の創業理念 ◇「認め合う」企業風土が会社を伸ばす 3215-4819

2024-08-23 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 8月22日 ◇ユニクロ柳井正氏の創業理念 ◇「認め合う」企業風土が会社を伸ばす 3215-4819 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 

 

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

 【小説風 傘寿の日記】
 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。
8月22日(木)
 ネットサーフィンをしていたら、行動経済学のコンサルティングをしている山根承子氏の記事を見つけました。
 氏によりますと、『「私は運がいい」と思っている人は要注意 「運を信じる人ほど成功しづらい」』と、調査結果で結論づけています。
 運が良いと思っている人は、努力をあまりしないのではないかと推論されます。
 逆に、「たまたま運良く○○できた」という人というのは、何らかの努力をしていて、その結果が結びついたのではないかと氏は言っています。
 私自身、行動科学・行動経済学に興味を持ってこれまで経営コンサルタントをやってきましたので、氏のこの論文を興味深く読ませていただきました。

 老いぼれでも、何かと忙しく動いていますので、時々気分転換をするようにしています。
 音楽を聴くことが多いですが、過去の写真や動画を見ることも楽しみの一つです。

 ■【ナレーション付き映像で見るカシャリ!ひとり旅】  鷹峯(しょうざん)庭園 京都奥座敷鷹峯の日本庭園「しょうざん庭園」


 私の事業を引き継いでくれた竹根好助ですが、その部下が時々自分の顧問先や元気な会社に私を招待してくれます。私が企業で、何を観て、何を話すか、私の半世紀のコンサルタント経験を盗み取り、コンサルタントとして、それを顧問先に活かしたいという考えのようです。

 竹根の部下が紹介してくれた企業は、遠方にあるので、オンラインでインタビューと社内見学をさせていただきました。

◆【成功企業・元気な会社・頑張る社長】 「認め合う」企業風土が会社を伸ばす 3215-4819

 「〇〇さん、いつもありがとう」「〇〇さんはこんなところがすごい」ー。横浜市を拠点に物流業務の請負や出荷代行などの事業を手掛けるT社では、ふだん社員がお互いに「いいね」と思っていることを紙に書いて渡す「AIS(アイス)カード」という取り組みを行っている。
 社員同士がカードをやり取りすることで、お互いを認め合う。続けているうちに社員同士のコミュニケーションや連携、思いやりの気持ちが深まるようになったそうだ。その効果は取引先にも波及。「取引先から、T社さんに任せてから、うちの会社の雰囲気もよくなった、と言っていただけることが増えた」と代表取締役のS氏は目を細めた。
 父が創業した会社に大学を卒業してすぐに入社し、1999年に経営を引き継いだS氏。手間と人手がかかる取引先の物流部門を、丸ごと請け負う事業を拡大させ、会社を成長させた。「人財育成」に特に力を入れ、風通しのいい組織風土づくりをいつも意識して経営にあたってきたという。取引先の物流拠点などに営業所を置き、その懐に入って仕事をする。社内外とのコミュニケーション、連携をしっかりととらないと成り立たない。それだけに「人財こそが当社の強み」と胸を張っている。
 中小企業大学校経営後継者研修の一期生。社員のスキルアップに同校を積極的に活用し、社内でも積極的に勉強会を開催している。「AISカード」の取り組みは、入社5~10年の若手・中堅社員が組織するプロジェクトチーム「拓未会(たくみかい)」の提案から始まったそうだ。人財育成に積極的なS氏の経営姿勢が社員たちにも浸透している表れでもある。
 社員が「認め合う」企業風土づくりはここ数年、関心が高まっており、大手企業もさまざまな形で取り組んでいる。社員同士が互いに認め合うことで、社員間の連帯感を強め、社員一人ひとりのモチベーションがアップする。ひいては、社員の会社に対する満足度の向上や顧客満足度を高めることにつながる。T社の取り組みからもその効果がみてとれる。

【 コメント 】

 社員とのコミュニケーションに課題を感じていたり、社内の雰囲気に問題を感じていたりしている経営者は少なくないでしょう。

 日本人は「ストレートな感情表現が苦手」と言われることが多いですが、まずは「互いを認め合う」企業風土づくりにチャレンジしてみてはどうでしょいうか。

 ぎこちなかった会社の歯車が突然、スムーズに回るようになるかもしれませんね。

■【今日は何の日】 
  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。
  この欄には、発信日の【今日は何の日】などをご紹介します。
   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930
  ■【今日は何の日】 8月23日 ■ 白虎隊自刃の日 ■ 処暑 ■ 京都壬生地蔵盆

■【経営コンサルタントの独り言】 

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

◆ ユニクロ柳井正氏の創業理念
 「六次産業」という言葉があります。「一次産業」×「二次産業」×「三次産業」で「六次産業」と言うのだそうです。
 実は、この発想は、ユニクロ柳井正氏の発想が原点にあるように思えます。
 小売業界は、生産者が強く、店頭では、それを販売するという概念でした。やがて、買手の時代へと変化をしてきて、マーケティング手法もがらりと変わりました。
 かつては、「うちは販売だ」「うちはモノを作る」「うちは物流」と勝手に決めてビジネスモデルを作っていました。そのような中で、柳井氏は、「本当に買う人の立場に立って、責任を持って商売をしようと思ったら、企画から生産、物流、販売まで、一貫して手がけるのが自然なのだ」と考えたのです。
 柳井氏の先見性と言うより、原点回帰志向が、世界の柳井に変身できたといえます。
 偉そうに「論理思考を育てよう」などと叫んでいる私こそ、原点に戻って、このような天才の爪の垢でも煎じて飲まなければ行けないのかも知れません。

 チンチン電車の日に思い出す 822

 8月22日は「チンチン電車」の日です。

 電車が動き出すときなどに、「チンチン」とベルを鳴らすことから、チンチン電車というのは、誰でも想像がつくことです。

 東京においては、交通量の多い道路から次第に姿を消して行きました。最後に残っているのが都電荒川線です。

 荒川区の三ノ輪橋から新宿区の早稲田までの12km、30程の停留所があり、東京都交通局が運営しています。

 地方から来られた方に、都電があることをお話しすると、「交通量の多い東京に?」と驚かれる人が多いです。

 私は、車で混雑する都内には都電やバスなどの公共交通機関や配送など、用途などを絞って、できる限り自動車を減らしてゆくべきと考えます。

 GPSなどICT技術を用いれば、都内での自動車運行を有料にすることも可能でしょう。

 それを財源として、公共交通機関は無料とするなど、抜本的な対応も必要と考えます。

 さて、突然ですが、チンチン電車と乾杯との関係をご存知ですか?

 私の意図がわかった人は、相当なるグローバル・パーソンですね。

 イタリアでは、乾杯の時に「チンチン」と言います。

 「おちんちん」ということを誰かから聞いた、私のイタリア人の友人が、二人で食事をしたときに「チンチン」と言いかけて止めてしまいました。

 彼の誤解を解くために、「それは小さい子供に対しての言葉で、可愛い意味だから、憚ることはないよ」と教えてあげました。

■【小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業

 これからコンサルタント・士業としてやってゆこう、すでに起業しているけど、今ひとつうまく行っていない、と言うような人向けにお届けしています。
 竹根好助というベテランコンサルタントの回顧録のような内容で、彼の歩んできた道が、何らかの示唆となることを願っています。
 私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。
 竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。それを私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。
 原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。
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■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

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