【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-02 深謀遠慮 イソップ寓話「アリとキリギリス」に学ぶ 将来のことまで深く考え、計画を構築する
四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第2章 思考力を高めてビジネス全快
四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
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四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
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■2-0 2 深謀遠慮 イソップ寓話「アリとキリギリス」に学ぶ
~ 将来のことまで深く考え、計画を構築する ~
*
「深謀(しんぼう)」は、「深い謀(はかりごと)」すなわち「深く考えたはかりごと」という意味です。「遠慮(えんりょ)」は、「慎み深く、控えめにする」という意味で用いられるのが一般的です。しかし、ここでは「遠く慮(おもんばか)る」、すなわち「将来のことを考える」という意味です。
すなわち「深謀遠慮(しんぼうえんりょ)」というのは、「将来のことまで深く考えを巡らし、計画やプランを構築する」という意味となります。「遠謀深慮(えんぼうしんりょ)」という四字熟語と同じような意味で用いられます。後者の「遠謀」は、前者の「深謀」に繋がりますので、「将来を見通して、深く考えた謀」ということになります。「深慮」は「遠慮」に通じ、「深く考える」「遠くまで見通して、俯瞰的に考える」ということに繋がります。
反対の意味の「軽佻浮薄(けいちょうふはく)」は、「軽挙妄動し、深謀遠慮がなく、言動が浮ついている」ことを指します。「軽佻」は落ち着きがなく、その場の雰囲気に乗って行動すること、「浮薄」は「浅はかで軽はずみなこと」を指します。すなわち「軽佻浮薄」は、「軽はずみで、言動が浮ついている」ことを指します。(四字熟語辞典)
*
PDCAとうことは、ビジネスパーソンであれば知らないことが不思議なくらい、誰もが知っていることといっても過言ではありません。「P」すなわち「プラン」は、計画を立てることです。計画を立てるときに、目の前にある問題点ばかりに、あるいは自分が思い込んでいる考えに固執してはならないというのが基本です。
今後、世の中がどの様な方向に向かうのか、時代の流れを無視せずに「遠望」し、「遠慮」する、すなわち将来を見通すことが重要であると教えてくれています。また、現状を充分に分析し、現在置かれている立場や位置を考慮に入れ、それと将来を加味して熟考して「計画」を立てることが重要です。
最近の若い人が、「今を大切に生きる」という言葉をはき違えて、「若い頃は今しかないのだから、若くなければやれないことをまずやる」、すなわち一時期流行した「今でしょ!」ということをしばしば言います。
イソップ寓話に「アリとキリギリス」というお話があります。余談になりますが、原典では「アリとセミ」でした。セミは熱帯・亜熱帯に生息する昆虫ですが、ヨーロッパ、それも北部ではあまりなじみのない昆虫です。ギリシアからアルプス以北に伝承されるときに、理解を深めさせることを目的として翻訳過程で、蝉よりは伝播先で馴染み深い「キリギリス」に改編されたと言われています。(【Wikipedia】をもとに作成)
アリは、暖かい季節には、深謀遠慮から、将来、食糧不足が起こることを予測して食料が乏しくなる冬に備えて働き続け、備蓄をします。今を大切に生きるキリギリスは夏の間中バイオリンを弾き、歌を歌って過ごし、アリを見ては馬鹿にします。
やがて冬がやって来ますと、キリギリスは食べ物を探しますがなかなか見つかりません。とうとう恥も外聞も捨ててアリに食べ物を分けてもらおうとします。アリは「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらいいだろう」とけんもほろろに応えます。先見性を持ち、計画的に日々を送り、将来起こるかもしれない災難に備えることの大切さを教えてくれるお話です。
因みに、四季を著す言葉として「三寒四温(さんかんしおん)」がよく知られています。「冬の天気は、寒い日と暖か日とが交互にくる」ことで、どちらかと言いますと次第に早春に入ってくる頃に使われる表現です。
*
「得手勝手(えてかって)」な考え方をする人がいます。「周囲の人のことを斟酌せず、自分勝手な言動をとる」という意味です。「得手」というのは、本来は「得意なもの」を指しますが、その本来の意味そのものも得手勝手に変えられてしまっているようです。
誰もが知っている上述の寓話ですが、「今を大切に生きろ」とテレビドラマか何かで聞きかじった知識を基に、それを自分に都合の良い、勝手な解釈をする人が多いように思えます。そのような人は、たとえP→Dと順調に進んで来ても、「C(チェック)」の段階を充分に踏まず、原因分析も不充分なまま「A(アクション)」もろくにせず、そこで餓死してしまっては、次の「P」はやってきません。
*
「耳学問」とか「耳年増」という言葉があります。人の噂だけではなく、入手した情報も、それだけで全てであるかのように錯覚しては、全体像を見ることもできません。局部的で例外的な事象かもしれないことを知らなければ、不正確な判断に繋がってしまいます。「現場百遍、ウラを取る」というテレビドラマでは常識なことを忘れてはならないと思います。
