キューピーヘアーのたらたら日記

ガンバレ日本!!!TB&コメント大歓迎♪

『くーねる まるた』(1) 高尾じんぐ

2021-04-08 13:47:10 | 
主人公の本名は Maria Marta Cunhel Guloso という。 名前があらわすようにポルトガル人で、 都市工学の勉強のため東京の大学院に留学していたが、 日本が気に入って、卒業後も居ついてしまった。 働いているわけでもなく、勉強しているわけでもなく、 ただ無為にボロアパートで食う寝る生活を送っている。 話はMartaちゃんの食生活を中心に進んでいく。 1話が短い . . . 本文を読む
コメント

『乳と卵』 川上未映子

2021-04-01 13:06:33 | 
東京で一人暮らしをする主人公の元に、 二泊三日の予定で姉の巻子と姪の緑子が遊びに来る。 巻子は東京の形成外科で 豊胸手術のカウンセリングを受けることになっている。 緑子は巻子に対して心を閉ざしていて、 筆談でしか話をしない。 充実した読後感でした。 よかった。 緑子はろくな大人にならないんじゃないかと心配したが、 物語の終わりでは、 この子なら大丈夫、という気がし . . . 本文を読む
コメント

『ランゲルハンス島の午後』 村上春樹 安西水丸

2021-03-22 13:41:48 | 
これは雑誌『クラッシィ』に2年間連載された、 村上春樹のエッセイと安西水丸のイラストを 一冊の本にまとめたものである。 エッセイはどれもユーモアにあふれ、 ほんわかとハートウォーミングであるし、 イラストは額に入れて部屋に飾りたいほど お洒落でセンスがいい。 エッセイが2ページで、イラストも見開き2ページ。 これが25セット。 短い。 あっという間に読み終えてしまう。 . . . 本文を読む
コメント

『クララとお日さま』 カズオ・イシグロ

2021-03-20 10:06:00 | 
子供向けの玩具としてショーウィンドウに並べられた AF(人口親友)のクララは、 ジョジーという病弱な女の子の家に引き取られる。 そこで様々なことを体験し、 一家の一員として新しい環境に馴染んでいくクララは、 やがて命の危機の迫ったジョジーを お日さまに願い出て助ける。 深い。 読み終わった後、 しばらく何も手につかなかった。 読み進むうち、知らず知らずに 僕はクララ . . . 本文を読む
コメント

『イエスの生涯』 遠藤周作

2021-03-06 09:53:17 | 
イエス・キリストの生涯について解説したもの。 キリスト教の良い入門書になりうる。 遠藤周作渾身の作品。 僕のイエス感と大きな違いがなく、 抵抗なくすらすらと読めた。 ただ、イエスの復活に関して、 氏はぼかして書かれていた。 日本の国では、 「イエスは、処刑され一度は死んだものの、 また生き返り弟子たちの前に現れた。」 と声高に叫べば、 「死んだ人間が生き返るわけがないじゃな . . . 本文を読む
コメント

『雪国』 川端康成

2021-02-22 12:56:34 | 
親の財産で遊んで暮らしている妻子持ちの 高等遊民:島村と 島村を一途に愛する芸者:駒子との恋物語。 僕は、初めから終わりまで、 川端康成のある種俳句のような、 何を言ってるのかよくわからない文体に戸惑いながら この小説を読んだ。 でも、文意がよくつかめないのだけれど、 状況描写と心理描写の絶妙なハーモニーが 僕の心を刺してくる。 すごいと思った。 さすが、ノーベル文学賞。 . . . 本文を読む
コメント

『遠い山なみの光』 カズオ・イシグロ

2021-02-14 10:30:48 | 
日本を棄て、イギリスで暮らす主人公:悦子が 過去(戦後間もない長崎での生活)を回想する物語。 悦子と舅:緒方さんの関係が良かったな。 小津安二郎は観たことないけど、 きっとこんななんだろうなって思った。 悦子の友人:佐知子とその娘:万里子の物語は苦しい。 つらい。 日本人の影か。 悦子の影か。 現在の悦子の娘:ニキの物語。 自立した現代の女性の生き方。 我々日本人 . . . 本文を読む
コメント

