MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.002 「男たちの大和/YAMATO」 (2005年 日本 143分 シネスコ)

2006-01-09 00:42:15 | 2006年劇場鑑賞
監督 佐藤純彌
出演 反町隆史
    中村獅童
    松山ケンイチ



「戦艦大和」と言えば、昔プラモデルのウォーターラインシリーズなどのプラモデルを良く作りましたね。
かなりデカイ模型何かも売っててプラモデル店のウィンドウによく飾っていた・・・だいたい店のウィンドウに軍艦が飾ってれば大和でしたね。
まぁ、それほど今だに日本の戦艦=大和と言われるぐらい日本を代表する船だったんですね。
その割にはこの大和を題材にした映画って少なかったように思いますね
「連合艦隊」て映画はあったけど大和を題材と言うより太平洋戦争全体的な物語だったし・・・

この作品は実物大に再現された大和のセットが話題を呼んでいただけあってスタジオでのセットにない臨場感のある映像はさすがでしたね。
多少CGは甘いとこもあるが、邦画にしては実にうまく出来てると思いまいたよ。
戦闘シーンは大きく分けて2回あるけど、中盤で描かれるレイテ沖海戦の場面の戦闘シーンは何ともショボイ感じで「相変わらずアカンなぁ~クライマックス大丈夫かいな・・・」
昨今の戦争映画の戦闘場面はS・スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」以降は徹底したリアリズムな迫力で描かれるパターンが多いので{迫力}と言う点では結局は所詮邦画の特撮止まりか・・・と感じてたが、クライマックスの大和が沖縄へ向かう途中に米軍に攻撃される場面はそれは戦闘シーンと言うよりは玉砕シーンと言った方が当てはまりそうなノーガードで成すがまま状態!
スクリーンが終始真っ赤な鮮血で彩られる悲惨な地獄絵巻を見せてくれます。
血しぶきを上げて数十人の兵隊が悶絶し倒れこみ、階段を何重にも折り重なり合って人が転がり落ちてくるし、爆風で数名の人間が木っ端微塵に吹き飛ばされる・・・これを手持ちカメラのブレた映像で見せ、しっかりそう言う意味では「プライベート・ライアン」してます。
日本の戦争映画でこんなに壮絶な描写はさすがに過去には無かったですね。
そして死んで行くほとんどが十代の若者たち・・・それまでのエピソードの流れがあるだけに、この戦闘場面は辛く悲惨に思えてくる

反戦映画て意味ではその戦闘場面を一つ取って見ても戦争が愚かしくも残虐な行為だと言うのが感じ取れるのだが、しかし単に反戦と言う意味だけでなく、これはその時代に生きてきた人間の運命の物語て感じがします。
「戦争」「大和」と言うものに対し、その運命に立ち向かって生きてきた少年兵やその家族や恋人たちの群像劇でもあると感じました。
現代の場面で年老いて漁師をしてる神尾(仲代達也)に付いてる少年が大和の若い乗組員は自分と同じような年齢で乗船していた事を知り絶句する場面が出てくるが、もしこの少年があの時代に生まれていたら・・・・逆にあの時代の若者がこの現代に生まれていたら・・・そう思うと本当に運命と言うものを感じてしまいます。
その運命に対し一生懸命生きていく大切さ、今の大切なモノを守る気持ち、たまたまあの戦時下に生まれ生きてきて大和と共に運命を共にした人たちからのメッセージを感じます。

互いに想いを寄せ合う若き日の神尾(松山ケンイチ)と同級生の妙子(蒼井優)とのエピソードも時代が違えば楽しい青春を送れていたんだろう・・・などと思ってしまうんだけど彼らもその時代の青春を一生懸命生きている。
特に妙子の明るい笑顔が可愛らしいほどそんな事を思うと痛々しく感じてしまうのです。

大和の甲板の黒板に書かれた「死二方用意」て文字が胸に気ますね
国家の為に命を捧げるのが当たり前の時代に様々な思いを抱き大和とともに運命を共にした若者たちの物語

ところで映画を見てる途中からややピントがボケて来た・・・見れない事はないんだが、あきらかにソフトフォーカス!結局最後まで直らずだった。
後半登場する渡哲也はソフトフォーカスのままでしたわ
鑑賞した劇場は町の昔ながら2番館的な劇場・・・ま、苦笑いで済ましておこう



★★★★ 2006.1.7(土) タナベキネマ 21:20 後方3列目中央