「深謀遠慮」するときには、別項にあります「俯瞰細観」を忘れて欲しくないですね。
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~ 将来のことまで深く考え、計画を構築する ~
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「深謀(しんぼう)」は、「深い謀(はかりごと)」すなわち「深く考えたはかりごと」という意味です。「遠慮(えんりょ)」は、「慎み深く、控えめにする」という意味で用いられるのが一般的です。しかし、ここでは「遠く慮(おもんばか)る」、すなわち「将来のことを考える」という意味です。
すなわち「深謀遠慮(しんぼうえんりょ)」というのは、「将来のことまで深く考えを巡らし、計画やプランを構築する」という意味となります。「遠謀深慮(えんぼうしんりょ)」という四字熟語と同じような意味で用いられます。後者の「遠謀」は、前者の「深謀」に繋がりますので、「将来を見通して、深く考えた謀」ということになります。「深慮」は「遠慮」に通じ、「深く考える」「遠くまで見通して、俯瞰的に考える」ということに繋がります。
反対の意味の「軽佻浮薄(けいちょうふはく)」は、「軽挙妄動し、深謀遠慮がなく、言動が浮ついている」ことを指します。「軽佻」は落ち着きがなく、その場の雰囲気に乗って行動すること、「浮薄」は「浅はかで軽はずみなこと」を指します。すなわち「軽佻浮薄」は、「軽はずみで、言動が浮ついている」ことを指します。(四字熟語辞典)
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PDCAとうことは、ビジネスパーソンであれば知らないことが不思議なくらい、誰もが知っていることといっても過言ではありません。「P」すなわち「プラン」は、計画を立てることです。計画を立てるときに、目の前にある問題点ばかりに、あるいは自分が思い込んでいる考えに固執してはならないというのが基本です。
今後、世の中がどの様な方向に向かうのか、時代の流れを無視せずに「遠望」し、「遠慮」する、すなわち将来を見通すことが重要であると教えてくれています。また、現状を充分に分析し、現在置かれている立場や位置を考慮に入れ、それと将来を加味して熟考して「計画」を立てることが重要です。
最近の若い人が、「今を大切に生きる」という言葉をはき違えて、「若い頃は今しかないのだから、若くなければやれないことをまずやる」、すなわち一時期流行した「今でしょ!」ということをしばしば言います。
イソップ寓話に「アリとキリギリス」というお話があります。余談になりますが、原典では「アリとセミ」でした。セミは熱帯・亜熱帯に生息する昆虫ですが、ヨーロッパ、それも北部ではあまりなじみのない昆虫です。ギリシアからアルプス以北に伝承されるときに、理解を深めさせることを目的として翻訳過程で、蝉よりは伝播先で馴染み深い「キリギリス」に改編されたと言われています。(【Wikipedia】をもとに作成)
アリは、暖かい季節には、深謀遠慮から、将来、食糧不足が起こることを予測して食料が乏しくなる冬に備えて働き続け、備蓄をします。今を大切に生きるキリギリスは夏の間中バイオリンを弾き、歌を歌って過ごし、アリを見ては馬鹿にします。
やがて冬がやって来ますと、キリギリスは食べ物を探しますがなかなか見つかりません。とうとう恥も外聞も捨ててアリに食べ物を分けてもらおうとします。アリは「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらいいだろう」とけんもほろろに応えます。先見性を持ち、計画的に日々を送り、将来起こるかもしれない災難に備えることの大切さを教えてくれるお話です。
因みに、四季を著す言葉として「三寒四温(さんかんしおん)」がよく知られています。「冬の天気は、寒い日と暖か日とが交互にくる」ことで、どちらかと言いますと次第に早春に入ってくる頃に使われる表現です。
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「得手勝手(えてかって)」な考え方をする人がいます。「周囲の人のことを斟酌せず、自分勝手な言動をとる」という意味です。「得手」というのは、本来は「得意なもの」を指しますが、その本来の意味そのものも得手勝手に変えられてしまっているようです。
誰もが知っている上述の寓話ですが、「今を大切に生きろ」とテレビドラマか何かで聞きかじった知識を基に、それを自分に都合の良い、勝手な解釈をする人が多いように思えます。そのような人は、たとえP→Dと順調に進んで来ても、「C(チェック)」の段階を充分に踏まず、原因分析も不充分なまま「A(アクション)」もろくにせず、そこで餓死してしまっては、次の「P」はやってきません。
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「耳学問」とか「耳年増」という言葉があります。人の噂だけではなく、入手した情報も、それだけで全てであるかのように錯覚しては、全体像を見ることもできません。局部的で例外的な事象かもしれないことを知らなければ、不正確な判断に繋がってしまいます。「現場百遍、ウラを取る」というテレビドラマでは常識なことを忘れてはならないと思います。
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