浮気ばかりしていた彼氏と別れてやった。電信柱に張ってあるチラシにレンタル彼氏という気になる記事を見つけた。
かっこいい男がたくさん載っている。この中から選んでデートをしてくれるという事だった。ホストとは違うみたいだ。
早速電話した。アナウンサーの様な声の男が受け答えをしている。
次の週の日曜日にタクヤと待ち合わせをした。予約ナンバーワンの男みたいだ。確かに、見た目は26くらいかな。金額は、5万3千円。OLの給料は安いが、憂さ晴らしにはいいかもしれない。若い男と遊ぶのも悪くないなと思っていた。
映画館の前で待ち合わせ。午後3時から午後9時までの6時間だった。
「待った?カズミ。」なれなれしく声をかけられた。すでにデートがはじまったようだ。
「もう、遅いんだから。」こんな感じでいいのだろうか。振り返ると、茶髪のロンゲ、目はブルーのコンタクト、細マッチョのタクヤが立っていた。写真より、感じが良く、かっこよかった。
「じゃー早速映画でも見る?」
「うん。」タクヤが手を引っ張って、映画館の中へ入る。チケットもスマートに買い、ドアも開けてくれた。周りが色鮮やかにキラキラと輝いている。
「愛と共に去る」という訳が分からないフランス映画だった。サスペンスあり、ロマンスありで、結構見応えがあったが、横に座っているタクヤの顔をずっと見ていて、映画どころではなかった。映画が半分くらい経つと手と手が触れ、タクヤがギューと握った。昔、忘れた初恋の様にうっとりとしていた。タクヤから香水の甘い香りもしている。何もかもがパーフェクトだ。
二時間、ドキドキして、やっと映画が終わった。
「それじゃ、ご飯でも食べに行こう。」と言って、また手を引っ張った。まるでさっきの映画のヒロインの様な感じがした。
近くにあるフランス料理の店に入る。タクヤが何か緊張している様子だった。
「勢いで、入ったけど、料理の食べ方とか分からないんだよね。」メニューを見ながら呟いた。
「うふふふ。そういう面もお茶目なんだから。」そういうやり取りも会社のマニュアルにでも書いてあるのだろうか。カズミが、フォークの使い方やナイフの使い方を教えてあげた。
「まったく。大変だね。食べた気がしないや。牛丼食べに行けばよかった。」とタクヤが言った。カズミはその姿を見て、かわいいっと思った。
「ふうー。やっと全部食べた。早くどっか行きたい。」タクヤが見つめてきた。青い目に吸いよせられる。
「次は、私が決めていい?」
「もちろん。」
「近くにある夜景が綺麗な所があるから行ってみない?」
「いいよ。行こう行こう。」お会計はタクヤがいつの間にか払っていた。さっきトイレに行った時だろうか。子供の様で紳士的な態度がグッと来た。歩いて20分の所に山になっている所があり登った。
「結構、階段きついね。カズミ大丈夫?」
「大丈夫だよ。」私の事をこんな風に気遣ってくれた人は今までいただろうか。だんだん好きになって行った。二人寄り添って、山の天辺まで登った。
「ふぅーやっと着いたね。」カズミが言った。
「スゲー夜景だね。」見渡すと、百万ドルまではいかないが、綺麗な夜景が広がっている。
「お気に入りのスポットなんだよね。」とカズミが言った。タクヤの横顔を見る。芸能人の様にかっこよかった。このまま時が止まればいいのに。隣に若いカップルがいて、キスをしているのが見えた。
「キスしてもいい?」カズミが聞く。
「もちろん。いいよ。」夜景を後ろに、二人の顔が近づく。その時、灯台の時計が九時を合図した。タクヤが顔を離した。
「ごめん。九時までなんだよね。」
「何?」
「あれっ?忘れちゃった?これレンタルなんだよね。」と言った。
そうだった。お金を払い借りている彼氏だった。もう、いい所なのに。キスだけでもしてくれたら良いのに。
「お金払うから、キスだけでもしてくれない?」
「うーん。オプションがついちゃうから駄目なんだよね。」さっきのいい男のタクヤはそこにはいなかった。やっぱりレンタル彼氏だったのだ。
「分かったわ。5万3千円だったわよね。」と言ってお金を払った。
「ありがとうございます。またのご利用お待ちしてますね。」と言って、タクヤが唇に軽いキスをした。これは、おまけなのだろうか。ますます好きになっていく。
「次、いつ会える?」タクヤの後ろ姿を見て叫んだ。手を振り「会社の方に電話してくださーい。」と言った。
「もう。」と言って携帯を取り出して電話する。
「お電話ありがとうございます。レンタル彼氏のノブナガと申します。」
「もう一度、タクヤをレンタルしたい。」
「タクヤは、レンタルナンバーワンでして、一カ月ほど予約をお待ちいただいている状況です。」
「もう、今すぐ借りたいんですが。」
「そういうお客様はたくさんいらっしゃいますので、基本料金に10万円プラスしていただけたら何とかなるかと思います。」アナウンサーの声の男がマニュアル通りに答えた。
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かっこいい男がたくさん載っている。この中から選んでデートをしてくれるという事だった。ホストとは違うみたいだ。
早速電話した。アナウンサーの様な声の男が受け答えをしている。
