天安河の水を塞き止めて

　天尾羽張神は天安河の工事の為に、天若日子の後の使者の選定会議に出席していなかったのです。そこで、思兼神は、ここでの会議の結果を、第３者に選ばれたと言うことを伝えに行く使者を選びます。が、この河の水を引き入れるための工事は総ての道は閉ざされて、通行不能になっており、誰でもが行くことができないのです。道なき道を通ることができる神でなくてはなりません。その神は

　　　　　　　　　　　“天迦久神＜アマノ　カクノカミ＞”
　
　です。“他神不得行＜アダシカミハ　エユカジ＞”行くことが不可能だったのです。特別にこの神がどうして選ばれたのかと云う理由は不明です。多分、＜カク＞ですから、身軽い水の中だろうが切り立った岩の上だろうが、忍者みたいに、道なき道でも、平気で何処でも「身を隠すように」通れる神だったのではなかったのではと私は想像しますが？？？宣長も

　　　　　　　　　　　“名ﾉ義いまだ思いえず”

　詳らかになってないと書いてあります。