キューピーヘアーのたらたら日記

ガンバレ日本!!!TB&コメント大歓迎♪

『砂の女』 安部公房

2020-10-30 13:01:45 | 
若い頃、安部公房の小説・戯曲を何作か読んでいて、 面白かった記憶があったので手に取ってみた。 本作を読んだのは初めてである。 主人公は教師、昆虫採集が趣味である。 ある日、砂丘に生息するハンミョウの新種を求めて 海岸辺りの村を訪れ、宿を求める。 紹介された宿は、砂の穴に埋もれそうな民家で、 寡婦が一人で住んでいた。 その女は、夜ごと家に被さってくる砂を掻き出す作業に追われ、 日 . . . 本文を読む
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『やがて哀しき外国語』 村上春樹

2020-10-22 14:45:50 | 
1991年はじめから2年半のあいだ、 村上春樹が米国プリンストンに滞在していた頃のエッセイ集。 内容は、日米貿易摩擦問題、アメリカの大学事情、 走ることについて、車、ジャズ、 フェミニズムについて等、多岐にわたる。 村上朝日堂シリーズや村上ラヂオシリーズのように 軽くはないが、しかし決して肩の凝らないエッセイ。 ひとつひとつのテーマについて著者がどう考えているのかを まとまった文 . . . 本文を読む
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『変身』 カフカ

2020-10-10 13:23:42 | 
若い頃に読んでいたのだが、 ただ面白い小説だったということ以外 何も覚えてなかった。 朝起きると自分が巨大な虫に変身していた、 という突飛な出来事に続く事態の進展が、 さもありなんと妙を得ていて 読者を物語に引きつけて離さない。 名作として世に残っているのも道理だ。 カフカはこの小説で何をしたのか。 それは、小説という手段を用いての、 「不幸」の具象化であると思う。 ネタ . . . 本文を読む
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『村上ラヂオ3 サラダ好きのライオン』 村上春樹 大橋歩

2020-09-26 17:09:36 | 
憧れの春樹さんのエッセイ集。 学生の頃からずっと好きだったが、 僕は、近づくための努力をしなさすぎたのではないかと思っている。 今からでも遅くはない。 マラソンとかは無理だから、 「嫌なことはしない」という主義から真似しようと思う。 春樹さんは、豚肉は食べない。 中華全般嫌いだから食べない。 ラーメンなんて、匂いを嗅いだだけで気分が悪くなる。 毎日、野菜ばかり大量に食べる。 文 . . . 本文を読む
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『村上ラヂオ2 おおきなかぶ、むずかしいアボカド』 村上春樹

2020-09-12 14:43:16 | 
読みだしたら、止まらなくて、 あっという間に読み終えてしまった。 多彩な内容、話し上手な春樹さん。 素敵なエッセイ集でした。 村上春樹のファンとして今思うことだが、 氏の小説やエッセイを読んだことで、 僕は人生に対してポジティブになれた。 あんな人になりたい。 マラソンはできないし、小説も書けないけど、 でも、少しででもいいから近づきたいと願う。 永遠の僕の憧れ。 この巡 . . . 本文を読む
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『アッシュベイビー』 金原ひとみ

2020-09-01 10:30:12 | 
怖ろしい小説を読んでしまった、 というのが率直な感想だ。 金原ひとみはあまりに過激だ。 過激というのが陳腐なら、 彼女の性器を切り刻むナイフは、 あまりにギザギザで残酷だ。 僕は、この小説を批評する言葉を持たない。 だが、ラストのアヤの言葉で心を整理した。 「もしかしたらあの赤ん坊は、 私なのかもしれない。」 無垢な魂を汚した代償は無限大だ。 そのことに対する金原ひとみの洞 . . . 本文を読む
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『神の子どもたちはみな踊る』 村上春樹

2020-08-25 10:18:16 | 
阪神大震災の直後に書かれた 6つの短編小説からなる小説集。 どれも、阪神大震災のことが物語の中に出てくる。 QPは最近、最新作『一人称単数』を読んだばかりであるが、 比較して、『一人称単数』の語り口がいささか重たかった のに対し、こちらはよどみなくすらすらと流れる。 そして、震災という暗いテーマを掲げているにもかかわらず、 感性が瑞々しく、溌溂としている。 僕は、この中で、『蜂 . . . 本文を読む
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『欲望という名の電車』 テネシー・ウィリアムズ