次の週の日曜日にタクヤと待ち合わせをした。予約ナンバーワンの男みたいだ。確かに、見た目は26くらいかな。金額は、5万3千円。OLの給料は安いが、憂さ晴らしにはいいかもしれない。若い男と遊ぶのも悪くないなと思っていた。
映画館の前で待ち合わせ。午後3時から午後9時までの6時間だった。
「待った?カズミ。」なれなれしく声をかけられた。すでにデートがはじまったようだ。
「もう、遅いんだから。」こんな感じでいいのだろうか。振り返ると、茶髪のロンゲ、目はブルーのコンタクト、細マッチョのタクヤが立っていた。写真より、感じが良く、かっこよかった。
「じゃー早速映画でも見る?」
「うん。」タクヤが手を引っ張って、映画館の中へ入る。チケットもスマートに買い、ドアも開けてくれた。周りが色鮮やかにキラキラと輝いている。
「愛と共に去る」という訳が分からないフランス映画だった。サスペンスあり、ロマンスありで、結構見応えがあったが、横に座っているタクヤの顔をずっと見ていて、映画どころではなかった。映画が半分くらい経つと手と手が触れ、タクヤがギューと握った。昔、忘れた初恋の様にうっとりとしていた。タクヤから香水の甘い香りもしている。何もかもがパーフェクトだ。
二時間、ドキドキして、やっと映画が終わった。
「それじゃ、ご飯でも食べに行こう。」と言って、また手を引っ張った。まるでさっきの映画のヒロインの様な感じがした。
近くにあるフランス料理の店に入る。タクヤが何か緊張している様子だった。
「勢いで、入ったけど、料理の食べ方とか分からないんだよね。」メニューを見ながら呟いた。
「うふふふ。そういう面もお茶目なんだから。」そういうやり取りも会社のマニュアルにでも書いてあるのだろうか。カズミが、フォークの使い方やナイフの使い方を教えてあげた。
「まったく。大変だね。食べた気がしないや。牛丼食べに行けばよかった。」とタクヤが言った。カズミはその姿を見て、かわいいっと思った。
「ふうー。やっと全部食べた。早くどっか行きたい。」タクヤが見つめてきた。青い目に吸いよせられる。
「次は、私が決めていい?」
「もちろん。」
「近くにある夜景が綺麗な所があるから行ってみない?」
「いいよ。行こう行こう。」お会計はタクヤがいつの間にか払っていた。さっきトイレに行った時だろうか。子供の様で紳士的な態度がグッと来た。歩いて20分の所に山になっている所があり登った。
「結構、階段きついね。カズミ大丈夫?」
「大丈夫だよ。」私の事をこんな風に気遣ってくれた人は今までいただろうか。だんだん好きになって行った。二人寄り添って、山の天辺まで登った。
「ふぅーやっと着いたね。」カズミが言った。
「スゲー夜景だね。」見渡すと、百万ドルまではいかないが、綺麗な夜景が広がっている。
「お気に入りのスポットなんだよね。」とカズミが言った。タクヤの横顔を見る。芸能人の様にかっこよかった。このまま時が止まればいいのに。隣に若いカップルがいて、キスをしているのが見えた。
「キスしてもいい?」カズミが聞く。
「もちろん。いいよ。」夜景を後ろに、二人の顔が近づく。その時、灯台の時計が九時を合図した。タクヤが顔を離した。
「ごめん。九時までなんだよね。」
「何?」
「あれっ?忘れちゃった?これレンタルなんだよね。」と言った。
そうだった。お金を払い借りている彼氏だった。もう、いい所なのに。キスだけでもしてくれたら良いのに。
「お金払うから、キスだけでもしてくれない?」
「うーん。オプションがついちゃうから駄目なんだよね。」さっきのいい男のタクヤはそこにはいなかった。やっぱりレンタル彼氏だったのだ。
「分かったわ。5万3千円だったわよね。」と言ってお金を払った。
「ありがとうございます。またのご利用お待ちしてますね。」と言って、タクヤが唇に軽いキスをした。これは、おまけなのだろうか。ますます好きになっていく。
「次、いつ会える?」タクヤの後ろ姿を見て叫んだ。手を振り「会社の方に電話してくださーい。」と言った。
「もう。」と言って携帯を取り出して電話する。
「お電話ありがとうございます。レンタル彼氏のノブナガと申します。」
「もう一度、タクヤをレンタルしたい。」
「タクヤは、レンタルナンバーワンでして、一カ月ほど予約をお待ちいただいている状況です。」
「もう、今すぐ借りたいんですが。」
「そういうお客様はたくさんいらっしゃいますので、基本料金に10万円プラスしていただけたら何とかなるかと思います。」アナウンサーの声の男がマニュアル通りに答えた。
↓のレンタル彼女も彼氏も、
これからの世の中は、現実に有りうるのかもしれませんね。
なんか、ちょっと怖いことですが、
お話はとても面白くて一気に読んでしまいました。
テレビであっていたので、小説みたいだなと思い、大げさにして、書いてみました(笑)
本当に良い世の中になっているのかなと疑問が湧きますが、引きこもりの人にとっては、世の中に出るきっかけになりそうだなと思いますよ。
レンタル彼女の最後に出て来た女性ですね!
う~う~う~~おもしろいです~
実は二作目書き上がりました、キーボーさんの所にお邪魔して勉強させて頂きました
明日出しますのでよろしくお願いします!
ブログって、こういう物語が一話一話出来るから、嬉しいですね。
小説だと出来なそうな気がします。
星新一を目指して頑張ります。
是非、二作目見に行きますね~。(笑)