AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

使えてこその言葉

2006年04月22日 | 日本語教育
日本語研修コース、ココまでの学習項目を組み合わせてのタスクを実行してみました。

名前を聞く。
場所を尋ねる。
休日を調べる。
開店(開館・営業)時間を調べる。
電話番号を尋ねる。
買い物をする。

このあたりの項目です。

まず、大学内の施設に自力で行かせます。中国の学生がいるので、文字にするとだめです。聞き取りの練習もかねて、口頭で6人の学生一人一人に場所を告げます。
ですから、この段階で、聞き取りをしくじっていると、教室を出た後、日本人学生を捕まえて聞いたところで全く分からないということになります。

6人が教室を出てから、走って追っかけてみるんですが、みんなそれぞれがんばっています。

学生が使うだろうとか、知っていると便利だろうと思うところ、英語や母語で知っているだけで日本語では何というか知らないと思われる所などを織り交ぜます。

留学生:すみません、保健管理センターはどこですか?
日本人:えっと、・・・
留学生:ありがとうございます。

てなことを繰り返して目的地に到着。

目的地に着いたら、

留学生:すみません、何曜日に休みますか。
係の人:土曜日と日曜日です。
留学生:金曜日は何時から何時までですか。
係の人:午前8時半から午後5時半までです。
留学生:電話番号は何番ですか。
係の人:○○・・・・
留学生:失礼ですが、お名前は。
係の人:▽▽・・・
留学生:ありがとうございます。

てな感じで情報を集めてきます。ほぼみんな出来ました。「休みますか」を言い忘れて、「何曜日ですか」といった学生がいたんですけどね、当然「金曜日です」と答えられるわけですよ。みんなが大笑い。だって、昨日は金曜日でしょ?休みの日にインタビューをしてるっていうのが分かるから。

でも、これが大切。

教室の中でパターン練習ばかりしていると、実生活とかけ離れた分になっても何も思わなくなります。
こうやって、実生活に密着した練習をしていると、これは変だということに気がつくんです。そういった活動、言語能力の訓練というのを高く買いたいと思っています。

そして、第二弾。

今度は僕が学生にお金を渡して「初めてのお使い~留学生編」です。

これもねえ、難しいんですよ。留学生が知らないものというのが基本です。買いに行くのは学内の生協購買部。

こんなものを買わせました。

・ 蛍光ペン
・ 両面テープ
・ のり
・ 絆創膏
・ 修正テープ
・ 歯磨き粉

お店の空いている時間に実施。
学生はお店に入って、音だけで聞き取ったこれらの商品が何処にあるかをお店の人に尋ねます。
で、いくらですかと尋ねて買ってくる。

教室へ帰ってから、その商品が日本語で何か、どうやって使うのかを見せて説明します。

両面テープ、初めて見たという学生が一人いました。

あと、英語で書いてある説明が編だという話で盛り上がっていました。

こちらは、問題なくできました。

終了後、オツリを集めていたら、一人の学生が、「これは私のですか」とぼけをかましてきたので、「いいえ、私のです。私のお昼御飯です」と言い返してやりました。こういうぼけも聞いてみんなが一緒に笑えるのがいいですよね。

使ってこその言葉、使えてこその言葉です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 阿波踊り | トップ | ロードスイーパー »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本語教育」カテゴリの最新記事