MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.046 「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」(2009年 108分 シネスコ)

2010-06-05 00:55:01 | 2010年劇場鑑賞
監督 ジョニー・トー
出演 ジョニー・アリディ
   アンソニー・ウォン
   サイモン・ヤム



今日は梅田からなんばに移動という珍しいハシゴに挑戦です
まずは梅田からスタートで久々の・・・と言うより滅多に行かないシネリーブル梅田での鑑賞です。
「エグザイル 絆」が記憶に新しいジョニー・トー監督の作品で、たしか大阪で開催された映画祭で上映されてましたね。
そこにジョニー・トー監督自身が来て舞台挨拶していたようです。

(あらすじ)

腕利きの殺し屋だった過去を持つフランス料理店オーナーのコステロ(ジョニー・アリディ)は、最愛の娘とその家族が何者かに惨殺されたことを知らされる。
身マカオへ乗りこんだ彼は、異国の地で出会った3人の殺し屋たちと手を組み、娘の敵を討つことを誓う。
しかし、かつて頭に銃弾を受けたことのある彼は徐々に記憶を失い始めていた……



フランス人俳優のジョニー・アリディを使い、そこにお得意の香港ノワールな世界を展開させる。
違和感なくジョニー・アリディがこの世界に溶け込んでいるので、トー作品ではお馴染のアンソニー・ウォン、サイモン・ヤムらとの絡みもいつものトー作品となんら変わらないいつもの世界観がいいですね。

スタイリッシュな映像と劇画チックな描写はいつもながらの香港映画独得のクサさ!
肯定的に見ればたまらなく渋くてカッコいいし、否定的な見方をすれば一言・・・笑ってしまう・・・でもこれが香港映画って感じで私は好きです。
その先駆け?的なジョン・ウーが世界の巨匠になってしまったので、ジョニー・トー監督にはB級映画の巨匠のままで居ててほしい願ってしまうのです。
間違ってもトム・クルーズを主演に持ってきたりした映画は似つかわしくないぞ!

この映画の面白いところは復讐を誓った主人公が少しづつ記憶を無くしていくと言う設定で、しかも復讐をすると言う事でさえ忘れてしまう切なさ・・・そんな主人公に雇われた3人の殺し屋が雇い主である主人公が記憶と共に復讐さえも忘れたにもかかわらず、「約束したこと・・・」と例え記憶を無くした主人公には無意味な復讐であっても仁義を通し、銃弾の中に身を投じて行く姿はバツグンにカッコいいですね。



持ちろんアンソニー・ウォン、サイモン・ヤムと言った個性的なメンツもいつもながらのキャラで不細工なオッサンなんだけど、これまたどこかカッコいいね。
ピストルに書かれた標的の名前や、ボーイスカウト?が配るワッペンなど小道具が上手く利用されている。
また殺し屋がテーブルを囲んで食事をするシーンがいつもながら登場するのも面白いですね~
トー作品でいつも描かれるぶっきら棒で厳ついオッサンらが醸し出す“寡黙なダンディズム”が今回もいい感じで表現されてます。
ジョニー・トー監督作の好きな人にはますます“惚れて”しまいそうな作品。



★★★★ 2010.6.3(木) シネリーブル梅田 シアター2 16:20