監督 アンドレイ・ネクラーソフ
今日は普段は行かない北方面の劇場。
第七藝術劇場と言うミニシアターで昨年暮れ「いのちの食べ方」で初めて足を運んだところです。
その時予告で見て興味をそそられた2本を連続での鑑賞となります。
まず最初が「暗殺 リドビネンコ事件」と言うドキュメンタリー映画です。
十三の歓楽街のど真ん中にあり、飲食店やボウリング場などが入る雑居ビルの6階にある第七藝術劇場ですが館内はすでに入場を待つ列が出来てます。
客層はやはり普段ロードショー系のシネコンとは違い、アダルトな雰囲気で知的な文化系の臭いのする方々が多いですね。
「ホステル」「ヒルズハブアイズ」で熱狂するようなグロ派の私とは対照的です。
間違っても天六シネ5ビルには近付いたりはしそうにない・・・まさにアート系って感じです。(男中心のホラー映画のむさ苦しい雰囲気は微塵もなし)
そんな個人的にややアウェーな雰囲気で見たこの映画は果たして・・・
(あらすじ)
モスクワのアパート爆破事件は、チェチェンによるテロではなくロシア側の工作だったと主張した元FSB(ロシア連邦保安庁)のリトビネンコが、イギリスで放射性物質ポロニウム210によって暗殺される。
2001年に政治難民としてイギリスに移住していた彼は、チェチェン戦争の真相や、FSBの実像とプーチンとのつながりを、カメラの前で赤裸々に語っていた。
ドキュメンタリー映画と言う事でどうしても淡々とした雰囲気を想像してたんだが、たしかに劇映画のような派手さはないけど、その内容の怖さについつい画面に引き込まれました。
テレ朝の「報道ステーション」などで見たベッドに横たわる痩せこけたリトビネンコ氏の写真ぐらいしか印象に無かったこの事件なんですが、作品の中で語られる様々な証言はロシアと言う国にある種の恐怖感を覚えるほどです。
この映画はリドビネンコ氏が暗殺されてから企画され素材を各方面から寄せ集めて作られた通り一辺倒なドキュメンタリー映画ではなく、アンドレイ・ネクラーソフ監督自ら10年近くも前から関係者に接触し実際に監督が生前のリトビネンコ氏にインタビューし、ロシア政府や秘密警察などが様々な事件やテロのでっちあげをしていた事を聞き出しているのが大きな特長で、一層リトビネンコ氏の暗殺と言う事件が見てる我々にリアルに伝わってきます。(アンドレイ・ネクラーソフ監督は何と病室まで付きそってる!)
また名指しでプーチン大統領始め 実際の閣僚などの裏の顔の仕事を暴露したり、プーチン政権がチェチェン侵攻のためにテロをでっち上げだとか、そしてアパート爆破事件やあの体育館爆破事件が国によるヤラセで、あの体育館事件の犯人の一人はプーチン政権で働いていると言う証言が出たりして、知らなかったような事柄が次々と出てきて「これはロシアでは公開できないな~」と思いましたな。
まさにプーチン政権の“闇”というものがこの作品を通して見え隠れしているかのようです。
また体育館爆破事件の証言をインタビューで語った女性ジャーナリストが後に殺害されたりして、まるでドキュメンタリーなんだけどサスペンススリラーを見てるかのようで、収録された証言は過去に撮影されたものだとはいえ、リアルタイムサスペンスのように現実的な怖さを感じる。
ホント下手なサスペンス映画よりもズッ~と恐い映画ですね・・・ほんとにプーチンに逆らう者は実際に死んでるんやから・・・
実際どこまで真実かは定かではないが、しかし全て嘘でないとも思います。
リトビネンコ氏がポロニウム210と言う放射物質を飲まされると言う特殊な毒で殺されたと言うだけでも、ただならぬ連中が絡んでそうだからね~
☆☆☆☆☆ 2008.3.6(木) 第七藝術劇場 16:40 4列目
