瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

歌え!!アニソン!!~とんがり帽子のメモル~

2009年02月12日 20時25分42秒 | アニソン
――SFとはスペースファンタジーの略。(←嘘です)





ヒュルルルゥ~~~~~~~~~~♪
――キラリラン!キラリラン…!

ヒュヒュ~ヒュ~~♪ヒュヒュ~ヒュ~~♪ヒュヒュ~ヒュ~~♪ヒュヒュ~ヒュ~~♪
          ――キラリロン!キラリロン!キラリロン…!

メッ♪ モォ~ルゥ~♪ メッ♪ モォ~ルゥ~♪
               ――キラリラン…! ――キャロリン…!

おっしゃまなチィビきぃらっきらっと朝露浴びってぇ♪

水~車のリズムに…♪ 合せってぇ踊っるぅ♪

まるでっ♪ タ~ンポポのっ♪ 綿ぁ~毛♪

――ススコンッ♪スコンッ♪スコッコーン♪
           ――ジャジャッジャーン♪

さぁ~あ♪ 扉のかぁ~ぎを♪ さぁ~あ♪ 開けて御ぉ~覧♪

そうよっ♪ 人せぇ~いはっ♪ お~もっちゃぁ~箱♪

何がっ♪ 何がぁ~♪ 飛出すのかなぁ~~~~~♪

リルリトルメモルゥ~~~~♪ ちぃちゃなレィディ~~~~♪

とんがり帽子にぃ~~~~♪ 優しさ詰めぇってぇ~~~~♪

煌く星からぁ~~~~♪ 夢色飛行ぉ~~~~♪

ようこそ可愛い~~~~♪ 天使ぃ・達ぃ~~♪

天使ぃ・達ぃ~~~~…♪――ルルルゥ~~~~…♪




1984年3/3~1985年3/3迄TV朝日系で放映、東映動画(現、東映アニメーション)が制作したオリジナルアニメ。
OPタイトルは『とんがり帽子のメモル』、作詞はちびまる子ちゃん役を演じる声優TARAKO氏、作曲は古田喜昭氏、編曲は青木望氏、歌ってるのは山野さと子氏。


――身長10cm前後と極めて小さい種族リルル星人達は、宇宙船の事故により已む無く地球の中部ヨーロッパ山中に不時着した。
抱える人数の多さから、彼らは帰還の手立てが見付かるまで、その土地に村を形成し生活する道を選択する。
小人並の極小サイズと穏やかな性質が幸いして、地球人に存在を気取られず長き平和を貪って居たが、或る日一族の長老の孫娘「メモル」が、地球人の少女「マリエル」と接触してしまう。
自分達より何十倍も巨大な種族との遭遇に動揺するリルル星人達、期せずして始まった二星間の交流の行方は一体どうなるのか…?――


とまぁ敢えてSFっぽく粗筋書いてみたけど、実際の作風はどう見てもメルヘンです。(笑)
ムーミンの様な雰囲気をイメージして貰えば大体OK、スナフキンに似たキャラも居た事だし、東映版ムーミンなんて言う人も居った。
メルヘンワールドに説得力を持たせようと、SF伏線を下敷きにする辺りが、80年代アニメらしいと思う。(笑)
毎度OP映像をようつべから拾って来たんで宜しければどぞ。(→http://www.youtube.com/watch?v=Zo4e9K6zdww&feature=related)

物語の主軸はメモルとマリエルの友情。
病弱で孤独だったマリエルが、メモルと出会う事で生きる喜びを見付けるという。
1度死の淵から蘇ったマリエルが、「別に助からなくても良かったのに…」と呟く場面には、重い衝撃を受けたものです。
大金持ちのお嬢様でも彼女は母親を小さい時に亡くしてしまってる。
父親は遠い外国で仕事をしていて殆ど帰って来ない。
伏線の様に存在が語られながら、最後まで物語中に姿を見せなかった父親の事が長年不思議でならなかったのですが、ウィキによるとどうやら密かに死んでた設定が立ててあったらしい。
もしや天涯孤独ですか(汗)…何故そんなにも悲しい裏設定を立てるんだスタッフよ。(汗)
メモルに出会うまで友達すらマリエルには居らんかった。
この世に不幸は色々在れど、やはり最大は「孤独」だと思う。
そういう意味ではマリエルはとても不幸な少女だった、メモルと出会うまでは。

独りでピアノを弾いてた或る日、絵本の中から飛出して来た様な、とんがり帽子を被った小さな少女が、マリエルの前に現れる。
大人しいマリエルとは正反対の快活な少女は「メモル」と名乗った。
性格の違い故か2人は互いに惹かれ合い、直ぐに仲良くなる。
今迄は御飯を食べても美味しくなくってお腹も空かなかったけど、メモルと一緒に食べれば不思議と美味しく感じられた。

