放課後の学校は、生徒がいるにもかかわらず、なぜか薄っすらとしている。
夕暮れ時で、野球部の「さーこーい。」という掛け声が時折、運動場から聞こえてくる。
もうすぐ文化祭で、居残りで準備をしていた。出し物はよく分からないばぁさんが毒リンゴを持って、狼を退治するような喜劇のようだった。段ボールで、木を作ったり、葉っぱを形どったものがざっくばらんに散らばっていた。
隣の男子は、段ボールを刀に見立てて、切り合ってふざけあっている。それを見かねた学級委員長のヨシコが「文化祭に間に合わないから、ふざけないで、手伝ってよ。」と促している。
リュウは、ひたすら段ボールの色を塗っている。隣で組み立ててるアスカもテキパキと動いていた。
もう日が落ちている。
ふざけていた男子、モリオとシンヤが、何を思ったのか、理科室まで、肝試しに行かないかと提案してきた。
俺たちは三年だったので三階いて、理科室は、二階にある。
ヨシコが「馬鹿なこと言わないで、早く終わらせないと間に合わないよ。」と言った。
その後、モリオが「理科室の幽霊の話気にならないか。人体模型が動き出して、暗い廊下で、後ろを振り返ると、やだなぁー。怖いなー。怖いなー。」と稲川淳二みたいな話し方で言ってくる。
「やめてよ。」アスカが横から言った。怖い話は、苦手のようである。
シンヤが後ろから布をかぶって、アスカに「わっ。」と驚かして、モリオとシンヤが笑った。
「もう。」と言って、横にあった段ボールの刀で、モリオを切る真似をした。モリオが「やられた―。」と言って、倒れこむ。
結局、さぼりたいだけのようである。
その後、担任の先生が来て、今日はここまでと言った。
いつの間にか野球部の声も聞こえなくなり、周りは暗くなっていた。窓の隙間からヒンヤリとした風が入って来て、教室に貼ってある連絡事項の紙を揺らしていた。階段の電気がチカチカとつきはじめた。
ヨシコとアスカが段ボールを片付け、後ろにある机と椅子を元通りの配置に戻している。リュウも机を並べた。
シンヤがほうきを持って、モリオが段ボールで作ったボールを投げて、また遊んでいる。一時すると、廊下を用務員のおじさんが、周っていて、「はよ―帰れよ。」と促した。
片付けが終わり、アスカとヨシコが鞄を持ち、教室の電気を消した。真暗になり、廊下の電気だけ点いている。
みんなで、階段を下りる。降りるとき、窓に誰か映った気がしたが、シンヤのとぼけた顔だった。
一階に降りて、職員室の前を通ると先生たちの声が、聞こえて来て安心した。一人の先生が、私たちを見つけると「さよなら。気をつけてな。」と言っている。ヨシコとアスカがお辞儀をした。
「先生さようなら。」とシンヤとモリオが走って、玄関でつまづきそうになった。
もうすぐ、最後の文化祭が始まる。このメンバーと一緒にいられるのも最後である。
夕暮れ時で、野球部の「さーこーい。」という掛け声が時折、運動場から聞こえてくる。
もうすぐ文化祭で、居残りで準備をしていた。出し物はよく分からないばぁさんが毒リンゴを持って、狼を退治するような喜劇のようだった。段ボールで、木を作ったり、葉っぱを形どったものがざっくばらんに散らばっていた。
隣の男子は、段ボールを刀に見立てて、切り合ってふざけあっている。それを見かねた学級委員長のヨシコが「文化祭に間に合わないから、ふざけないで、手伝ってよ。」と促している。
リュウは、ひたすら段ボールの色を塗っている。隣で組み立ててるアスカもテキパキと動いていた。
もう日が落ちている。
ふざけていた男子、モリオとシンヤが、何を思ったのか、理科室まで、肝試しに行かないかと提案してきた。
俺たちは三年だったので三階いて、理科室は、二階にある。
ヨシコが「馬鹿なこと言わないで、早く終わらせないと間に合わないよ。」と言った。
その後、モリオが「理科室の幽霊の話気にならないか。人体模型が動き出して、暗い廊下で、後ろを振り返ると、やだなぁー。怖いなー。怖いなー。」と稲川淳二みたいな話し方で言ってくる。
「やめてよ。」アスカが横から言った。怖い話は、苦手のようである。
シンヤが後ろから布をかぶって、アスカに「わっ。」と驚かして、モリオとシンヤが笑った。
「もう。」と言って、横にあった段ボールの刀で、モリオを切る真似をした。モリオが「やられた―。」と言って、倒れこむ。
結局、さぼりたいだけのようである。
その後、担任の先生が来て、今日はここまでと言った。
いつの間にか野球部の声も聞こえなくなり、周りは暗くなっていた。窓の隙間からヒンヤリとした風が入って来て、教室に貼ってある連絡事項の紙を揺らしていた。階段の電気がチカチカとつきはじめた。
ヨシコとアスカが段ボールを片付け、後ろにある机と椅子を元通りの配置に戻している。リュウも机を並べた。
シンヤがほうきを持って、モリオが段ボールで作ったボールを投げて、また遊んでいる。一時すると、廊下を用務員のおじさんが、周っていて、「はよ―帰れよ。」と促した。
片付けが終わり、アスカとヨシコが鞄を持ち、教室の電気を消した。真暗になり、廊下の電気だけ点いている。
みんなで、階段を下りる。降りるとき、窓に誰か映った気がしたが、シンヤのとぼけた顔だった。
一階に降りて、職員室の前を通ると先生たちの声が、聞こえて来て安心した。一人の先生が、私たちを見つけると「さよなら。気をつけてな。」と言っている。ヨシコとアスカがお辞儀をした。
「先生さようなら。」とシンヤとモリオが走って、玄関でつまづきそうになった。
もうすぐ、最後の文化祭が始まる。このメンバーと一緒にいられるのも最後である。
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