今日は普段は行かない北方面の劇場。
第七藝術劇場と言うミニシアターで昨年暮れ「いのちの食べ方」で初めて足を運んだところです。
その時予告で見て興味をそそられた2本を連続での鑑賞となります。
まず最初が「暗殺 リドビネンコ事件」と言うドキュメンタリー映画です。
十三の歓楽街のど真ん中にあり、飲食店やボウリング場などが入る雑居ビルの6階にある第七藝術劇場ですが館内はすでに入場を待つ列が出来てます。
客層はやはり普段ロードショー系のシネコンとは違い、アダルトな雰囲気で知的な文化系の臭いのする方々が多いですね。
「ホステル」「ヒルズハブアイズ」で熱狂するようなグロ派の私とは対照的です。
間違っても天六シネ5ビルには近付いたりはしそうにない・・・まさにアート系って感じです。(男中心のホラー映画のむさ苦しい雰囲気は微塵もなし)
そんな個人的にややアウェーな雰囲気で見たこの映画は果たして・・・
(あらすじ)
モスクワのアパート爆破事件は、チェチェンによるテロではなくロシア側の工作だったと主張した元FSB(ロシア連邦保安庁)のリトビネンコが、イギリスで放射性物質ポロニウム210によって暗殺される。
2001年に政治難民としてイギリスに移住していた彼は、チェチェン戦争の真相や、FSBの実像とプーチンとのつながりを、カメラの前で赤裸々に語っていた。
ドキュメンタリー映画と言う事でどうしても淡々とした雰囲気を想像してたんだが、たしかに劇映画のような派手さはないけど、その内容の怖さについつい画面に引き込まれました。
テレ朝の「報道ステーション」などで見たベッドに横たわる痩せこけたリトビネンコ氏の写真ぐらいしか印象に無かったこの事件なんですが、作品の中で語られる様々な証言はロシアと言う国にある種の恐怖感を覚えるほどです。
この映画はリドビネンコ氏が暗殺されてから企画され素材を各方面から寄せ集めて作られた通り一辺倒なドキュメンタリー映画ではなく、アンドレイ・ネクラーソフ監督自ら10年近くも前から関係者に接触し実際に監督が生前のリトビネンコ氏にインタビューし、ロシア政府や秘密警察などが様々な事件やテロのでっちあげをしていた事を聞き出しているのが大きな特長で、一層リトビネンコ氏の暗殺と言う事件が見てる我々にリアルに伝わってきます。(アンドレイ・ネクラーソフ監督は何と病室まで付きそってる!)
また名指しでプーチン大統領始め 実際の閣僚などの裏の顔の仕事を暴露したり、プーチン政権がチェチェン侵攻のためにテロをでっち上げだとか、そしてアパート爆破事件やあの体育館爆破事件が国によるヤラセで、あの体育館事件の犯人の一人はプーチン政権で働いていると言う証言が出たりして、知らなかったような事柄が次々と出てきて「これはロシアでは公開できないな~」と思いましたな。
まさにプーチン政権の“闇”というものがこの作品を通して見え隠れしているかのようです。
また体育館爆破事件の証言をインタビューで語った女性ジャーナリストが後に殺害されたりして、まるでドキュメンタリーなんだけどサスペンススリラーを見てるかのようで、収録された証言は過去に撮影されたものだとはいえ、リアルタイムサスペンスのように現実的な怖さを感じる。
ホント下手なサスペンス映画よりもズッ~と恐い映画ですね・・・ほんとにプーチンに逆らう者は実際に死んでるんやから・・・
実際どこまで真実かは定かではないが、しかし全て嘘でないとも思います。
リトビネンコ氏がポロニウム210と言う放射物質を飲まされると言う特殊な毒で殺されたと言うだけでも、ただならぬ連中が絡んでそうだからね~
☆☆☆☆☆ 2008.3.6(木) 第七藝術劇場 16:40 4列目