カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

さえない男には見えないが……   ノッティングヒルの恋人

2024-11-02 | 映画

ノッティングヒルの恋人/ロジャー・ミッチェル監督

 既にちょっと古典的なラブコメ。旅行関係の本だけを扱っている小さい本屋を経営する男は、英国のノッティングヒルという小さい町をこよなく愛している。そこにハリウッドのスター女優が客として、ふらっとやってくる。その後ジュースをひっかけてしまい、着替えのために部屋に寄ってもらう。そのやり取りと感じの良さが気に入られたようで、女優に軽くキスされた上に泊っているホテルに誘われる。のこのこ行ってみると新作映画のキャンペーンをやっていて、一般人ではちょっと面会できないように感じて、馬となんとかの雑誌の記者に成りすまし、インタビューに成功する。そのまま食事に誘うが、考えてみるとその日は妹の誕生会であった。女優はそれでも構わないから行く、ということで、妹の誕生会というホームパーティに来てもらう。とうぜん家族は驚くが、そのうちにうちとけて、皆くつろいで楽しい夜になるのだった。二人は親密になるが、再度女優の泊っているホテルの部屋に誘われて行ってみると、別れたはずのハリウッド俳優の恋人が遊びに来ており、邪険にされて失意のままホテルを去る。しかしながら月日は流れ、女優は売れる前の過去のヌードスキャンダルが暴かれ傷心になり、書店の男の部屋に転がり込んでくる(これって、マリリン・モンローなんかもありましたよね)。それですっかり情事を重ねていい感じになるのだったが、同居している男がうっかり情報を漏らしたことで、部屋の周りには報道陣が詰めかけ、またしても大スキャンダルになってしまうのだった。
 基本的には「ローマの休日」のような展開を踏襲した、ロマンチック・コメディである。男女関係性がいろいろ入れ替わっている感じも無いでは無いが、うまくまとめてある夢物語だ。しかしながら、実際に一般人を演じているのがヒュー・グラントなので、いくら相手がハリウッドの大スターであるジュリア・ロバーツであっても、美男美女として、かなり釣り合っている。英国映画なので、なんとなく地味な展開が多いけれど、科白の皮肉めいたところは、やはり英国的である。実際のジュリア・ロバーツは恋多き印象もあるし、ひどくわがままでありそうで、僕としてはちょっとイメージが違う。役なので違ってもいいのだが、一度は男の考えすぎでフラれてしまうので、なんだかやはりあり得ない展開ともいえる。面白いのでいいのだが……。
 大女優が、偶然とはいえ一般の人とイイ感じになるというのは、確かにこれくらいのひねりのある偶然が重ならないと難しい事ではある。いくらサングラスをかけていても、人通りの多いまちを一人で歩くことさえ困難だろう。じゃあ業界人と付き合うしかないのか、というとイエスであろう。望むと望まざるにかかわらず、現実はそうなってしまっているということなのではなかろうか。
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