恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

12.星空

2009年05月22日 | 若い恋
 理沙は朝からベランダに干してある洗濯物を取り込んでいる。
 隆はその姿を見てテレビをつけた。プロ野球の阪神対巨人があっていて、巨人が一点リードしている。
 「隆、テレビばかり見てないでさ。自分の洗濯物くらい自分でたたんでよ。」理沙が不機嫌に隆の隣に座った。
 「それって女の仕事だろ。俺仕事で疲れてるんだから。」隆がゴロッと寝そべった。
 「女の仕事って決まってないわよ。今は、昔と違うんだからね。」理沙がトランクスを隆の前に投げやった。
 「おい、やめろよな。」隆は疲れてなのか機嫌が悪い。理沙も負けじと洗濯物を次から次へと投げやる。
 「もういいよ。」隆は怒って部屋を出て行った。俺は疲れてるんだから、何もしたくないよ。ネオンが光り輝いているパチンコ屋に入った。理沙の機嫌が治まるまでここで時間をつぶそう。
 一時、パチンコを打っていると、理沙が迎えに来た。
 今日は、少し出ていたので、チョコレートの景品と交換をして、仕方なく理沙と帰る事にした。パチンコ屋を出ると、夏の生温い風が吹き抜けた。
 「隆、昔はあんなに手伝ってくれてたのに、今は何もしないじゃない。隆は仕事で疲れていると思うけど、私も疲れてるんだよ。お互い気遣っていかなくちゃ。これから先やっていけるか分かんない。」理沙は今にも泣き出しそうだった。こんなにも追い詰めていたとは知らなかった。後ろから自転車に乗っているおじさんがブレーキをかけ、キキィという音が響いている。
 「そうか。ごめんな。これから俺もちゃんと手伝うよ。」隆が理沙の頭を撫でた。理沙が頷いた。
 家までの帰り道、手をつなぎ見上げると星が降りそうな夜だった。
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2 コメント

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理想 (ぽゆ子)
2009-06-07 22:36:48
こういうカップルなら
きっとずっとうまくいくよ。

お話には
作者の心が現れるよね。

つまり

あなたがここにいる。

あなたは理想の男性像を

ちゃんと描けて
実際にも
そういう人なんだと思います。

そういう人は
必ず幸せになれますよ^^v
返信する
幸せ。 (kibooo)
2009-06-09 20:45:49
 確かに喧嘩してもすぐに仲直り出来る様なカップルがいいですよね。

 私も理想です。

 手をつなぎ見上げると星が降りそうな夜だった。

 皆さんの心の中にも星空を。
返信する

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