私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

“亦常世思兼命・・・・”

2018-11-02 09:11:58 | 日記
 アマテラスは、かわいい孫「邇邇藝命」の為に、天宇受売命等五柱や「草那藝剱」等の三種の神器を副えて葦原中国に天降りさせますが、それだけかと思いきや、その他に、こんな人までと思えるような神様まで副えて天降らしめておられます。それが、

          “常世思兼神、手力男神、天石門別神”

 の神です。
 しかし、この三柱の神には「常世」という字が、わざわざに、その前に付いた神様です。此の字が付いた神と付かない神とでは、どう違うのか分かりません。そこでまた、これも宣長先生からですが、その説明をかいつまんで書いてみますと

 「この三柱の神はアマテラスが天の岩戸にお隠れになった時に活躍される神様です。しかし、この時、副えた神様はその神様の
           “現御身<ウツシミ>”
 ではなく、
           “御霊實<ミタマシロ>”
 だ」としてあります。
 要するに、此の時、天降らしたのは、その「御霊<ミタマ>」、即ち、「御神躰」だったと言うのです。
 それは、丁度、伊勢神宮に坐しますのは「天照大神」の御霊<ミタマ>そのもので、天照大神の現御身<ウツシミ>は、あくまでも、現在でも、高天原に坐しますのと同じことなのだと説明してあります。

 その違いを書き現わすために、この場合「常世」という字を付けたいるのだなと思わず
 
           「ガッテン!!」

 しました。


邇邇藝命の天降りですが・・・

2018-11-01 10:59:36 | 日記
 天児屋命や五伴緒<イツトモノヲ>達を連れて天降った「邇邇藝命」かと思ったのですが、アマテラスはやはり女性の神様です。孫が葦原中国でも安心して統治ができるようにと、更に、配慮して、次のような物も持たしたのです。それを古事記では

          “於是副賜其遠岐斯八尺勾璁鏡及草那藝剣・・・”

 と書いております。
 これを宣長は<ココニ カノ オキシ ヤサカノマガタマ、ガガミ マタ クサナギノツルギ ヲ ソエテ>と読んでおります。「カノ」は「其」で、「遠斯」は<オキ>で「招禱(おき)」、だから、「ものを招き寄せる」という意味があり、例のアマテラスが天岩戸にお隠れになった時、その戸外へ誘う時に使った「八尺勾璁・鏡・草那藝剣」も一緒に副えて持って行かせたのです。なお。「斯<シ>」ですが、これは「過ぎ往し事を云う時の辞」だと・・・