カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

ひたすらそういう展開になる   殺人鬼を飼う女

2024-11-20 | 映画

殺人鬼を飼う女/中田秀夫監督

 子供のころに義父から犯されたことでトラウマを抱えている女は、複数の人格を持つことになってしまっている。隣に住んでいる男が、自分の好きな作品を書く作家だとある日わかるが、別の人格の自分がそのことを嫌い……。
 主たる人格の女は、いわゆる気の小さい、優し気な被害者なのだが、過去のトラウマがそうさせているのか、別の人格の女たちは、奔放で暴力的であるようだ。一人だけは子供のような純朴さがある人もいるが、最後には大爆発を起こしてしまう。さらに別の人格がバラバラに出てくるはずなのに、別の人格とセックスまで可能なようで、どういう仕組みなのか、正直言ってよく分からない。オナニーをしているということなのだろうか。映像なので実際に絡みまくっているのだけど、それはエロ映画としての必然ではあろうけれど、実際の多重人格の解釈を越えているような気がしないではない。
 しかしながら、多重人格である別の人格が自分を支配して、勝手に身近な男とセックスしてしまったりすると、これは確かに困ったことになる。映像では別人格の人の顔になっているが、おそらくそれは外見だけの問題で、清純(とまでは言い切れない人格だが)な自分は普通に暮らしているのに、勝手に自分を乗っ取った別の人格が、その別の人格の欲望のままにふるまうのだ。
 こうなってしまった大きな原因は母親にあるらしく、実際は逃げて暮らしているのだが、見つけ出されて金をせびられ、その金は母親が別の男に貢いでいる。過去に自分を犯した父親も、母親の彼氏(その時は結婚していたということだろうが)だったということなのだから、多重人格にさせられた張本人が、母親であることは間違いなかろう。映画では漫画的にひどい親だが、当然復讐されることになる。
 しかしまあ、そのようなサスペンスや謎解きがあるとはいえ、つまるところこの映画の主題はポルノである。当初からずっとそういうシーンは続くわけだが、ラストまでとにかく様々なシチエ―ションで、事をいたすことになる。最後はもう大爆発である。とにかくとにかくそういう映像を撮りたかったとしか言いようのない物語である。家族で観る映画では無いので、お気をつけて。
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