AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

「へ」と「に」

2010年06月24日 | 日本語教育
1年生の学生さんが、ボランティアで日本語を教えるということで、リソースルームの研究補佐員をしてくださっていて、なおかつ、非常勤の日本語の先生をしてくださっている先生に、教案指導を受けておりました。

「に」と「へ」の違いが分からない。というのがメインテーマです。

例文を見て、全部「に」でいけるので、「へ」を教える価値が・・という話も出ておりました。

もう3週間も前からいろいろ準備しているそうです。
3週間も一つのテーマに絞って考え続けるのは立派。1年生から、いい経験をしています。

僕は、主題化の「は」を付けてみるという作業と、言葉を受け取るのと発するのとの違いの話と、をまずしました。
方言なんかと同じで、聞くほうはさまざまなバリエーションが必要ですが、発するのは一つでもいいかもね、という話もしましたが、「へ」は大丈夫で「に」がダメな例がほしいとずいぶん話していました。

課室に移動してからもずいぶん悩んでいた様子です。
様子を見に行ったら、「もう考えたくない」などと言っていました。
ま、そこまで考えたのなら、ちょっと休憩だよね。

しかし、実際には、「へ」じゃないと使えない文例もあります。「の」との共起を考えてみます。

○ 宇宙への道
× 宇宙にの道

ね。

意味が変わるのもあるよ。

1. 5月へ続くのは何月?  ・・・・ 4月。
2. 5月に続くのは何月?  ・・・・ 6月。

ね。

行く、来る、帰る、のような単純な移動動詞だけだと違いは出てこないかもね。

? 英語へ訳す。
○ 英語に訳す。

こういう文例をたくさん考える。テンスが違うのか、アスペクトが違うのか、感情形容詞なのか、助詞の並列、副詞に何が使えるか、数は? いろんな視点で作文してみるといいですよ。

1年生はみんなくたくたになっていたようですが、今から少しずつこういう経験を積んでおくと、来年、再来年とずいぶんいい授業ができるのではないでしょうか。

すごくすごく期待が持てています。
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