ルフトハンザ・カーゴのMD-11F退役へ ヨーロッパから3発エンジン機が消滅
2021.10.03 乗りものニュース編集部
欧州最後の3発エンジン機 退役のカウントダウン
ドイツの貨物航空会社であるルフトハンザ・カーゴは2021年9月29日(水)、
追加発注していたボーイング777F型貨物機2機が、フランクフルト国際空港に到着したと発表しました。
これに伴い、現在使用しているMD-11F型貨物機は退役させるとのことで、
これによりヨーロッパから3発エンジン機が姿を消すことになります。
すでに旅客型のMD-11は全世界から退役済みで、現在運用されているのはすべて貨物型であるMD-11Fのみです。
ルフトハンザ・カーゴは1998(平成10)年により同機を使用してきたものの、23年で運用を終えます。
最後の運航は10月15日にフランクフルト国際空港へ着陸して幕を閉じるそうで、
その前にカイロやテルアビブ、シカゴ、ニューヨークなどを飛んで回るとのこと。
なお、このラストフライトに合わせ、機体には「Farewell」と「Thank you, MD-11」の文字が書き込まれるといいます。
このルフトハンザ・カーゴからの退役により、MD-11Fを運用する航空会社は
フェデックス、UPS、ウエスタングローバル・エアラインズと、北米の貨物航空会社だけになる模様です。
ピークは19機運用していたが現在では3機・・退役
ルフトハンザ・カーゴ 機材一覧 マクドネル・ダグラス MD-11 | FlyTeam(フライチーム)
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関空飛来
ウエスタングローバルエアラインズはごく稀です
ルフトハンザカーゴは夜間がメインなので遅延等での出会いとなる
FedEx 運用機69機 保管4機
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McDonnell Douglas MD-11 (N528FE)
McDonnell Douglas MD-11 (N253UP) メニュー
McDonnell Douglas MD-11 (N513SN)
ルフトハンザ・カーゴ McDonnell Douglas MD-11 (D-ALCF)
マクドネル・ダグラス MD-11(McDonnell Douglas/Boeing MD-11、エムディー・イレブン)は、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)社製の三発式大型ジェット旅客機。マクドネル・ダグラス DC-10の改良型で、のちにボーイング社に買収されることになるマクドネル・ダグラス社が最後に製造した大型旅客機でもあった。本機以降、2021年現在に至るまで三発エンジン式大型ジェット旅客機は開発されておらず、「最後の三発機」とも呼ばれる。
概要
1970年代に就航したDC-10に改良を加えて近代化した機体である。ボーイング747では需要に対して大きすぎる路線にDC-10が投入されたように、ボーイング747-400では大きすぎる中長距離路線に投入されることを見込んで開発された。
開発は1986年より開始された。1990年1月10日に初飛行。1991年から運用を開始。旅客型のほか、貨物専用型、貨客混載のコンビ型なども生産された。
改良点としては、胴体の延長 (5.66 m) ・主翼端へのウィングレットの装着・コクピット内の改良(グラスコックピット化)などがなされた。エンジンはDC-10と同じく、主翼下に2基、垂直尾翼の基部に1基の計3基搭載している。重心位置の変更により、DC-10と比べて水平尾翼が7割程度の大きさに小型化されているのも特徴である。
この機体以降、3発エンジンワイドボディ旅客機は開発されておらず実質上「最後の3発エンジン大型旅客機」となっている。また定期旅客運航に使用された中で唯一、航空機関士を要しない2人乗務の3発エンジン旅客機である。
MD-11. 販売実績
総生産数は200機で、2019年現在は旅客機としての運用は皆無で貨物機として使われているが、貨物機においても主にボーイング777Fに代替され、退役が開始されている。マクドネル・ダグラスがボーイングに吸収された際には「貨物機の需要がある」として生産の継続が検討されていたが、2001年2月に、販売成績が思わしくないことと、貨物型の需要も既に就航している旅客型からの改修で満たせること、ボーイング社の777と競合することなどから200機で生産が中止された。生産開始からわずか10年間しか製造されなかった。
販売成績が伸び悩んだ理由は、いざ飛行試験が始まると空気抵抗が予想以上に大きく、またエンジンの燃費も予想以上に悪かったこと、さらには機体重量が予定を大幅にオーバーしてしまいユーザーとなる航空会社を満足させられなかったこと、ETOPS規制の大幅緩和により飛行ルート選択における双発機に対するアドバンテージが失われたこと、生産が開始される前に、より経済性の高いエアバス社のA330やA340、ボーイング社の777などの開発が開始されたためである。
これらのライバル機材の開発の開始により、大量の発注を行っていたシンガポール航空など複数の航空会社がMD-11の発注をキャンセルしたり、日本航空の様にオプション発注のキャンセルを行った。また就航してからも、日本航空やタイ国際航空、大韓航空やアリタリア航空のように、保有しているMD-11を売却をしてこれらのライバル機を購入したり、保有はするが旅客機ではなく貨物機として運航するということが相次いだ。
マクドネル・ダグラスは当初の設計目標を達成するため、前述のように生産中に様々な改良を行っているが、航空会社からの信頼を大きく失ってしまったのも事実であり、最後まで販売を上向きにすることはできなかった。
現在は、旅客機としての役目を終えた機体の多くが貨物会社に売却されて貨物機に改造され活躍している。旅客機としては不人気でも、胴体の幅が大きく3発エンジンのため貨物搭載量が多いことから貨物機としては使いやすいので、需要が旺盛である。しかし一方では、このことが旅客機としての活躍期間を縮めてしまったという声もある
現役
2021年現在、旅客型は全機運航を終了しており、貨物型のみが運航されている。