こうして段々と元気になったマリエルは、サナトリウムを出て街の寮学校に通うようになる。
色んな人と出会い、メモル以外の友達も出来た。
一方メモルはマリエルと別れたくなくて、寮まで会いにやって来る。
再びメモルと一緒に過すマリエル、けれどメモルの存在が他の人にバレないよう、冷や冷やの毎日を送る事に。
ただ1人にだけ、メモルの存在を知られてしまった。
宇宙人の存在を信じる天文好きな少年、「オスカー」。
優しく爽やかなオスカーに、マリエルは恋心を抱いてしまう。
だがオスカーに恋する幼馴染「グレイス」が、嫉妬して彼女の恋路を邪魔する。

こっから先がとても子供番組とは思えない愛憎劇にまで発展してって凄いんですが…。(笑)

嫉妬からマリエルにエグイ意地悪を繰り返す「グレイス」。
ところが日頃の行いの悪さが災いしたのか、彼女は交通事故に遭い、そのショックで記憶を失ってしまった。
そんな彼女を献身的に世話し、何とか記憶を取り戻させようと、マリエルとオスカーは努力する。
だが実はグレイスの記憶はとっくに戻っていた、彼女は愛するオスカーが自分の心配をしてるのが嬉しくて、彼の気持ちを独占したくて、記憶を失ってる振りをし続けて居たのだ。
グレイスがピアノを弾いてる姿を見て、彼女の記憶が戻っているのに気付くメモル達。
自分を見詰める小さな影の気配を感じて振向くグレイス、とうとうメモル達は彼女に見付かってしまう。
だがグレイスは驚く素振りも見せず、静かにメモルに話し掛けた。

「…貴女が、メモルね?」

彼女はメモルに泣きながら頼んだ、「私の記憶が戻った事は、オスカーに内緒にしといて」と…。
彼女は言う、私は幼い頃からオスカーが好きだった、オスカーさえ傍に居てくれれば何も要らないとすら思っていた。
そこへマリエルが現れ、私の心中は不安にざわめいた――マリエルにオスカーを取られてしまう――と。
天使の様に優しいマリエル、私には無いものを持つ彼女、とても敵わないと思った。
嫉妬心と劣等感でドス黒く汚れて行く私の心、それすらも許してしまう彼女の真っ白な心。
大好きなオスカーに嫌われたくないのに、彼女の傍に居ると私の心は醜く汚れてしまう…それが辛くて耐えられなかった。

此処のグレイスの心理の描写が凄く深いなと幼心に感心してしまった。
嫉妬心で終らせず劣等感まで表現したのがね。
それで結局どうなるかをバラしちゃうと、マリエルが身を引くんですよ。
「私にはメモルが居るから」って、孤独を知る彼女の心が、グレイスを思い遣るという。
この展開も子供番組という事を考えると凄いと思った、てゆーか最早子供番組じゃないって。(笑)
小道具の使い方も素晴しく、非常に感動しました。

「東映が制作したTVアニメで№1を選べ」と言われたら、私はこの作品を推すなぁ~。
土田勇氏がデザインする美術と、名倉靖博氏がデザインしたキャラの融合により、さながら絵本を観てる様な錯覚を持ってしまう映像。
これは今のアニメ制作現場を考えるに、2度と現れない作品だと思う。
雪室俊一氏の著した世界観も素晴しかった。
脚本と作画の2点に達人が揃ったのが成功の大きな要因でしょう、いや演出も悪くなかったと思うけど。(汗)
この作品に影響を受けてオマージュ的なアニメが幾つか続いたけど、どれもメモルを越えるまでは行かなかった。
当時の東映からして「社運を懸けて製作した」らしく、間違い無く日本のTVアニメを代表する名作ですよ。

唯一引っ掛かったのは最終回…起承転結の「起」を意識するなら、「結」でメモル達は○○○○べきだったんではと。
そうしなかった理由は「それじゃマリエルがあんまり可哀想」と思ったからでしょうね。
父も母も居らずボーイフレンドも去ってしまい、この上メモルまで……そう考えた結果の結末だったのかもしれない。
それでも充分名作です、特にメルヘンが好きな人は、機会が有ったら御覧下さい。
つか解釈なんかはあくまで自己流、ぶっちゃけ遥か昔に観た記憶で書いてるから、どっか間違ってたら御免なさい。(汗)




参考)…ウィキペディア、東映の公式サイト。(→http://www.toei-anim.co.jp/tv/memole/)
コメント
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