2020-08-17 12:08:04 | 
アメリカ南部の裕福な農園で育った ブランチは、両親の死後、身を持ち崩して町に住めなくなり、 ニューオリンズに住む妹ステラの安アパートに転がり込む。 だが、ステラの夫スタンレーとそりが合わず、 知られたくない過去を暴かれた挙句、 凌辱され、精神病院に収容されるところで幕は閉じる。 僕は、同じ精神障害者としてかなり身につまされて この戯曲を読んだ。 世間の人にとっては、精神病院に入院 . . . 本文を読む
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『一人称単数』 村上春樹

2020-08-10 13:53:40 | 
6年ぶりの村上春樹の短編集でちゅ。 8つの物語からなりまちゅ。 さて、幼児語はこのくらいにして、 今までの作品と比較して、 村上春樹が自分に引きつけて書いた作品が 多かった感じがします。 内容が、今までのエッセイと重複する箇所が多くて、 「あれ?これエッセイじゃなく小説だよな。」 と僕は自分に言い聞かせなくてはなりませんでした。 ファンとしては、どこからどこまでが事実で、 どれ . . . 本文を読む
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『村上ラヂオ』 村上春樹 大橋歩

2020-07-31 13:28:09 | 
この本は、平成12年に雑誌『anan』に一年間連載された 村上春樹のエッセイをまとめたものである。 若い女性が読者、ということは念頭にあったろう。 (作者は、それは意識しないで書きたいことを書いた、 と言っているが、、) おそらく、春樹さんは、若い女性を相手にするとき、 こーゆー話をするんだ。 もてるんだろうな。 うらやまだわ。 大橋歩のエッセイもついていて、 素敵なエッセイ集 . . . 本文を読む
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『蛇にピアス』 金原ひとみ

2020-07-25 15:23:49 | 
多分、今の若い子には読みやすいのであろう、 文学的修飾語の少ない携帯小説のような文体で、 淡々と肉体改造やサドマゾの話が展開していく。 主人公ルイの恋が切ない。 僕は、ルイがさまざまな体験を通して、 人間らしい健康的な生活を取り戻してくれることを 願っていたが、 物語の結末は、それとは真逆な方向に振れてしまった。 それだけに、とても衝撃的だった。 自分の知らない世界とは、そういう . . . 本文を読む
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『ニューヨーク・シティ・マラソン』 村上龍

2020-07-16 14:44:26 | 
1986年発行の村上龍の短編小説集である。 若い頃読んだ本が、Yahoo! Auctionにもメルカリにも 出品されず、本棚で眠っていたのを開いてみた。 読み始めは、正直戸惑った。 僕のおぼろげな記憶によると、 これは良い短編集のはずであった。 なのに、犬を食べる会話や、 男娼が精液を飲み込んだ後、 匂い消しのためタバスコを舐め、 客もチン〇を咥えられたとき、 このほうが刺激 . . . 本文を読む
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『クッキングパパ』(8) うえやまとち

2020-06-23 13:32:14 | 
第8巻、読み終えました。面白かったですね。 そして、また美味しそうな料理がいっぱい出てきました。 今回は、第74話に出てきたコーヒーに焦点を当てます。 戦争に行って帰ってこない夫を待つおばあちゃん。 いつか2人でいっしょに飲もうと、 42年間もコーヒーを断っていたなんて、 泣かせますね。 荒岩主任もそんなおばあちゃんのために 入魂の一杯をたてます。 感動的でしたね。 コーヒー . . . 本文を読む
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『クッキングパパ』(6) うえやまとち

2020-06-09 13:58:12 | 
第6巻、読み終えまちた。 今回も面白かったです。 夢子君の荒岩主任への恋、どうなるんでしょうか? 気持ちはわかるが、主任には愛する妻と子が、、、。 不倫はみんなを不幸にするだけ。 いさぎよく、忘れてしまおう。 いい男は、他にもいるよ! さて、料理の話ですが、 今回は、作ってみたいという料理に巡り合えませんでした。 そこで、第5巻第50話に出てきたスペアリブに挑戦しまちたああ . . . 本文を読む
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『猫を棄てる』 村上春樹

2020-06-04 13:03:08 | 
NHKのテレビ番組にファミリーヒストリーというのがある。 ゲストの芸能人や有名人の両親や祖父母あるいはご先祖様の 生きざまを、歴史資料とともに紹介する番組である。 この本は、主に父親の村上千秋氏の人生について書かれているのだが、 村上版ファミリーヒストリーといった内容である。 千秋氏は京都の安養寺の住職の次男として生を受け、 幼いころから仏教に親しんで育ったにもかかわらず、 先の大戦 . . . 本文を読む
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