『よしもとばななドットコム見参!』 よしもとばなな

2021-02-02 13:53:24 | 
これは、よしもとばななの公式ホームページに掲載された よしもとばななの2001年5月10日から 2001年12月31日までの個人的な日記である。 日記であるからして、 よしもとばななの知人、いきつけのお店などの 固有名詞がばんばん登場し、何の説明もない。 読者は想像をたくましくするしかないのだが、 他人の日記を読むのが好きなQPは、楽しく読んでしまった。 かたいことを言うなら、 . . . 本文を読む
コメント

『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』 村上春樹

2021-01-28 14:39:25 | 
短い2編のエッセイと写真からなる村上春樹の旅行記。 前半がスコットランド・アイラ島を訪れたもので、 後半がアイルランドの蒸留所を取材したもの。 いずれも、ウィスキーがテーマである。 美しいエッセイだった。 ウィスキーによりも (飲みながら読んでいたわけではないので、、) 村上春樹の文章に酔ってしまった。 ウィスキーの味を昔の映画女優に例える比喩も、 コアなクラッシック音楽に例え . . . 本文を読む
コメント

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』 村上春樹

2021-01-27 13:22:38 | 
1997年から2009年までのあいだ、 作品で言うなら、『アンダーグラウンド』から 『1Q84』BOOK1、2のあいだ、 村上春樹が内外で受けた18のインタビューが収録されている。 どのインタビューにも春樹さんはまじめに丁寧に、 小説を書く手法や、何を考えて書いているかについて答えている。 内容については、重複を避ける等の理由で、 多少手が加えられているそうだが、 春樹作品の理解が . . . 本文を読む
コメント

『レキシントンの幽霊』 村上春樹

2021-01-07 15:47:13 | 
村上春樹の短編集。 『レキシントンの幽霊』 小説家の主人公は現在アメリカに住んでいる。 ある日、友人に古い邸宅の留守番を頼まれる。 そこで主人公の見たものとは、、、。 『緑色の獣』 夫の留守中、「私」が庭の椎の木を眺めていると、 根元から緑色の獣が這い出してきた。 気色悪い作品。 いったい何が言いたいんだよう。 『沈黙』 ボクシングをやっている温厚な大沢さんだが、 . . . 本文を読む
コメント

『スプートニクの恋人』 村上春樹

2020-12-26 14:01:39 | 
22才の小説家志望のすみれは、 ある日突然、同性のミュウと恋に落ちる。 ミュウの仕事を手伝うようになったすみれだったが、 恋が成就する前にギリシャの小島で失踪してしまう。 すみれの唯一の親友であった「僕」は、 彼女の捜索のため単身ギリシャに向かう。 この小説は、出版されたばかりの頃に一度読んでいた。 だが、その時の感想は特に芳しいというものではなかった。 それなりに面白い小 . . . 本文を読む
コメント

『キッチン』 吉本ばなな

2020-12-05 14:30:41 | 
吉本ばななの本を読むのは3冊目である。 もっと早く彼女の良さに気付けばよかったと後悔している。 が、まあ後追いで吉本ばななの成長を辿るのもいいかな、 という今の気持ちだ。 本作がデビューになるのかな? 才能が光っている。 豊かな感受性と、散文詩のような感情を素直に表現する文体。 キューピーの新しいお気に入りに登録だ。 『キッチン』 たった一人の家族だった祖母を亡くしたみかげは、 . . . 本文を読む
コメント

『うたかた/サンクチュアリ』 吉本ばなな

2020-11-21 14:52:13 | 
ママンの本棚にあったのを見つけて、 借りて読んでみた。 他にも吉本ばななの本が並んでいたので、 おそらく気に入ったのだろうと推察する。 決して才気あふれるといった文章ではないし、 未熟なところもあったが、 訥々と言葉を丁寧に置いていったような文章に 好感を持った。 そして、随所で瑞々しい感性が光り、 題材の選び方も新しくて、読むのが楽しかった。 『うたかた』 主人公: . . . 本文を読む
コメント

『東京奇譚集』 村上春樹

2020-11-07 13:38:22 | 
2005年に発行された村上春樹の短編集。 氏の他の短編集と比較して、 物語の美しさが際立っていたような印象を持った。 以下、簡略なあらすじを読書メモとして書いておく。 『偶然の旅人』 主人公はゲイのピアノの調律師。 ゲイであることが原因で家族と疎遠になる。 ある日、ふとした偶然がきっかけで、 乳癌に悩む女性と知り合い付き合うようになる。 そして、その女性と同じ場所にほくろがある . . . 本文を読む
コメント