火遠理命は三年もの間、何もかも忘れて、綿津見神の宮殿で楽しく過ごしていたのですが。ある日、ふと自分の生まれた懐かしい故郷の事を思い出します。そして自然に出るのが
“大一歎”
です。これをどう読んだらいいのでしょうか??ある本によりますと
「大(イタ)く一とたび歎(ナゲ)きたまいしかば」
とありました。では、また宣長はと思って開いてみますと、これ又ご丁寧に
“意富伎那流那宜伎比登都志賜比伎”
<オホキナルナゲキヒトツシタマヒキ>
として、「一」と書いているのは「大きく一度」と云う意味ではなく、<ヒトツ>と読むべきだとしております。そして、<ナゲキ>は「長息」、即ち、「心にあまりて、こめがたき時には長息<ナゲキ>あり」で、故郷への思いの大変深きゆえにその声も大く一つ口をついて出て来たのだと説明がしてあります。
“大一歎”
です。これをどう読んだらいいのでしょうか??ある本によりますと
「大(イタ)く一とたび歎(ナゲ)きたまいしかば」
とありました。では、また宣長はと思って開いてみますと、これ又ご丁寧に
“意富伎那流那宜伎比登都志賜比伎”
<オホキナルナゲキヒトツシタマヒキ>
として、「一」と書いているのは「大きく一度」と云う意味ではなく、<ヒトツ>と読むべきだとしております。そして、<ナゲキ>は「長息」、即ち、「心にあまりて、こめがたき時には長息<ナゲキ>あり」で、故郷への思いの大変深きゆえにその声も大く一つ口をついて出て来たのだと説明がしてあります。