10月8日(月) 黄山遊覧
朝6時過ぎ、外はまだ薄暗い。若者が二人、観光客に山登り用の杖を売りに来ている。
ロープウエー駅に行く途中で見た看板。国勢調査に協力することは国民の義務だ、といった内容のようである。こんな山中にとも思うが。
発着所には長い列が出来ていた。通訳が別の窓口で切符を買い、早く早くと我々を急かす。少し気が引けたが、行列を尻目に別のゲートから乗り場に向かう。
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10月7日(日) 黄山へ
今日は黄山まで行く。当初は飛行機の利用を検討したらしいが、諸事情でマイクロバスでの移動となった。中国の内地を陸路で旅する機会はめったにない。
朝早く、6時過ぎに宿舎を出発する。黄山まで370キロ。2時間ほどで合肥の東にある巣湖の近くを通過した。巣湖は中国の五大湖の一つで、琵琶湖よりも大きい。ピンボケの写真だが、高速道路を建設中だった。当時、この国の道路事情は悪かっ . . . 本文を読む
10月6日(土)工場視察
朝、街は通勤の自転車で混雑している。ひだスカートの女性は片方、裾を高くつまみ上げてハンドルを握っていた。歩道では武術服を着た若い女性が長刀を手に、ゆっくりと体を動かしている。朝課だろうか。
8:30 絹織物工場を視察。従業員数2,700人の大きな工場である。この日は土曜日で操業はしていなかった。生産管理や品質向上のスローガンが掲げられている。
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10月5日(金) 表敬訪問
訪中した年は改革開放路線が始まって10年余り。まだ人々の間に文化大革命の記憶が残っていた頃である。既に経済特区は開設されていたが、当時の上海は急成長の前で町並みは古かった。市民の交通手段はバスか自転車が主である。大通りは自動車のクラクションが喧しい。
早朝7時にホテルを出て空港へ。車中で朝食のサンドウィッチを食べる。紙パックのオレンジジュースは人工甘味料の懐か . . . 本文を読む
2階の片隅に、長らく使っていない物置のような勉強部屋がある。そこにある仕事関係の書籍やノート類を整理したいと思っている。その中に昔、中国を旅行した時のものがあった。33年前のことである。1990年の10月、市の友好訪問団の一員として中国を旅行した。当時はなぜ若輩の私がと思ったが、帰国後に研修所から報告を出せと催促されて理由が分かった。職員研修の一環だったのである。だが、いまさら言われても困ると、 . . . 本文を読む
食品スーパーに棒ラーメンがあった。最後に食べたのはもう50年以上も前の話になる。栄養不足で過ごした学生時代の思い出の品でもある。
下宿は北白川の志賀越道にあった。賄いがつかない間借りで、2階に京間の8畳が4部屋ある大きな家だった。昔の造りで、手すりのない急傾斜の階段で最上段から滑落したことがある。物音に大家のお婆さんがとんできたが、靴下の踵に穴が開いただけで私が無事なのを見て、あなたが二 . . . 本文を読む
図書館で書籍棚を見ていたら背表紙の「大学紛争」という言葉が目に入った。書名に惹かれて分厚い本を手に取り、ページをめくって少し驚いた。五十数年前に私が通っていた大学の、あの日あの時の、あの場所での出来事が回想されていたのである。著者は当時、学生運動をするために大学に入ったという、全共闘と対峙する側の活動家である。
私は単純に大学は学問の府であると思っていた一学生に過ぎない。ただ学園全体が大きな . . . 本文を読む
今月の上旬、孫娘を駅まで見送ったあと久し振りに街なかを歩きました。ここは大通りから一歩入ったところにある日吉神社です。
以前、この神社で野球をして遊んでいたエピソードを投稿したことがあります。小学生の時、この境内で三角ベースボールをしていました。野球といっても子どもの遊びですから、ボールは布を丸めてタコ糸で固く縛ったものです。左手に見える境内社がレフト側で、センターにあたる本殿の玉垣がホ . . . 本文を読む
ショッピングモールの物産展をのぞいていたら、思いもかけず懐かしい物に出会った。
小学生の時、父の故郷である広島県の三原に何度か連れて行ってもらったことがある。まだ蒸気機関車の時代で、列車が久留米駅に着くと乗務員と駅員の間でタブレットの受け渡しが行われていた。私たちが乗るのは三等車で、八幡製鉄所の手前にある折尾駅に停車すると、経木の折箱に入った駅弁を買ってくれたものである。それは九州によくある . . . 本文を読む
よもぎ餅とよもぎ饅頭とはどう違うのか。
道の駅でよもぎ饅頭を買ってから、ちょっと考えてしまった。ふだんは甘いものを食べないのに、子どものころ祖母とよもぎ摘みをした思い出がよみがえってきて、懐かしさでつい手に取ったのである。
六十数年前の春。筑後川の河川敷で祖母と二人よもぎ摘みをしたことがある。祖母はいつもの着物姿だった。その頃の筑後川はいまのよう公園化されておらず、草原と砂地の自然の河 . . . 本文を読む