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歩くほうも好調で、順調に歩数を伸ばす。朝飯前と帰宅前の時間配分も理想的だ。涼しいうちにという配慮だが、歩くと汗びっしょりになる。帰宅後冷水シャワーを浴びて生き返る。
そういえば筒井康隆の短編に冷水シャワーを浴びるものがあったような記憶があるが、あれはどんな話だったのだろうか。冷水を浴びる前には軽い恐怖感があるのだけれど、思い切って決断した後には、本当に気分の良い気持ちよさがある。少しぐらい無理して冷たいぐらいがさらに快感となるようだけれど、やはり冷たいのはちょっと怖い。そういう話だったと思う。共感したので覚えているのかもしれない。しかし、題名は失念したし、いつ読んだのかも思い出せない。そういえば筒井康隆の本は本棚にもない(探せばあるだろうが)ような気がする。10代で読んだのだろうか。
「まあちゃん」さんがライバルと思っていたが、ここに来て伏兵(失礼)の「ダンベル博士」さんが伸びてくる。最近のがんばりで少しばかり水をあけているとは思うのだが、うかうかできない状況だ。勝手にライバル視している「まあちゃん」さんだって、爆発力がないとも限らない。
全国的には「ウルトラネクサス」さんという人が、また追い込みを見せている。一日平均6万歩以上歩くのは、トップの「しろくま」さん(72才)ぐらいのものなのだが、「ウルトラネクサス」さんも同じく6万歩台。23才女性の会社員という経歴も、トップ陣の中では異色である。ここ数日で奇蹟が起こるのだろうか。
まったく話は飛ぶが、歩行中にカルピスの自動販売機を見つけて思わず買ってしまう。僕の敬愛する伊藤礼氏が、自転車こいで休憩にカルピスウォーターを飲む、と書いてあったので、僕もいつかはそうしてみたいと思っていたのだった。僕は自転車ではないが、コーラでなくカルピスを休憩しながら飲めるというのは、そこはかとない喜びであった。ものすごくのどが渇いていると、カルピスのように甘いものをかえって飲みたくなるのかもしれない。その上にカルピスの自販機は極端に少ない。そういうめぐり合わせが、さらに喜びを深めるのではないだろうか。
皆既月食があるというので外に出てみるが、息子はテレビの「ほんこわ」の方に興味があるらしい。つれあいとしばらく眺めていたが、あいにく雲が多い。いつの間にか皆既という状態は過ぎてしまったらしい。段々と三日月の明るい部分が増えていって、隠れた部分が赤く見えるのが幻想的だった。むし暑く蚊に食われながらの観賞ではあったけれど、人間として生きていて良かったと思えた。次は何年後のことになるかは不明であるが、またつれあいと一緒であるといいと正直に思う。ほんの小さな人間の営みは、残念ながら永遠ではない。しかしそのはかなさが、しあわせのヒントであるような気もする。
新聞記事にハバネロの明太子が発売されたとあった。怖いけれど、気になるものは仕方がない。僕は辛い物好きではない。しかし気になるのはなぜだろう。決して食べたいわけではない。そうではないはずなのだが、せめて一目見てみたい。見てしまうと買ってしまって、そうして食べてしまうのではないか。そういう抑制の効かない自分という存在が、なんとなく怖くて仕方がないのである。