広い道路の四つ角を曲がると信号機がある。信号機の真下にはセブンイレブンがある。
朝五時。あまり客は入っていない。
もうすぐ、一年間思いを寄せる彼女がやってくる。
新聞配達の人だ。彼女は、大きなヘルメットをかぶり、いつも走って新聞を持ってきてくれる。
大きな目が印象的で、口元は小さい。小さい口から「お疲れ様です」無邪気に声をかけてくれるのだ。
毎日、毎日、風の日も雨の日も雪の日も。カッパを着て配達をしている姿を見た時は、手伝ってあげたかった。ずぶ濡れになった彼女を見ているとせつなくなる。そこまでして、お金を稼がなければならないのかと思う。
セブンイレブンのドアが開く。彼女が重たそうに新聞を持ってきた。
「おはようございまぁす。お疲れ様です」彼女が微笑む。
「お疲れ様。今日も大変だね」僕は、いつものように話しかける。目をそらす。好きだと悟られないように。
「ありがとうございまぁす」新聞が店頭に並べ終わり、急いで帰ろうとする。
「あっ待って。これ、あげる」僕は、暖かい缶コーヒーを手渡した。前もってホットコーヒーを彼女のために買っておいたのだ。少し手が触れた。冷たい手だった。
「ありがとう。優しいですね。」ニコッと口元が緩んだ。思わず好きだと言葉に出そうになったが、口を閉じた。
「そんなことはないよ。君が喜ぶとうれしいだけだよ。」
「ありがとうございまぁす」顔が赤くなって照れていた。ホットコーヒーを飲んだからかもしれない。飲み終えるとそのまま何事もなかったように、帰って行った。
明日も彼女はやってくる。明日はどんな話をしよう。
外は、夜が明けていた。いつもとは違った朝だった。
朝五時。あまり客は入っていない。
もうすぐ、一年間思いを寄せる彼女がやってくる。
新聞配達の人だ。彼女は、大きなヘルメットをかぶり、いつも走って新聞を持ってきてくれる。
大きな目が印象的で、口元は小さい。小さい口から「お疲れ様です」無邪気に声をかけてくれるのだ。
毎日、毎日、風の日も雨の日も雪の日も。カッパを着て配達をしている姿を見た時は、手伝ってあげたかった。ずぶ濡れになった彼女を見ているとせつなくなる。そこまでして、お金を稼がなければならないのかと思う。
セブンイレブンのドアが開く。彼女が重たそうに新聞を持ってきた。
「おはようございまぁす。お疲れ様です」彼女が微笑む。
「お疲れ様。今日も大変だね」僕は、いつものように話しかける。目をそらす。好きだと悟られないように。
「ありがとうございまぁす」新聞が店頭に並べ終わり、急いで帰ろうとする。
「あっ待って。これ、あげる」僕は、暖かい缶コーヒーを手渡した。前もってホットコーヒーを彼女のために買っておいたのだ。少し手が触れた。冷たい手だった。
「ありがとう。優しいですね。」ニコッと口元が緩んだ。思わず好きだと言葉に出そうになったが、口を閉じた。
「そんなことはないよ。君が喜ぶとうれしいだけだよ。」
「ありがとうございまぁす」顔が赤くなって照れていた。ホットコーヒーを飲んだからかもしれない。飲み終えるとそのまま何事もなかったように、帰って行った。
明日も彼女はやってくる。明日はどんな話をしよう。
外は、夜が明けていた。いつもとは違った朝だった。
「好きだと悟られないように」「少し手が触れた。冷たい手だった。」…ふたりの間に流れる空気が、そこだけ切り取られて読者に迫ります…。
明日(7/15)は貴方にとって、特別な日ですよね?すてきな1日になりますように!
特別な日って、そうですよね。誕生日ですよね。もう二十五歳にもなるんですよね。彼女がいれば祝ってもらえるんでしょうけど。寂しいですね。