田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

子どもの時に食べたのは

2022年03月15日 | 遠い日の記憶

 よもぎ餅とよもぎ饅頭とはどう違うのか。 

 道の駅でよもぎ饅頭を買ってから、ちょっと考えてしまった。ふだんは甘いものを食べないのに、子どものころ祖母とよもぎ摘みをした思い出がよみがえってきて、懐かしさでつい手に取ったのである。

 六十数年前の春。筑後川の河川敷で祖母と二人よもぎ摘みをしたことがある。祖母はいつもの着物姿だった。その頃の筑後川はいまのよう公園化されておらず、草原と砂地の自然の河原が残っていた。砂利の採取も盛んで、川に浮かぶ採取船の風景が記憶に残っている。

 祖母はお八つの材料にするために、家から数キロも離れた筑後川へ私を連れてきたのである。当時はお八つといえば近くの駄菓子屋で買うか親の手作りであった。火鉢で暖をとっていた時代で、鉄板で焼くお好み焼きや輪切りにした薩摩芋、おかきなどがごちそうだった。

 祖母とよもぎ摘みをした後の記憶はあいまいである。憶えているのは葉裏が銀灰色をしたよもぎという名前と、草も食べられるのだと知ったことである。家に帰ってからよもぎのお八つを食べている場面や、餡子が入っていたかどうかは思い出せない。ただ、よもぎ餅を食べたという事実だけが記憶の隅に残っていた。

 さて、祖母のお八つはよもぎ餅だったのだろうか、それともよもぎ饅頭だったのか。

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北野の河津桜と天満宮 | トップ | 河津桜と草野散策 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

遠い日の記憶」カテゴリの最新記事