◆甲府空襲から78年◆
こんにちは。市民レポーターの “クッツー” こと沓間聖です。
7月5日(水)~11日(火)、『第42回甲府空襲・戦争と平和・環境展』が、山梨県立図書館・1階イベントスペースで行われました。
テーマは
【語り継ごう20世紀を 創ろう平和な21世紀を ~新しい戦前をつくらないために わたしたちが考えるべきこと~】
コロナ禍で中止や規模の縮小などが続いていましたが、4年ぶりにコロナ禍前と同じ形で開催することができたそうです。
会場には、たくさんの展示がありました。
甲府空襲でおおぜいの方が亡くなりました。特に湯田地区が多く、子どもたちもおおぜい亡くなりました。
戦争中の記録写真や当時の生活用具も展示されていました。
私が取材した日は、7月6日。78年前の7月6日の夜から7日未明にかけて、甲府空襲がありました。
取材した日も小学生や中学生がおおぜい見学に来ていました。戦争を体験した方から、甲府空襲についてお話を聞きました。
この方は、当時幼稚園の年長さん。愛宕山が真っ赤に燃え、武田神社の方へ家族で逃げたそうです。目の前に焼夷弾が落ちて、もう少し近かったら今の自分はいなかったこと、戦争が終わってもすぐ平和になるわけではなく、小学校に入学しても、校舎は焼けてしまっていて、ランドセルも教科書もなかったことなどをお話してくださいました。「戦争で子どもたちも犠牲になりました。世界中で戦争がなく、平和であるといいです。」という言葉に子どもたちへの伝える思いを感じました。
続いて「もうひとつのたなばた」という紙芝居が上演されました。甲府に疎開していた子どもが甲府空襲で亡くなってしまうお話です。私はこの紙芝居を何回か見ていますが、何回見ても涙が出てきます。紙芝居をしてくださった方から、「戦争を直接体験した人が少なくなっています。ぜひ家族に甲府空襲の話をしてください。みなさんが次の世代に伝えていくことをしてくれたらうれしいです。」というメッセージがありました。
展示は甲府空襲についてだけでなく、原爆や沖縄戦、環境や国際支援など、様々な角度から戦争や平和について考えることができる展示になっていました。
平和を願う折り鶴コーナーもありました。
実行委員の方からのメッセージ
『甲府空襲から78年が経ち、戦争体験者が年々減り、戦争の記憶が風化しつつあります。風化させないためにも、年1回このような企画を行い、戦争の怖さや平和について語り継ぐことが大切です。小中学生、高校生、大人の方、おおぜいの方に来ていただき、戦争や平和について考える機会になってほしいです。』
いただいた資料『私たちの甲府空襲記録』には、空襲の様子や被災後の生活など甲府空襲を体験した方から寄せられた原稿がたくさん掲載されていました。見学に来ていた小中学生が、熱心に話を聞いたり展示を見学しながらメモを取ったりしている姿を見て、この子どもたちにぜひこの空襲を語り継いでいってほしいと思いました。また私たち大人も語り継いでいかなければならないと、伝えていくことの大切さを実感した2023年の7月6日でした。
おまけ
県立美術館で開催されている『ミレーと4人の現代作家たち』のオープニングセレモニーに行きました。写真はテープカットのシーンです。今までと違ったミレーを感じることができました。美術館でゆっくり作品を鑑賞できるのも平和だからこそだなあと思いました。